見出し画像

たんぱく質を摂るのって、なんでもいいの?

たんぱく質が多く含まれてる食品といえば、
鶏肉、卵、魚、大豆、乳製品etc…
といった感じですが、

じゃぁ、たんぱく質を摂るのは、何の食品でもいいの?

といった疑問がわいてきました。

そこで、
たんぱく質について少し調べてみましたので、
メモ書きとして残しておきます。


たんぱく質とは

たんぱく質は成長や修復に必須で、適切な健康と機能を維持するために欠かせません。
不足すると筋肉量の減少、免疫系の弱体化、成長障害など、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
一方で過剰に摂取すると、腎臓に負担をかけることがあります。
したがって、たんぱく質はその量だけでなく質にも注意して、バランス良く摂取することが大切です。


たんぱく質の主な機能

  • 構造的役割: 筋肉や骨格、細胞の構造を形成します。

  • 触媒作用: 酵素として機能し、体内の化学反応を加速します。

  • 運搬と貯蔵: 酸素を運ぶヘモグロビンや、鉄を貯蔵するフェリチンなどがあります。

  • 防御機能: 抗体として働き、病原体から体を守ります。

  • 運動: 筋収縮を担い、運動や動きを可能にします。

  • シグナル伝達: ホルモンやその他のシグナリング分子として、体内で情報伝達を行います。

  • 細胞接着: 細胞間の結合や組織の形成に関与します。


動物性たんぱく質と植物性たんぱく質

たんぱく質には、
・肉、魚、乳製品、卵などの動物由来の「動物性たんぱく質」
・豆類、穀物、ナッツ、種子などの植物由来の「植物性たんぱく質」
の2種類があります。

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の違いは、
・アミノ酸の種類と含有量
・消化吸収率
・健康への影響
など多岐にわたります。

◆アミノ酸の構成
・動物性たんぱく質は、
一般に「完全な」たんぱく質と言われ、人間の体内で合成できないアミノ酸をバランスよく含んでいます。
・植物性たんぱく質は、
「不完全な」たんぱく質と言われることがあります。これは、一部の植物性食品が一つ以上の必須アミノ酸を欠いているか、または不足しているためです。

◆消化吸収率
・動物性たんぱく質は、
一般に植物性たんぱく質よりも消化吸収率が高い傾向があります。
これは、動物性たんぱく質が人間の体内での利用効率が良いためです。
・植物性たんぱく質は、
繊維質が豊富であることから消化に時間がかかる場合があります。
しかし、これは腸内環境に良い影響を及ぼす可能性もあります。

◆健康への影響
・動物性たんぱく質は、
高い品質と高い必須アミノ酸スコアを持ちますが、同時に体が処理しなければならない酸を生成する傾向があります。
これは長期的には腎臓に負担をかける可能性があると考えられています。
動物性たんぱく質の高い摂取は、腎臓への追加的なストレスとなる可能性があります。
・植物性たんぱく質は、
通常、より低い必須アミノ酸スコアを持っているものの、酸負荷が少なく、繊維質が豊富です。
これは腎臓に対してより優しい影響を及ぼす可能性があります。
繊維質は腸内フローラを改善し、全体的な健康をサポートすることが示されています。

バランスの良い食事では、動物性と植物性のたんぱく質の両方を適切な割合で取り入れることが推奨されます。それぞれのたんぱく質源が持つ栄養素の違いを理解し、多様な食品から適切な栄養を得ることが大切です。


アミノ酸とは

たんぱく質を構成する基本単位はアミノ酸で、20種類のアミノ酸がたんぱく質の構築に関わっています。
これらは特定の順序で繋がり、特有の立体構造を形成することで、たんぱく質ごとに異なる機能を持ちます。
人体はこれらのアミノ酸のうち9種類を自ら合成することができず、「必須アミノ酸」として食事から摂取する必要があります。
人体で合成されるアミノ酸を「非必須アミノ酸」といいます。

