髙橋史朗

髙橋史朗

最近の記事

一人娘を失った母の悲しみ(和歌)①

 心不全で救急病院に入院していた義母が4月23日に退院し、自宅マンションに戻って準備を整え、義母の強い希望通り郷里の秩父市の特定施設(秩父駅からタクシーで約20分の山に囲まれ、三峰神社の小さな社もある施設)に入所した。面会時間は1日20分と少ないが、毎週面会して支え続けたい。特定施設への入所希望者が多く、退院と共にスムースに入所できたことは関係者の並々ならぬご尽力の賜物であり、深く感謝したい。  救急病院の主治医による「CT検査」レポートによれば、肺炎、腸炎、腫瘍性病変が疑わ

    • 週刊新潮に掲載された『日本のホロコースト』に対する私のコメント

       4月25日発売の『週刊新潮』5月2・9日ゴールデンウィーク特大号の、「中国のプロパガンダ⁉元米軍人が出版した『昭和天皇ヘイト本』」と題するワイド特集に、私のコメントが掲載されているので、以下、引用したい。 <内容の信憑性を巡って、「南京事件」の関連書籍「ザ・レイプ・オブ・南京」が国際的な議論を惹起してからおよそ30年。このほど米国で、昭和天皇や旧日本軍に関する”歴史書”が新たに発売された。が、その拙劣かつ悪趣味な内容が再び物議を醸しつつある。  問題の書籍は今年3月19

      • 本物を見、本物を聴く一妻の詩(104)

        今日から生まれ変わるのだ 本当に 今日から寛大な人になるのだ 今日から心優しい人になるのだ 今日からたおやかな女性になるのだ 2月1日の朝 快晴 風がビュービューふいている 今日から 私は過去を捨て 古き心を洗い流し 今日から 本物の神の子として 生まれ変わるのだ いつも私を護っている力がそういっている いつも私を導く私がそういっている 自信をもって 躊躇することなく 虚栄をはることなく 私の本物の私自身であればよい 私を超えて私である 人の心はみな実相につながっているのに

        • 希望一妻の詩(103)

          アーカイブズの おおきな 大きな窓の外 雲に今にも手が届きそう ずっしりとした雲 おおきな 多数の四角い窓の外に 雲に手が届いて 今にも何か降りてきそう 研究の合間に 心が空に飛ぶ もしも 鉄格子の中にいる人が 小さな窓から 空を少しでも見ることができるとしたら 雲よ その人の心に希望を届けて 2014年9月2日午後 ワシントン・ナショナル・アーカイブズにて 

        一人娘を失った母の悲しみ(和歌)①

          「子ども」表記と児童の権利条約

          「子ども」表記と「児童の権利条約」について考えてみたい。 ●公文書の「子ども」表記を「子供」に統一した文科省 まず日教組など「子どもの権利条約」と呼ぶ人たちは、「子供」の「供」は「お供え物」「大人のお供」「家来供」などの従属的、隷属的な差別用語であるというが、平成25年に文部科学省は「子供」に否定的な意味はないとして、公用文中の「子ども」表記を「子供」に統一した。東京都と広島県の教育委員会も同様である。  表記を「子供」に統一したのは、菅政権の木原稔首相補佐官が、「子供に対

          「子ども」表記と児童の権利条約

          天からの贈り物一妻の詩(102)

          今 私は最高の夫と 最高の母に護られて この現象の日々を生きている 詩集を出すことになったけれど その 言葉も私という個性を通して 湧くように 降るように 響いてくれた 天からの贈り物としか思えない 思えば 私の内面は いつも真理を求めていたが 現実の私は 自分の至らなさに打ちひしがれたり 人を責めたり  大したことも為さずに おぶさりきっりの人生だったなと・・・・ こんなに与えられるばかりの私が そして こんなに至らない私でさえ 許され 護られているのだから すごいこ

          天からの贈り物一妻の詩(102)

          SDGsに代わる「日本型ウェルビーイング」を世界に発信せよ

          SDGsには、政治的な「平和」の重要性や社会的文化的な地域の伝統文化や工芸品などを重視する視点が欠落しており、各分野・項目間の優先順位が不明である。また、SDGsの中心概念である「開発」は経済優先の片寄った概念で、政治的社会的アジェンダが欠落している。  SDGsは「誰も取り残さない」というスローガンを掲げているが、「命を守る、地球を守る」が基本テーマで、「ネガティブをゼロに」してダメージを減らすことに主眼が置かれている。しかし、「マイナスを減らす」ことと、「プラスを

          SDGsに代わる「日本型ウェルビーイング」を世界に発信せよ

          母の和歌と「死に方」の選択

           昨日2時からの面会に一番乗りで義母の病室に入ると、看護婦さんが「お母さんすごいですね。わずか30分で20も和歌を詠まれていますよ」と告げられた。処方薬の注意書きのメモ用紙にびっしりと書かれた和歌を見て、母に尋ねると、こずえがずっと傍にいて和歌が自然とあふれ出てきたので書き留めたのだという。  妻のこずえも父が亡くなった時、同じように和歌が次々と溢れ出てきたが、その時も父が傍にいて、天界に召された父の心境が泉のように溢れ出た和歌を次々に書き留める姿に驚嘆したが、同じ光景を目の

          母の和歌と「死に方」の選択

          「道徳思考のつくり方」の理論と実践一テーマ「ウェルビーイングと道徳教育」

           昨日東大大学院の鄭雄一教授と光吉俊二准教授の研究室を訪ね、6月30日の日本道徳教育学会(第103回大会、北陸大学、大会テーマ「ウェルビーイングと道徳教育」)の「ラウンドテーブル」で共同研究発表する内容について協議した。  時代は今、「VUCAの時代」と呼ばれるAIの普及、環境変動、紛争など次々と激しい変化が起こる予測困難な時を迎えている。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧

          「道徳思考のつくり方」の理論と実践一テーマ「ウェルビーイングと道徳教育」

          義母の奇跡的な回復報告一髭を剃って新たな出発?

