エスプレッソにあるクレマの正体は何?僕の仮説
クレマは乳化ではない
ある日、クレマについての投稿をSNSにしました。
すると、フォロー頂いている方からこんなコメントが
「クレマは乳化ではないと思います」
僕は、ハッとしました。
それまでは、クレマが
「乳化」
によって作られるものだと思っていました。
少し調べていくと
クレマは、
「炭酸ガス」
が中心になっていることがわかりました。
まだ議論されている部分でもあるようです。
ネットで「エスプレッソ クレマ」を検索すると、
「乳化によるもの」と記されている記事が多いのは事実です。
乳化なのか
あまり真剣に考えた事はなかったのですが
本当に乳化なのか、と疑問には感じていました。
しかし、今回頂いたご指摘から、自分でエスプレッソを説明する時に、どう伝えようか、改めて、「クレマ」について理解をしようということになったのです。
少しづつ整理していくと
「炭酸ガス」
が主な要因だと思うようになりました。
焙煎度でのクレマについて
ここで、焙煎度によってどんなクレマになるかを考えていきたいと思います。
まずは、「浅煎り」
浅煎りの焙煎度でエスプレッソを抽出していくと、酸味が強かったり、さらっとしていたり、クレマも薄く、色も薄くなると思います。
そして、抽出速度も早くなる事が多いと思います。
ROKPRESSOの場合、レバーを押してると、感覚として伝わってきます。
後半になるにつれて、レバーが軽くなっていきます。
ガスが少ないからです。
そして、油分も少ないため、粘質性が感じられないと思います。
次に、「深煎り」
深煎りは、豆の表面がテカテカするほど油分が浮いている状態のことです。
この時、エスプレッソを作ると、浅煎りと似たように、クレマが薄く、さらっとしていると思います。
抽出速度は一定に保つ事ができますが、苦味が強く、さらっとしていると思います。
こちらも、
「ガスが少ない」のです。
そして、「中煎り〜中深煎り」
この焙煎度は、「栗」や「キャラメル」のような色をしています。
この時のエスプレッソは、ガスが多く、しっかりと三層を作る事ができます。トロリとしたエスプレッソになりやすく、ガスと油分のバランスが良いポイントになっています。
まとめ1
浅煎りは、焙煎足らずでガスが少なく、油分もない。
深煎りは、焙煎しすぎでガスが抜けて少なく、油分も取れない。
中煎り、中深煎りは、
ガスの量が多く、油分も取れ、クレマを作る事ができる。
ここで、油分について考えてみました。
油分は当然、深煎りの方があるため、乳化させるとしたら深煎りの方がいいクレマが出やすいではないかと思います。
しかし、深煎りは、圧力をかけていくと、固くて抽出しづらい印象があります。
なぜか?
油分が多くて、バスケット内の圧力(内圧)が高くなり
「詰まる」
という現象になっていると考えられるのかなと思います。
挽いた粉自体も、細かく、水分を吸収しやすく
圧力をかけた時に抽出される成分が、油分の方が先に出てしまい
フィルターを通りにくくしているのではないかと考えられます。
浅煎りの場合
豆の繊維が硬いままなので、ガスの含有量が少なく、油分の生成も少量なため、油分が抽出されるより先に、成分が出てしまう。
そのため、クレマが出来にくいのではないかと考えます。
まとめ2
ガスと油分が一体になる「乳化」ではなく
ガスと油分が同時に抽出される「含有バランス」
現段階での僕の仮説です。
単純に、乳化をさせようとしたら、深煎りの豆を使った方がクレマができるのではないか思うのですが、実際は違うな、ということに気づきました。
そして、浅煎りでもクレマを作る事が可能なので、その点も踏まえると、「乳化」なのか、と疑問に思いました。
答えとして
「炭酸ガス」がクレマ作る
これが今の、答えです。
もっと検証して、他の資料なども探しながら、探っていきたいと思います。
ここから先は
ROKPRESSO MAGAZINE 2nd stage.
手動エスプレッソマシン「ROKPRESSO」から「ESPRESSO」を作るときに考えている事を文字にしています。 30mlの液体から生ま…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?