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ルイス・サリヴァン

(概要)
19世紀末に近代的高層建築の原型を生み出したシカゴ派を代表する建築家です。高層建築という新しいビルディング・タイプに関して、技術面のみならず、造形面でも独自の理論を創造しました。パリのエコール・デ・ボザールに学びますが、アメリカ独自の建築を生み出すという強い意志を持ち、その姿勢は、弟子であるフランク・ロイド・ライトに強い影響を与えました。また、「形態は機能に従う」という有名な言葉によって近代機能主義の創始者の一人という評価を受けていますが、一方で、装飾について独特の才能をもち、即物的な機能主義とは一線を画する建築家です。

(エコール・デ・ボザール)
17世紀パリに設立されたフランスの高等美術学校です。350年間以上にわたる歴史があり、建築、絵画、彫刻の分野に芸術家を輩出してきました。現在は建築がここから切り離されています。グランテタブリスマンの認定校であり、フランス文化省の管轄下にあります。

パリ国立高等美術学校 

(本文)
ルイス・サリヴァンは、芸術を愛する両親の下にボストンで生まれ、マサチューセッツ工科大学で建築を学んだ後、フィラデルフィアのフランク・ファーネスの事務所、シカゴのヴィリアム・ル・バロン・ジェンニーの事務所で実務を経験し、その後1974年にパリのエコール・デ・ボザールに留学しました。しかし、サリヴァン自身が著した「サリヴァン自伝」の言葉を借りるなら、そこで教えられる理論は、「非凡で傑出した者の成果に従う」ということであり、「原始的なインスピレーションという強烈な意思を欠いている」という批判精神に満ちた確信を抱き、アメリカに戻って、アメリカ独自の建築の探求に取り組み始めました。

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