           かなりの痛みを伴うことが心配された心臓カテーテル検査と胃カメラによる上部消化管内視鏡検査も全く「痛くもかゆくもなかった」と義母があっけらかんと笑いながら報告してくれ安堵した。「こずえと御先祖様がきっと守ってくれたんだ」と満面の笑顔を見せた。  面会開始時刻の14時に病室に入ると、母は驚いた表情で、「今、史朗さんのお父さんとお母さんが秩父に感謝の挨拶に来られた夢を見ていたんだよ」と興奮気味に語った。実に爽やかな表情をしているので、むくんでいた足を見ると、すっかりむくみが取れ健

          義母の奇跡的な回復報告一髭を剃って新たな出発?

          ユネスコ「世界の記憶」に登録された「南京大虐殺」資料を検証し世界発信を!

          ●『日本のホロコースト』に掲載された虐殺写真  4月4日と6日のnote拙稿で取り上げたリッグ著『日本のホロコースト』において、最も力を入れたと思われる第5章「南京レイプ」には、13枚の写真が掲載され、詳細な説明と所蔵場所が明記されている。また、南京の日本陸軍司令官・松井石根大将が中国へ出発する前に、皇居で裕仁天皇に内密に謁見し、その際、「天皇は『南京を占領することで中国政府の抵抗の意志を打ち砕け』という命令を彼に課した」と明記されている。  これらの写真の多くは私が月刊誌や

          ユネスコ「世界の記憶」に登録された「南京大虐殺」資料を検証し世界発信を!

          一人娘を亡くした母の悲しみにいかに向き合い、寄り添うか

           4月12日に妻の告別式を終えて、直ちに毎月定期検診していただいている渋谷の病院に義母を連れて行き診察していただいた。足がむくみ心臓も苦しく眠れないと訴えていたからである。血液検査の結果が15日にわかり、貧血がひどく「心不全」の異常値が見られるので、すぐに入院し、輸血その他の治療が必要ということで昨日入院し、精密検査が行われた。  検査後のCT検査、心臓超音波検査の映像に基づく主治医の説明によれば、心拡大、両側胸水、両肺下葉のpassive atelectasis、気管支肺炎

          一人娘を亡くした母の悲しみにいかに向き合い、寄り添うか

          「日本を取り戻す教育」拙稿連載一覧(『日本の息吹』)

          1 「日本を取り戻す」必要があるのは大人たち自身だ(平成26年5月号) 2 親心豊かな日本の親たちは一体どこへ消えてしまったのか(同6月号) 3 日本人の性格構造会議と国際誤解の源流(同7月号) 4 世界に発信する日本(同8月号) 5 少子化対策のパラダイム転換を(同9月号) 6 朝日新聞はなぜ日本人を貶めるのか(同10月号) 7 未婚化を助長する家庭科教科書(同11月号) 8 米国内にますます浸透する中韓の宣伝工作(同12月号) 9 「慰安婦」授業を受けた在米日本人高校生の

          「日本を取り戻す教育」拙稿連載一覧(『日本の息吹』)

          内なる清らかな歌声一妻の詩(101)

          そっと 聴いてごらん  あなたの内に響く  その清らかな歌声を そっと聴いてごらん きっと 聴こえてくるでしょう  あなたの内に流れている その清らかなメロディーを きっと聴こえてくるでしょう あなたの 振り返る道に 悲しみの足音が響くなら その清らかな歌声が どこかに運んでくれる あなたの 前に広がる その道があなたの歩む道 虹色に輝いた歌声があなたの道ずれ

          内なる清らかな歌声一妻の詩(101)

          モラロジー道徳教育財団「道徳サロン」拙稿連載タイトル一覧

          1 いじめ自殺と曽野綾子氏の問題提起(令和元年9月17日) 2 台湾で制定された世界初の「家庭教育法」とモラロジー(10,07) 3 道徳教育が「育んでこなかったもの」とは(11,15) 4 教師いじめの根因は情動知性の欠落(12,10) 5 「不動の真理」を置き去りにしてはならない(令和2年1、10) 6 地獄への道は「善意」で敷き詰められている(2,4) 7 科学的知見に基づく道徳教育・家庭教育(3,9) 8 家庭科教育の在り方を抜本的に見直すべし(3,31) 9 国語教

          モラロジー道徳教育財団「道徳サロン」拙稿連載タイトル一覧

          人権教育・平和教育のパラダイム転換一「対話」とは「変容」であり、「通底する価値に身を投じる手段」である

          ●同和教育団体との建設的な「対話」  2004年に北海道で開催された第52回日本PTA全国研究大会の人権教育分科会で、「感性を育てる人権基礎教育一人権教育のパラダイム転換」と題する基調講演を行い、その後、文部省の担当課長補佐、全国同和教育研究協議会委員長、北海道ウタリ協会理事とパネルディスカッションを行う機会があった。  分科会参加者は私と全国同和教育研究協議会委員長の高松秀憲氏とが激しく対立するのではないかと固唾をのんで議論を見守っていたが、同委員長が次のように発言された

          人権教育・平和教育のパラダイム転換一「対話」とは「変容」であり、「通底する価値に身を投じる手段」である