必須アミノ酸

バリン

バリンは特に筋肉をつくるのに大切な必須アミノ酸です。
不足すると食欲を低下させ、栄養不良の悪循環を引き起こすと考えられています。

【働き】
筋肉の成長と修復
成長に関与
血液中の窒素バランスの調整
肝機能向上

バリンを多く含む食べ物
鶏むね肉、牛・豚のレバー、豆腐、チーズ、牛乳、煮干し

イソロイシン

イソロイシンは、たんぱく質、特に筋肉をつくるのに大切な必須アミノ酸です。
ヘモグロビンを形成するのに必要なアミノ酸です。

【働き】
筋肉組織の修復
ヘモグロビンの生成
血糖値の調整
成長促進
神経機能補助
血管拡張
肝機能向上

イソロイシンを多く含む食べ物
鶏むね肉、豚ロース赤身、卵、チーズ、牛乳

ロイシン

ロイシンは子どもの成長や大人の筋肉維持に必要な必須アミノ酸です。
ロイシンは、たんぱく質の生成・分解を調整することによって、筋肉の維持に働きます。

【働き】
肝機能向上
肝細胞の増殖・分化の正常化
血糖値の調節
たんぱく質生合成の促進
筋たんぱく質の維持
筋肉グリコーゲン合成・酵素活性の促進

ロイシンを多く含む食べ物
鶏むね肉、卵、チーズ、牛乳、かつお節

メチオニン

メチオニンは、からだの中でたんぱく質をつくるとき必ずいちばんはじめに必要な必須アミノ酸です。
これが不足すると、すべてのたんぱく質合成に支障が出てしまうおそれが出ます。
メチオニンはまた、脂肪をエネルギーに変えるときに必要なカルニチンという物質の生合成にもかかわります。

【働き】
開始アミノ酸としての役割
薬物中毒の解毒
肝機能の改善
新しい血管の形成に必要な物質の合成

メチオニンを多く含む食べ物
鶏むね肉、豚ロース赤身、マグロ、豆乳、牛もも肉、チーズ、かつお節

リジン(リシン)

リジンは小麦や米など穀類に少ない必須アミノ酸です。
リジンはまた、脂肪をエネルギーに変えるのに必要なカルニチンという物質の材料になります。

【働き】
身体組織修復
成長に関与
肝機能の向上
たんぱく質の合成
ホルモンと酵素の生成
カルシウムの吸収と保存

リジンを多く含む食べ物
カツオ、アジ、凍り豆腐、豚もも肉、卵、チーズ、煮干し

フェニルアラニン

フェニルアラニンは、チロシンを経て脳内神経伝達物質ドーパミンやノルアドレナリン、黒色色素メラニンの材料になる必須アミノ酸です。
合成甘味料アスパルテームの原料ともなるアミノ酸です。

【働き】
血圧の上昇
鎮痛作用
ドーパミン・ノルアドレナリンの材料

フェニルアラニンを多く含む食べ物
牛レバー、マグロ、鶏むね肉、豚ヒレ肉、卵、かつお節、チーズ、するめ

トリプトファン

トリプトファンは、体内でナイアシンになったり、脳内神経伝達物質セロトニンの材料となる必須アミノ酸です。

【働き】
セロトニンやメラトニンの材料
睡眠や気分、食欲に影響
コレステロール、血圧のコントロール

トリプトファンを多く含む食べ物
カツオ、牛・豚レバー、鶏むね肉、卵、チーズ、かずのこ

スレオニン(トレオニン)

スレオニンは、人が体内で全く合成できない必須アミノ酸です。

【働き】
成長促進
たんぱく質の合成に必要
腸の健康をサポート
脂肪肝の抑制

スレオニンを多く含む食べ物
マグロ、豚ロース赤身、凍り豆腐、鶏むね肉、かずのこ、チーズ

ヒスチジン

ヒスチジンは、人の体内での合成が比較的遅いアミノ酸で、幼児が不足すると湿疹ができてしまうおそれがある必須アミノ酸です。
ヘモグロビンに多く含まれているので、不足すると貧血になるおそれが出ます。

