Valeur 2 -lamp black-
森から飛び出ると
空がどこまでも伸びていた
濃い色から薄い色へ変化していく空
何も纏わない真っさらな身体で
果てもなく広がる草原を行く
足先から草のやさしい声がする
きらきらとわらい、物語を話している
走るぼくの身体を包み
透明な力で運んでくれる
そうして遊んでいるとあたりは暗くなり
遠くにたった一つある灯がぼくを待っていた
はじめ、その奥には何もないように思えたけれど
次第にある輪郭が見え出した
慣れてきた目に映し出されたのは、巨大鯨のひとみ
深い青を超えた色
小さな砂星た