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【閑話】福田恆存が考えてきた問い

 何を疑問と感じるかでその人がどういう人間かが分かる、と言ったら言い過ぎだろうか。とにかく、発する問いにはその人の本質が現れているように思う。答えは粉飾できる。だが問いには、精神の姿態がそのままの形で現れているように思うのである。

・はたして理解は美徳であるか(『理解といふこと』)
・散文を書くとはどういう営みか(『批評家と作家との乖離について』)
・自己を描くとはどういうことか(『私小説のために』)
・文芸批評とは何か(『批評の正しき読み方』)
・文学における素材の価値とは何か(『素材について』)
・文芸批評の理想とは何か(『文藝批評の態度』)
・物と精神に関係はあるか(『荷物疎開』)
・戦後日本の再出発の地盤をどこに見出すか(『民衆の心』)
・現代において作家とはどういう存在か(『職業としての作家 ー 作家志望者におくる』)
・絶対者不在の国において個人主義とは何を意味するか(『表現の倫理』)
・理想人間像を持たない国における「真実」とは何を意味するか(『私小説的現実について』)
・日本のプロレタリア文学運動の犯した過誤とは何か(『人間の名において』)
・文学者としての責任とは何か(『文学と戦争責任』)
・近代の運命とは(『小説の運命 I』)
・批評の運命とは(『小説の運命 II』)
・人間のほんとうのすがたとは(『世代の対立』)
・現代人の救いとは何か(『現代人の救ひといふこと』)
・文学とは何か(『一匹と九十九匹と ー ひとつの反時代的考察』)
・文学の社会性とは何か(『文学に固執する心』)
・批評家としての自分が信じる「真実」とは何か(『批評の非運』)
・文学の効用とは何か(『文学の効用』)
・文学におけるリアリティとは何か(『作品のリアリティについて』)
・現代小説における謎の喪失の理由とは(『謎の喪失』)
・文学における精神のたたかいとは何を意味するか(『急進的文学論の位置づけ』)
・二十世紀において芸術は転落したか(『藝術の転落』)


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