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とある。 episode 2 蔑ろにした日々も


いつもそうだった

友達がこの子が好きだと言えば
実は私もなの、とは言えなかった。

友達の応援に回って
自分の好きはなかったことにした。


本やアーティストや
友達の好みと大きく違えば
いろんな好きまでも隠してしまった。



スポーツでも勉強でも
成績が少し上になれば
何か言われそうだなと察すれば
わざと手を抜いて
出来なかったということにした。


自分のことを後回しにして
友達のことを優先した。

いや、これは本当に相手のためだろうか。

これを知って嬉しいと思うだろうか。

仮にそうだとして本当の友達とは言えないのに

分かっているのに


本当は全部自分のためだったんだ。

自分の気持ちを蔑ろにするくせに
何かを怖れて逃げていたんだ。


そう気がつくのには時間がかかった。


そんな自分と長年一緒にいたけれど

ようやく自分に尋ねてみる。


本当はどうしたい?
どうしたかった?


もっと素直にいたかった。
もっと正直に生きていきたい。


今やっと素直に
自分に耳を傾けることができた。

もう一度好きを探しに行ってみよう。



とある。 主人公なあなたへ。

とある誰かのストーリーを切り取って

誰かだったり自分だったり
それとも誰でもないのかもしれない


フィクションだったり
ノンフィクションだったり
どちらかだったり両方なこともある


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