14年前の旅がくれた「宝物」~山梨の小さなレストランの話。
10年前の秋の日、一冊の本を読んでいて、あれっ?と思った。
それは、沢木耕太郎さんが出したばかりの『ポーカー・フェース』というエッセイ集を読んでいるときだった。
沢木さんは一編のエッセイで、行きつけだという山梨のレストランについて書いていた。
あれっ?と思ったのは、そこに描かれたレストランが、その4年前、僕がたまたま訪れたレストランによく似ていたからだ。
中央本線の小さな駅の近くのレストラン。老人がひとりだけでやっている。一生懸命作っている音が聞こえるのに、なかなか料