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『アイドル・スタディーズ 研究のための視点、問い、方法』(明石書店)に寄稿しました
田島悠来編『アイドル・スタディーズ――研究のための視点、問い、方法』(明石書店)に寄稿しました。
香月の担当パートは、第4章「異性愛規範と「恋愛禁止」はいかに問い直されるか」とコラム3「アイドルに投影されるもの」の二つです。
第4章「異性愛規範と「恋愛禁止」はいかに問い直されるか」では、アイドルにかかわる作り手やメディア、そして実践者であるアイドル自身の語りを手がかりに、ジャンル内で慣習
共編著『アイドルについて葛藤しながら考えてみた ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』が刊行されました
上岡磨奈さん、中村香住さんとの共編著『アイドルについて葛藤しながら考えてみた――ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』(青弓社)が刊行されました。
各章の執筆は編者3人のほか筒井晴香さん、いなだ易さん、DJ泡沫さん、金巻ともこさん、田島悠来さん、松本友也さんに担当していただきました。執筆者それぞれの問題関心やアプローチを持ち寄っていただき、「アイドル」と呼ばれる芸能カテゴリーの範疇およびその
欅坂46ドキュメンタリーのこと
遅まきながら、欅坂46のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(監督:高橋栄樹)を少し前に観ていました。機を逸した感はありますが、過去の物語として流れていってしまう前に書き留めておいたほうがいいなと思いまして。
このドキュメンタリーは、おおよそ欅坂46のデビュー前後から今年半ばまでの歴史を追尾していますが、多岐にわたるメンバーの活動のうち、どの側面に
『乃木坂46のドラマトゥルギー』補遺――dTV「猿に会う」のこと
配信開始から少し時間が経ちましたが、今春に乃木坂46の4期メンバー主演で制作されたdTVのドラマ「猿に会う」について。
企画全体としては、西加奈子初期の短篇小説二篇「サムのこと」「猿に会う」を原作にしたドラマのうちの一篇です。
二つのドラマいずれにも共通するのは、原作の登場人物のどこか達観したようなマイペース感のある風情を読み替え、より切実に主人公たち(そしてアイドルたち)の人生全体を見
アンビバレントさに留まることから――『乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟』刊行
新著『乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟』(青弓社)を刊行しました。
本書は、「演じる」をキーワードにしながら、アイドルというジャンルを生きる人々について、あるいはその職能の“理解されにくさ”について考えるものです。
ここでいう「演じる」とは、しばしば芸能人に対してあてがわれがちな、「偽りの姿/真の姿」というような単純さで捉えられるものではありません。20
総合的な表現の場としてのアイドル――「乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展」
ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催されている「乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展」の制作に参加しています。
展示内容の選定やキャプション作成などに携わるのが主な役割という感じです。プロジェクト全体からすれば私の受け持ちは微々たるものではありますけれども、たくさんのプロフェッショナルによって素敵な空間ができあがっているので、ぜひ足を運んでいただければと思います。
この展
乃木坂46と、静かに“成熟”を体現すること
乃木坂46は総体として、“自然に成熟していくさま”を体現しているグループとしてあるのではないかな、みたいなことを観測半分と期待半分でここしばらく考えています。
先日、京セラドームで開催されていた「乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVE」もそんなことを考えながら観ていました。
今年のバースデーライブは全4日間を使ってグループの持ち曲を全曲披露する、かつての形式を復活させて
月刊「根本宗子」第9.5号『私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。』(2014.8.22.19:30)
根本宗子さんという作家の真骨頂は、人間の抱えている甘さ、弱さあるいは大人になれなさに対する繊細な、辛辣な視線にあります。
彼女の描く登場人物たちは、環境に甘え、肯定されるべき根拠を持たない自分を受け入れてくれる(ように見える)他者に甘え、自分が弱いことの「仕方なさ」を理不尽に主張し、外部に押し付けて暴発する。けれども、それらは異端者でもなければ、遠いフィクショナルな存在でもない。芝居を観てい
蒼井優~「己」を見せない寵児~
初めて蒼井優さんに打ちのめされたのは、2011年2月でした。
彼女はその頃、野田秀樹作・演出のNODA・MAP『南へ』(東京芸術劇場)という芝居に出演しています。この文章の本題ではありませんが、『南へ』は東京芸術劇場にとって、そしておそらくNODA・MAPにとって、ある特別な意味を持たざるをえない作品でした。
『南へ』の上演は2011年2~3月。すなわち、公演期間中に東北地方太平洋沖地震が