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短歌

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誰かに届け【短歌No.6】

誰かに届け【短歌No.6】


「だめだった。」
そう嘆く君に告ぐ
動いた自分を褒め称え給え

やってみたから、わかったんでしょ?
とりあえず動いたから、その結果が出たんでしょ?

上手くいかなかったことは残念だよ。
でも君は自分で動いたからこそ、
だめだということを
自分の責任をもって受け取ることができたんだ。

だから胸張って、次にチャレンジしてみようよ。

ずっと応援してるからさ。

本心はいかに【短歌NO.5】

本心はいかに【短歌NO.5】

年末になると、懐メロと称して、

歌謡曲が流れてきます。

昭和歌謡曲が巷で話題になっているようで、

私も子どもの頃を思い出します。

小学生や中学生の頃は当然ですが、

歌詞の内容なんか深く理解していませんでした。

ただ、子どもながらメロディが持つ哀愁や

心の機微を感じていたのかもしれません。

今回頭の中に降ってきた歌があります。

お守りでいいよと言った言霊の
永遠(とわ)を願うはどち

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生きている【短歌NO.4】

生きている【短歌NO.4】


「調子どう?」「薬の効きは問題なし」
医師の言葉のこの穏やかさ

血液をサラサラにする薬をしばらく飲んでいます。

その微妙な効果を調整するために、一月に一回受診を続けています。

同じ診察室。

「命に関わる」と言われたあの日。

医師の声は私の心に冷たく響きました。

入院。手術。そして生きている今。

同じ診察室なのに

医師の言葉の温度は、こんなにも違って届くのかと、

改めて、命のぬく

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喧騒が約束された静寂【短歌NO.3】

喧騒が約束された静寂【短歌NO.3】

この時期の外練習は寒さが厳しく、早い時間には陽射しが届きません。

ですが、少し早めにやって来て、

誰もいないグランドを見るのが好きだったり…。

陽射しも少しずつグラウンドに当たってきます。

しばらくしたら、この寒さの中でも元気に子どもたちが集まってきます。

喧騒が約束された静寂

だから静寂を、安心して受け入れることができるのですね。

薄墨のグラウンドに立ち子らを待つ
徐々に集まる陽射

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目覚めた瞬間の歌【短歌NO.2】

目覚めた瞬間の歌【短歌NO.2】

目が覚めた時、頭に浮かんでいた文字があったので

忘れないように記録しておきます。

「あの娘がね、好きだったんだ」と言って笑う
海に流したジョニーウォーカー

何の夢ですかね(笑)
私はお酒飲めないので、あんまり詳しくはないのです。名前は聞いたことあると思います。

調べたら、スコッチウイスキーの世界的に有名なブランドのよう。
英国王室御用達みたいですね。
英国…。

うとうとしている間に、言葉

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いづれか歌を詠まざりける【短歌NO.1】

いづれか歌を詠まざりける【短歌NO.1】

私は言葉、文字による表現にとても関心があります。

例えば俳句。

言葉を選びに選び、削りに削って

そうやって生み出す世界の奥深さに

いつも圧倒されます。

また

短歌の三十一文字の世界。

果てしない、無限の宇宙を感じます。

職業柄、この二つには関わることも多く、

万葉集や古今和歌集、新古今和歌集、

また、芭蕉の「おくのほそ道」など、

偉大な古典の、今になってもなお輝き続ける存在感

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