見出し画像

ワンコイン・ビューティープラン

昨晩、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」を観た。
フジテレビにて初のテレビ放映だと言う。情報を得てからというもの、手帳に日付と時間帯を書きつけ、楽しみにしていた。

とても、とても良かった。
何がって、画質が。

雪山の、青青とした森の、穏やかに流れる小川の、激しく舞う炎の、汚れなき眼からあふれ出る涙の、それらすべての最高級の美しさに意識を奪われ続ける二時間であった。


断っておくがもちろん物語にも心から感動した。原作未読ということもあり完全に予想外の終わり方だったが、たやすいハッピーエンドにはならない覚悟が伝わってきた。
新作続編がこの秋テレビで放映開始とのことで、実に楽しみである。


私がアニメ「鬼滅の刃」一期を観たのはつい先月の八月末。「ハリー・ポッター」シリーズを踏破した数日後のこと。

「ハリー・ポッター」はhuluで観たが、「鬼滅の刃」はNetflixでの鑑賞だった。

サブスクのためにとFire Stickを購入したのは六月。それまではPS4を経由して観ていた。
その更に前となるとスマホで映画やアニメを楽しんでいたたのだが、それというのも、ここ十年ほどテレビを持っていなかったからである。
引っ越しを機にテレビを導入。おかげさまで今や大画面(24インチ)でゲームや映画を堪能できている。
テレビがなかった時期は専用モニターを使ってゲームをしていた。毎回セッティングしなければならず、たいへん面倒だったというのが本音。
その点、テレビはいちいち動かさなくて済むので素晴らしい。
もうテレビ大好き。手離せない。正直テレビを観る習慣が昔からないからこそ所有していなかったので今でもほぼゲームとサブスクの常設モニターと化しているが、昨夜のように地上波を観ることもある。あと金曜ロードーショウとか。

そんなわけで、「鬼滅の刃」一期もNetflixでの配信をテレビ画面で観た。
一話目から世界観に引き込まれた。声優さんの演技も素晴らしい。ちょっと出遅れたけど最新のアニメ、やっぱりすごいなあ。
と感心する反面、気になることがあった。
画質である。
「鬼滅の刃」をご存じの方は多いだろうから説明は割愛するが、バトルシーンになるとどうもかすれるというか、画が粗くなる。
オープニングの時点で綺麗に映るところとそうでない箇所があったから、うーん……と腕組みしつつ最後まで観てしまったのだが、昨夜のテレビ放映で確定した。

Netflix、テレビの画面で観るならプランをグレードアップすべき。特にアニメは。

現在、私が加入しているのはベーシックプラン。月額990円。画質はSD画質(標準)である。(※二〇二一年九月二十六日現在)
実はテレビでサブスクを利用する前にそのあたりのことも調べてみた。「ひとり暮らしで画質にこだわらないならテレビを使うにしてもベーシックプランで充分ではないか」との記事がいくつか目に留まった。
というかそもそもSD画質ってどれくらいなのよ?と比較画像も参考にした結果として、ベーシックでの継続に至ったのである。安いし。画質にこだわらないし。

それが「鬼滅の刃」で覆った。

あの美しいテレビ放映は当然、高画質によるものだろう(低画質だろうが高画質だろうがとにかくあれぐらいでなければ苦情殺到どころかフジテレビ局前で暴動が起きる)。だって一期にも出てくる場面、比較にならないほど綺麗だったもの。あれが仮に映画用にアップデートされたカットだとしても、映画全編を通して画質に乱れがまったくなかった。

画質にこだわらない?
とんでもない。こだわりますよ。アニメなら。

そもそも私がNetflixに加入したのはアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観たかったから。そのころはスマホで観ていたため、ベーシックでも驚くほどに綺麗だった。さすが京アニ。
その「さすが」をテレビでも享受したいのなら、500円プラスしてスタンダードプラン(HD画質)にすべき。美しくない「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」って何だよ。

という、恐らく常識すぎるほどの常識に気づかなかったのは、テレビ画面を利用するようになってからもNetflixではホラー映画ばかり観ていたからではと推測。
ホラーは何というか、綺麗すぎるより多少は雑なほうが味があるというか。古い作品だったらいっそVHSぐらいの画質こそふさわしいというか。何ならアニメでも作品によっては綺麗すぎないほうが良い場合もある気がする。ナウシカとか。
などと語る以前に、とにかく何の不満もなくテレビでNetflixを鑑賞できていたのである。主にホラーを。これがアクションムービー三昧だったらもっと早く違和感に気づいていたであろう。たぶん。

ともあれ、テレビでNetflixを観るならスタンダードプランでなくては!
さらばベーシック!

変更直前で気づいた。
「鬼滅の刃」なら、Huluでもアマプラでもユーネクストでも無料で絶賛配信中。
で、これらのサブスクは基本的に高画質(確か)。
綺麗な「鬼滅の刃」を観たかったら他のサブスクを当たれば良い。
では、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はどうかというと、なんとNetflixでしか配信されていない。馬鹿な。あの名作を何故。と動揺を禁じ得ないが、そういえばNetflixでしか配信されていないからNetflixに加入したんだったわ……。
あれから一年。来月の劇場版のDVD発売をきっかけに各種サブスクで配信してくれても良さそうなものだが、どうなることか。
なら「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のためにはやはりスタンダードプランに変更するしかないのか。


「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観る時だけプラン変更すれば良いんじゃね?
劇場版はBlu-rayを予約しているから問題なし。


Netflixの他の強みといったらNetflixオンリー映画とかオンリードキュメンタリーだろうけど、それなら画質に特に不満はないわけで。むしろ画質が上がっても気づかないレベルの視聴者で、私はあるわけで。
これは音感が優れているから良いスピーカーを使用するとか、そういうことと同じなのだろう。それぞれのこだわりに応じて環境を整えれば良いのである。

だってスタンダードプランとの差額500円があったらアマプラで一本、有料レンタルできちゃうぞ。
ただでさえあっちこっちのサブスクで月額料金がかさんでいるのだから、何とかしてお安く利用したい乙女心。
Netflixはスマホで観る、これもひとつの手だが、これも環境、すなわち体力、早い話が寄る年波も熟慮すべき深刻な要素である。心は乙女でも肉体はまた別。一年でもひとは老いる。ましてや一ヶ月に五十本ぐらい映画を観るような生活をしていればどうなるか、おのずと知れようというもの。


結論。
Netflix、当面ベーシックプランで続行の予定。
今後「鬼滅の刃」一期を観る時はHuluあたりにお世話になります。
秋からの新作はテレビをフルに活用したい。今こそテレビジョンの出番。ついにモニター以外で定期的に活躍する時が来た。是非ともテレビには全呼吸の最大出力を見せつけて頂きたい。見逃さないように私も心を燃やすから。

なお、録画体制には手をつけていない。積むことになるのはもはや自明の理。
限界を越えるべきか、限界を弁えるべきか。選択は常に己の前に横たわっている。その姿、煉獄さんが視界に強く刻んだ理解の及ばぬ父の如く。



この記事が参加している募集

習慣にしていること

おうち時間を工夫で楽しく

サポートして頂いたぶん、紅茶代に充てさせて頂きます。紅茶は主食です。