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🔴いつも大安吉日264 〜カッコつけがキマるようにカッコよく〜

【カッコつけがキマるようにカッコよく】

小学生のときは一年中短パン小僧だった

なんで短パンで行ってみようと思ったのか、なんで一年中そのスタイルを貫いたのか、そんな記憶はいまはもうほとんどない
はじめは寒かったのかもしれないけど、長く続けていたら寒くはなくなっていた
親父は「はずかしいなっ」といって、冬にいっしょに出掛けるの嫌がってたなあ


中学生のときはとにかく走っていた

マラソン選手の生い立ちをテレビで観て、「ぼくも走らなきゃ」と思った
中二の夏休みの終わりのころだった
その日からぼくは毎晩かあちゃんにチャリで伴走してもらって毎晩タイムを計って全力で走り、タイムと振り返りを日記に書いていた
中三のマラソン大会に向けて、「卓球部だけど優勝する」を目標に、どんな日でもいちにちも休むことなく朝と晩に走りつづけた
ぼくは十二年ぶりの学校記録で優勝した


高校生のときはまた短パン小僧みたいだった

市のリサイクルショップで百円で手に入れた、そのときすでにレトロだったちっさく太いタイヤの錆びたボロいママチャリ
近くのヨーカドーでバスタオルを買い、それをミシンで縫って突然作ったバッグ
足元は桐の下駄でカランコロン鳴らし、学ランは着ないと決めて常にワイシャツ一枚だった

「卒業式は学ラン着ないと参加させない」
先生にそう言われ泣く泣く学ランを着たけど、式が始まればこっちのもので、ぼくは席についてからすぐに学ランを脱ぎ捨てた
親は恥ずかしそうで、先生は「やっちゃったのね」と言ったけど、ひとり真っ白なワイシャツで退場したのは気持ちがよかった

いま振り返ってみて⋯訳がわからない
それで目立ちたかったのかなあ、とも思う
ただ純粋な「好き」とはちがった気がする
「変わり者」って言われたかったのか

その訳わからないスタイルは、大人になったそれからもしばらくつづくことになった

🔴年齢的にはおとなになった

特別職国家公務員だったころ

酒を飲んで高いところから落ちて死にかけた
手首はいまも完全には動かない
仕事も出来ないから遊びにも行けないのは当たり前なのに、寮から外に出させてもらえないことに苛立ち、ぼくは不正に外に出た
ほんの数パーセントの「任期満了できないやつ」に、ぼくはなった

あとにも先にも唯一の就職先だった
あっ、特別職国家公務員て自衛隊ね

そして二十歳から好きにやるようになった

シドニー五輪に行き、高橋尚子が先頭を走る横ではじめて世界のメディアにデビュー
そのままオーストラリアをフラリ
ともだちとそのころ流行っていたヒッチハイクで沖縄移住計画の下見
そこから三十歳くらいまでは、国内の移動はほとんど高速道路でのヒッチハイクだった

二十三歳くらいのとき、沖縄でドキュメンタリー映画の撮影に参加した
アツい男とたくさんの仲間にここで出逢い、ぼくの人生はまた加速していった
親が望む大人像なんてのとは、このときから大きく外れていくことになったんだ

仲間たちと素人だらけで直した船で、風と漕ぐチカラで沖縄から鹿児島まで渡った
歯を食いしばって必死になってたなあ

捨てられたゴミを拾ってさらにそのゴミを活かして誰かを喜ばせたいと、リアカーを引いてアルミ缶を拾いながら、北海道から沖縄までの全都道府県を歩いて回った
ぼくは他のふたりの仲間が路上で資金を集めながら進むのに対して、「もっと歩きたいもっと進みたい」と思ってたんだよなあ
北海道からひとり別ルートを進み出した

「村をつくろう」と、十何年も放置された海の家を廃材で直しながら、ぼくはプライベートビーチのある場所に住むことになった
ひと月の助っ人のつもりが二年になった
それからも山のおじさんの家に居候したり、韓国を歩いて回ったりしてみた

で、このころも冬でもサンダルだった
上着は二枚しか着なかった
街に行ったり電車に乗ると、ぼくの足元を指差してこっそりと笑うこどもたちがガラスに反射して見えることがあった
それはそれでまたなんかよかった

三十歳ちょいで結婚するまで、ぼくはそんな風にずっと裸足でプラプラしてたんだ


🔴かっこつけ

「たのしそうじゃないのさあ」
もちろんいつもそれは変わらずあった
だけどそれ以外にもいろいろあったんだ

「すげえーな」
「かっこいいな」
「なんなんだアイツは」
誰かがそう言ってくれたらうれしかった

「少数派でいたいな」
「これはおれだけでしょ」
そんな誰かと比べるのも好きだった

小学生のときからそうだったのか?
いつからそうなったんだ?
それはいまはもうわからない
そしていまはまあどうでもいい

ぼくももう四十歳だ
むかしの自分をこうして振り返って、「若かったなあ」と思うことが増えた
認めてもらえるほどの何かをやってもいなかったから、いろんなところで「自分は」ってのをやってたんだろうねえ
そしてそれはいまでもやっぱりあるんだ

ついついカッコつけちゃうんだよね

でも二十歳のころとはもちろんちがう
そのことをこんなところで認められるようになったし、カッコつけてもキマるようにカッコよく生きていたいと思ってもいる
そのカッコよさが、さらけだしちゃうことだとも思ってはいるんだ

全然出来てないよ
でも少しづつでも自分で認めてもあげたい
そうしないとゴールがずっとないんだ
できたところだけでも自分で褒めちゃう

いままでの選択があっていまのぼくがいる
「おいっひろし、最高の選択してるぞっ」

なんかやっぱり訳わからないけど、とりあえず自分で自分を褒めてみて終わりにしよう

「あんたよくやってるよ」
そしてみなさんいつもありがとう

ではみなさんすてきないちにちを

五穀豊穣 子孫繁栄 
大安吉日や さかいひろし

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