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ルーティーンを決めよう

あなたにはルーティーンがいくつあるだろうか。
いや、そもそもルーティーンはあるだろうか。
「ない」と答える人の中にも、実は細かい部分では案外持っているものである。
例えば、ご飯を食べる前に両手を合わせて「いただきます」というのだって立派なルーティーンだ。

しかし、ここではより複雑な過程のルーティーンに関して話そう。
そして、結論としては、自分の生活の中になるべくルーティーンを作るべきだ、ということだ。少なくとも、朝のモーニングルーティーンと夜のナイトルーティーンは絶対に作った方がいい。


ルーティーンを作った方がいい理由は次の三つだ。
①脳のエネルギー節約のため
②人生の時間短縮のため
③体の調子を整えるため

①脳のエネルギー節約、に関して。
人間は無意識のうちに、一日で(もちろん細かいものも全部合わせてだが)約35000回以上の意思決定をしているらしい。朝起きたら、ちょっと尿意はあるが先に着替えようか、いややっぱり先にトイレに行こうかなど。意識していないレベルのこのような意思決定であれば、確かにそれくらいの回数いってそうかな、と感覚的には思う。そして何より、そのような意思決定のたびに脳はエネルギーを消耗する。その日に使える脳のエネルギー量はおおよそ決まっているので、即ち、意思決定の回数を減らせれば減らせるほど、重要な意思決定に使えるエネルギーの量が増える。仕事での重要な判断や命に関わる車の運転など、それらにエネルギーが使える結果、パフォーマンスが上がるということだ。「今日はこの服にしようかな」「やっぱりあの服にしよう」など服選びが楽しみの一つである人、何もこのように意思決定を楽しむ場面を削ろうとは言わない。せめて、思考する必要のない朝の準備や夜寝るまでの片付けなどにはエネルギーを使う必要はない。
自分の場合は朝起きてから仕事に出るまでの30分のモーニングルーティーンと夜寝る前の2時間のナイトルーティーンが決まっている。もちろん休日など仕事に行かない日も同様だ。自分の感覚的な話だが、朝などは特に、ルーティーンが決まっていればその後の仕事の心配などいらないことを思考することがなくなり、朝の独特のしんどい感じがなくなった感じがある。


②人生の時間短縮のため
ルーティーンは何より作業効率が上がる。ほんのコンマ何秒かもしれないがわずかな意思決定の時間が多数省略されるというのももちろんあるが、やはり動きと動きのあいだの無駄がなくなっていく。体も自然と動くようになるということだ。そして朝とか夜のルーティーンを決めることの二次的なメリットの一つとして、(ルーティーンをやり出した当初は気が付かなかったが)部屋が勝手にきれいになっていくというものがある。ルーティーンで生活を送ろうと思うと、その動きに関わるものの配置を決めざるを得なくなるからだ
自分の場合は、2週間に一回、家を一通り掃除するのだが、どこをどういうふうに掃除するかを決めている。ルーティーンとして確立する前も同じ程度範囲を同じクオリティーで掃除していたが、ルーティーンにしてからはかかる時間が約半分になった。今思えば以前の掃除では立ち止まっている時間が長かったのだろう。
さらにルーティーンというものは、やればやるほど洗練されていく。ルーティーンで掃除をすればするほど、もっと効率的にできる方法がわかってきて、それをルーティーンにすることでクオリティーの高いルーティーンができるのだ。


③体の調子を整えるため
ルーティーンを決めれば、体の調子が整う。人間の体や脳は決まったことをやるのを好む性質があるからだ。そして何より、体の調子を整えるのに最も重要といっても過言ではないのが、睡眠だ。睡眠が重要なことは小学生でも知っているが、良い睡眠をとるために色々工夫している人は案外少ないように思う。ネットや本などを読むと、いい睡眠をとるための工夫が色々と書かれており、部分的に取り入れることでもある程度効果はあるだろうが、一応は病院の外来でしょっちゅう睡眠のアドバイスをしている僕からすれば、それらは「合わせ技」なのだ。取り入れば取り入れるだけいい。そして、良い睡眠に重要な要素として、モノトナスというものがある。脳が退屈になるような単調な作業などのことをいう。その例としては、難しめの本を読むことや、火を眺めること、などが書いているが、大きい意味ではルーティーンを決めることこそ、モノトナスとなる。睡眠に重要な要素を詰め込んだルーティーンを作ることで、最強の睡眠前ルーティーンが出来上がる。自分の場合はお風呂に入るところから寝る前2時間のルーティーンが始まるが、格段に睡眠の質は上がった感覚がある。


これら3つの理由から、ルーティーンを決めることの重要性がお分かりいただけたであろうか。スポーツ界では、ルーティーンの天才イチロー選手やラグビー五郎丸選手のキックもルーティーンとして話題になった。スポーツ界だけでなく、ビジネス界でも自分のルーティーンを持っている著名人は数えればキリがないほどいる。また、著名人でなくても、あなたの身の回りにいる「デキル人」も自分なりのルーティーンがあるのではないだろうか(その人がルーティーンだと認識しているかは別として)。

そしてそもそものことを言えば、自分の生活にルーティーンを設定することで、意思決定が必要な仕事や人生の楽しみになっている趣味や遊びに全力を注げることができる。つまり人生を有意義に過ごすことができる。


より幸せに生きたいのであれば、ルーティーンを決めよう!

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