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恋人岬

いち度連れて行ってあげたかった
「素敵なとこなんでしょうね」
いつかポツリと言ったから

恋人岬には不思議な力が渦まく
安っぽいジンクスなどではなく
人智を超えたもっと巨大な何か
答えを知る必要はないが多分
命の由来に係わるものだろう

いちど連れて行ってあげたかった
話しかけてくれることは
もう二度とないのだから

恋人岬にふたりで立ち
見渡す限りの水平線に
時の概念を忘れるほど
ゆっくりと沈む夕日と
向かい合うことが出来たら

いちど連れて行ってあげよう
巨大な何かにもっと近付けたら
いつか時の概念を忘れられたら








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