スタメン

【マッチレビュー】2018年 J1リーグ第34節 川崎フロンターレ対ジュビロ磐田

さて、本日は先週末の最終節、川崎フロンターレ対ジュビロ磐田を書いていきます。
川崎は2節前に優勝を決めており、控えだった選手の経験+チームとして今季リーグ最高得点最少失点で締めくくれるかがかかっていました。
磐田は超混戦の残留争いに巻き込まれており、今節負けた場合は他会場の結果次第ではプレーオフに回る可能性がある状況でした。
キックオフ前の練習時に歌ってたジュビロのデイドリームビリーバーをきいて目頭が熱くなりました。
サポーターからも絶対残留って気持ちが感じられる応援で感動です。川崎の応援はするけど、ジュビロ頑張れってなりますね。
嘉人がジュビロに移籍したこともあり、応援したいチームって人はフロサポにも多いんじゃないかと思います。昨年のホーム大敗はあれど苦笑
そんなこんなで色んな感情が私の中で渦巻いていた最終節を振り返っていきたいと思います。

●●スタメン

川崎は前節から変わらず。長谷川は前節から続けての起用ということで嬉しいですね。今季のメンバーも大好きですが、昨季優勝メンバーに陽の目が当たることにうれしくなってしまいます。思い入れが強いみたいです。
磐田は川又が3試合ぶりのスタメン。俊輔も久しぶりのスタメンでした。
そして磐田は高橋を左SBに置いた4バック。スタメンを見た時の感想としては、川崎の幅とりにDF広げられてCHがカバーに入った結果中盤スカスカになるんじゃ・・・でした。

●前半
川崎は今節では比較的SBのタスクとして縦への意識というよりは、幅を取って中を崩していこうとする意識が高かったように見えました。
狙いとしては磐田のSB-CB間にスペースを作り出すことだったように思います。
磐田はボール非保持には、トップ下の大久保が前に出て4-4-2の3ラインを形成します。磐田はマンツーのようなゾーンのような・・・
結構人につく場面が目立ったなという印象です。
磐田は右と左でバランスが悪いというか、左サイドは田口がDFラインのカバーなり、山田がエウソンを捕まえるように動くなりして穴が開かないように走ってふさぐことはできていました。
逆に右サイドでは俊輔と上原のところが穴になっていたように移りました。
川崎はその磐田の右サイドを突くようになります。

●川崎ポゼッション時の狙い
川崎は磐田の右SB-CB間にスペースを作り、そこからエリア内へ侵入していきました。
下の図は前半21分。CB谷口がハーフライン付近に持ち上がったシーン。
(この場面では田口と上原の位置が入れ替わっていました。)
左SH長谷川はハーフスペースに入り小川がついています。大外に張り出した左SB登里(12分に車屋が負傷の為交代で入った)へのコースを俊輔が切るんですが、俊輔が登里から目を離したところで登里がスピードUPし、SBの小川が慌ててケアにいったところで間を通される。といった流れでした。
小川の動き方的には俊輔の頭の上を越してボールが届くと考えてのことなのだろうと思います。CBから精度の高いパスが出ることは頭に入っていたでしょうから、その動きを見て逆を突いた形となりました。


このシーンは前半22分。左SH長谷川が外に開いて磐田右SB小川をつり出し、出来たスペースにCH田口が埋めている状態。
左ペナ角付近に位置した中村憲剛が降りる動きで田口をつり出します。
再びスペースが出来たところに入ったCF知念へ左SB登里からパスが入りエリアに侵入していました。
このように川崎はSB-CB間のスペースをついてゴールを狙う動きが多かった前半でした。

DAZNの解説で戸田さんも話していましたが、右SHの俊輔を動かして中や後ろにフォローをさせて相手のDFを崩そうとしていたように思います。
年齢・選手としてのキャラクター・ケガ明けという状況を考えると、俊輔を今日のポジションで置くのは苦しかったかなと思います。
ボールを持った時に真ん中よりもプレッシャーの少ないサイドでプレーをさせたかったのか、ボールを持たれることは織り込み済みで大久保・川又の2人にカウンターの起点とさせたくて真ん中にはおかなかったのか、川崎に自陣の右サイドを攻めさせてそこで奪ってパス出しをさせたかったのか、色々と想像はしてみたのですがどういう狙いがあったのかはわかりませんでした。

●磐田のチャンス
前半31分のシーン。ここもダゾーン解説で戸田さんが仰っていた通りなので改めて書くことはないのですが。。
磐田の左SH山田は田中の陰から出てきていましたね。
結果論ですが、降りる位置を山田から離れる位置に降りれたら奈良のボールロストもなかったのかもしれませんね。

