あやうく子どもの可能性をつぶすとこだった話。

子どもは、大人が思っているよりずっと、大人なのではないか。
大人の思う「まだ、これはできないだろう」という思い込みが
子どもの成長を押さえ込んでしまっているのかもしれない。
そんなことを実感する出来事があった。

最近、仏像に興味を持ち始めた小1の息子を
東京国立博物館で開催中の「東寺展」に連れて行った。

会場に入ると、2カ所ほど足を止めてチラッと見たが、
「つまらない」を連発し、どんどん先に進んでいく。
まあ、大人の私だってよくわからないのだから、
子どもにしてみれば、面白くも何ともないだろうな、、、
と思いながら出口に差し掛かった。

出口では、音声ガイドを返却するコーナーがあり、
息子はそこで足を止めた。
「ねえ、ママ、あれなあに?」
「あれは、中に飾ってあった色々なモノの説明をしてくれる機械だよ」
そう答えると、
「あれ、やりたい!やる!」
と言う息子。

「あれは、大人の人が聞くものなんだよ。子どもには難しいと思うよ。」
と説明したが、全く耳を貸さない。

息子は、機械モノというか、デジタル的なモノが好きなので、
ちょっと触ってみたいだけで、
そのうち、「もういいやー。」と言うに決まっている、と思った。

音声ガイドのコーナーまで連れて行き、
息子の目の前で、
「小学生の子どもに、この音声ガイドってどうですかね?」
と聞いたところ、
それはちょっと難しいのでは?という表情をした係の方が、
「大人の方向けですからね~。」と返事をした。

親に言われて納得できないことでも、
他の大人から言われると納得するように見えることがあったため
その手を使ってみたのだが、
それでも「やる!」と言うので、もう仕方なく
ガイドをレンタルして首にかけ、もう一度入場した。

すると、さっきは素通りしていた  たちの前で、
立ち止まって聞いている!

本当は、私もガイドを借りたかったのだけど、
息子が飽きてすぐ終わると思っていたため、借りずにいた。
なので、どんなアナウンスがされているのか全くわからない。

そんなにいいの!?
佐々木蔵之介さんのアナウンス、私も聴きたかったよーーー!!

そして、1週目のときには考えられないくらい
2週目はじっくりと会場を回った。

息子が、どの程度、理解しているのかは全くわからない。
帰り道、「どんなお話があったのか教えて!」と言ったところ、
「くうかいが、つくらせたんだって」との答え。
「他には?」と聞くと
「忘れた」とのこと。笑

まあ、息子が説明できる、できないといったことはどうでも良くて、
あの空間を、息子なりに体感することができたのなら
それはとても良いことだったな、と思うのです。

音声ガイドの話の内容がわからなかったとしても、
博物館という場所に行って、音声ガイドを借りて、
なんとなく説明を聞きながら、なんとなく作品を見る、
そういう「体験」ができたことが良かったのかなと。

そして、私自身も、「息子にはまだ早い」という
自分のちっちゃな思い込みがあることに気づいたこと、
それを壊してもらえたことが良かった。

子どもの可能性をつぶす親でなく
子どもの可能性を広げられる親でありたいよーーー。


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