【働き】
成長に関与
ヘモグロビン、白血球の産生に関与

ヒスチジンを多く含む食べ物
カツオ、マグロ、イワシ、鶏むね肉、チーズ


非必須アミノ酸

アルギニン

アルギニンは、成長期にその合成能力が足りないため小児で必須アミノ酸となっています。
アルギニンは、成長ホルモン、インスリンやグルカゴンの分泌促進に関わります。

【働き】
一酸化窒素の前駆体
成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌に関与

アルギニンを多く含む食べ物
伊勢海老、豚ロース赤身、鶏むね肉、豆乳

グリシン

グリシンはコラーゲンの33%を占める非必須アミノ酸です。
甘味のあるアミノ酸で、体内ではセリンやスレオニンからつくられます。
睡眠の質をよくするともいわれています。

【働き】
クレアチンリン酸の材料
コラーゲンの材料
神経伝達物質
胆汁酸抱合体の材料
赤血球の材料 など

グリシンを多く含む食べ物
車海老、豚ひき肉、うに

アラニン

アラニンはほとんどすべてのタンパク質に広く存在している非必須アミノ酸です。
グルタミン酸とピルビン酸からつくられます。
アミノ酸の中でいちばんグルコースにかわりやすいといわれています。

【働き】
エネルギー源

セリン

セリンは体内でグリシンやグルタミンなどからつくられる非必須アミノ酸です。
たんぱく質分解酵素(キモトリプシンやトリプシン)など多くの酵素の重要な部分(活性中心)に存在します。

【働き】
さまざまな酵素の部分を構成
情報伝達を担う(リン酸化をうける)
中枢神経の栄養因子など

チロシン

チロシンはフェニルアラニンからつくられる非必須アミノ酸です。
ドーパミン、ノルアドレナリン、甲状腺ホルモンなどの原料になります。
非必須アミノ酸ですが、チロシンを直接摂ることは必須アミノ酸であるフェニルアラニンの節約になります。

チロシンを多く含む食べ物
マグロ、豚ロース赤身、凍り豆腐

システイン

システインは硫黄を含んだ非必須アミノ酸です。
からだの中のたんぱく質は立体の形をしていることが重要な意味を持ちますが、その立体構造を保つのに大切な役割をしているのがシステインです。
タウリンや、エネルギーをつくるのに大切な補酵素CoAの成分にもなります。

【働き】
たんぱく質の立体構造に関与
タウリンの成分
補酵素CoAの成分など

アスパラギン

アスパラギンの一部は水と仲のいい部分を持っていて、たんぱく質の表面にあって水や他の極性のあるアミノ酸とくっつく性質があります。

【働き】
水素結合
糖鎖の結合
オキサロ酢酸の材料 など

グルタミン酸

グルタミン酸は、小麦グルテンから発見されたアミノ酸です。
たんぱく質をつくるアミノ酸として広く存在します。
アスパラギン酸とともにたんぱく質の親水性のかたまりの部分で重要な役割を果たしています。

【働き】
興奮性神経伝達物質
アンモニアのコントロール
アンモニア解毒の基質(脳)
GABAの材料
グルタチオンの材料

プロリン

プロリンは本来イミノ酸ですが、アミノ酸の名前で呼ばれている非必須アミノ酸です。
体内ではグルタミン酸などからつくられます。プロリンはコラーゲンの材料となり、強いコラーゲン合成に役立っています。

【働き】
コラーゲンの材料
角質層保湿作用
コラーゲン修復作用 など

アスパラギン酸

アスパラギン酸は、からだの中に存在する割合としては少ないですが、たんぱく質の親水性のかたまり部分などで重要な役割を担っている非必須アミノ酸です。
人口甘味料アスパルテームの原料でもあります。

【働き】
アラニンの原料
神経伝達物質 など


まとめ

たんぱく質は20種類のアミノ酸からなっており、その中でも体の中で合成できない9種類の必須アミノ酸は食事から摂取する必要があります。

動物性たんぱく質ばかりで摂取していると、脂質の量が多くなったり、腎臓への負担が大きくなるため、植物性たんぱく質も摂取する必要があります。
しかし、植物性たんぱく質は、食品によっては不足しているアミノ酸があるため、バランスよく色々な食品から摂取することが重要となります。


おまけ

身近な食品のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?