磐田は43分にCKから前半最大のチャンスを作りましたが、セットプレー以外では、川崎側のミスでしかチャンスを作れておらず、攻撃の形を作れてはいませんでした。上で書いたように中村俊輔の起用意図はあったにせよ、ゲームの中でそれを発揮できていなかったですね。
田口と上原の位置が途中代わったシーンもあって右サイドを警戒してなのかと思いましたが違ったようです。流れで入れ替わったままプレーをしているだけだったようですね。
川崎の攻撃に対する修正が出来ず前半は一方的な展開となりました。

●●後半
後半お互いにメンバーを変えず。
俊輔を真ん中にしてくるとか、右サイドの守備の修正はしてくるかと思いましたが、特に変化は見られなかったと思います。
後半開始から川崎は磐田の左サイドからチャンスを3回演出。
ニアゾーン付近に右SBエウシーニョが侵入しグラウンダーのクロスを供給するといったシーンでした。2回目の長谷川のシュートはビッグチャンスだったんですが。決められなかった本人が1番悔しいでしょうね。
後半序盤はミドルサードで相手SBを引き付けて前に出させて裏を狙うorファイナルサードで相手SHを引き連れてDFラインに吸収させて5~6バック状態にして相手のDFを動かしながらハーフスペースへと侵入していくようになりました。

上の図は67分。磐田の両SHを押し込んでいるシーン。
磐田を6バック状態にし、登里が俊輔を引き付けて出来たスペースに長谷川が侵入→小川がついていき出来たスペースに知念が侵入しニアゾーンへ。という流れでDFラインを突破しました。
この後、知念は家長にマイナスのクロスを入れて最終的に田中のシュートで攻撃を終えました。
磐田両サイドの選手が人についてくる守り方を逆手に取ってスペースを作る攻撃でチャンスを作り出していました。

●先制ゴール

川崎が優勢で試合を進めている中で先制したのは磐田でした。
78分、スローインから川又がキープし→SH松本に落としてサイドを突破。
嘉人がファーに逃げるように動いてカバーに入ったエウソンの後ろからヘディングを決めました。
74分に俊輔→松本と右SHの選手交代をしており縦に突破のできる松本がいたからこその先制ゴールだったと思います。
磐田にとって残留に向けて大きな意味を持つ先制ゴールとなりました。
この磐田の得点直後に川崎は長谷川→斎藤と選手交代をします。

その5分後に川崎はCKから奈良のゴールで同点となります。
この試合何度かあったCKでは奈良が良い形でヘディングできていました。
CKの直前に大久保→ムサエフと選手交代をしており、等々力の大型ビジョンには失点後の嘉人がアップになる場面も。悔しがってましたね。
川崎の嘉人への注目度がうかがえる一幕でした。

同点後も変わらず押し込む川崎。
磐田は田口を前に出して4-4-2でブロックを敷きますが、ここまでの展開と同様に6-2-2状態になり、後半最初の図のような形で川崎に動かされます。
磐田は90分に田口→櫻内と選手交代。
右SB小川を左に。櫻内を右に配置して5-4-1のような形にポジションを修正しました。
川崎は左サイドに後半途中からトップ下に入っていた家長が寄っていき斎藤・登里の3人で外・中・前・後に出入りを繰り返すことで磐田DFを動かして突破のためのスペースを作り出していきました。この試合のラストプレーでおきた川崎の逆転ゴールはその動きの繰り返しから生まれました。

最終節のラストプレーで逆転ゴールが生まれるという劇的なシーズンの終幕となりましたね。最多得点最少失点も無事に獲得して良い形でシーズンを終えられました。試合後のセレモニーも花火も晴れ晴れとした気持ちで見ることが出来ましたね。
また、磐田は名古屋・湘南・横浜・鳥栖と勝ち点が並びまして得失点差で下回り残留POへと進むこととなりました。
試合終了後のサポーターのチャントも響きました。私は等々力では南側で観戦することが多いんですが、磐田の選手がメインスタンドの磐田サポーターに挨拶に来た時、ほとんどの川崎サポーターが拍手をしていました。
応援しているのは自チームのサポーターだけではないので是非とも残留して来年も戦いたいですね。

川崎の今季の戦いはこれで終了。
シーズンオフに入りますが、去年と同様であればダゾーンで1試合復活配信されるともいますので被っていなければその試合も書こうかなと思います。
今回はこの辺で。それでは。

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