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”家庭”教師の役割

集団指導塾、個別指導塾、家庭教師、通信教材。

世の中にはたくさんの教育サービスがあります。その中で家庭教師ってちょっとどこか昔ながらな感じがしませんか?この共働きの時代に、なんだかそぐわないようにも思います。でも私は”家庭”教師だからこその役割があるのではないかと思うのです。

家庭教師は言うまでもなく、家庭の中に第三者の立場として入り、各家庭や生徒のニーズに合わせて指導を行う存在です。集団指導の先生は集団で見ている以上、どうしても関わる生徒の数が多く関わりの密度は低くなります。

個別指導塾はほとんどが大学生講師で社会人は塾長だけという場合が多いですから、やはり生徒数によっては関わりの密度は低くなります。その点、家庭教師は生徒にも1対1、親御さんとも1対1で関わりますから当然密度は高くなるわけです。(プロ家庭教師の場合)

この密度の高さこそが家庭教師の利点であり、また弱点でもあります。周囲との関係性が希薄な現代において、この密度の高さをなんとなくめんどくさいと思うこともあるでしょう。だって、共働きでただでさえ大変なのに他人が家に来るとなったら部屋をキレイにしなくてはいけません。考えただけで大変そうですね。また生徒の顔色がよくなければ、学校や家でなにか変わったことがなかったか聞かれるかもしれません。なんだかちょっと説明するのもめんどくさくなりそうですね。

それでもやっぱり家庭との関わりが蜜というのは利点ではないかと私は思うのです。よく私は「先生のいうことならよく聞くから先生から○○するように伝えてほしい」と言われることがあります。それは決して私がすごいのではありません。親子の距離感では正論を言われると、ときにイラッとしてしまうことも、第三者から言われると不思議と中和され、なんだか受け入れやすくなるだけなのです。

きっとそれは大人も一緒ではないでしょうか。奥さんや旦那さんなど身近な人に言われたらイラッとすることも、第三者の言葉ならすんなり受け入れられることもあるはずです。

家庭教師の大事な役割の一つは、親御さんの言葉を生徒に代弁して伝え、生徒の言葉を親御さんに代弁して伝えることだと思っています。たしかに思春期の生徒はなかなか本音を言葉にしないこともあります。しかし、真意が言葉になっていなくても、表面的な言葉や態度の裏側を汲み取り、それを上手に親御さんに伝えることもできるのです。そうすることでギスギスしがちな思春期の子どもたちと親御さんとの間がちょっと滑らかになる、まるで潤滑油のような存在。それが家庭に入る”家庭”教師だからこそできる大事な役割なのではないでしょうか。

潤滑油となるためのポイントは1に聞く、2に聞く、3に聞くです。教師というのはとかく話しすぎるもの。いかに自分から話さず、生徒の話をうんうんと聞けるか。そして生徒が話したいことを話して少しすっきりした上で、親御さんから聞いた生徒への言葉をそのまま伝えることが大事です。自分の話を聞いてくれない人の話を聞きたいと思えないのは、大人も子どもも一緒。よくよく聞いてみると子どもも自分なりの理由をきちんと持っています。頭ごなしに決めつけるのではなく、きちんと一人の人間として向き合い、よく観察し、よく聞くこと。それがなかなか親子関係では難しいことだったりするのです。

でもやっぱり共働きだからお家に来るのはちょっとなぁと思ったそこのあなた。実は、いいものがあるんです。自宅に来ない家庭教師のような存在で、家庭教師の良さを残しながら、自宅に来ないので安心ですし・・・といった想いでこのまだ世間的に知られていないオンライン家庭教師事業を立ち上げています。ぜひこれを機会に旅する教育者に限らず、一つの選択肢としてオンライン家庭教師があるのだということを知っていただけると嬉しいです。




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