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学ぶスピードと学びを組み立てる力こそコアスキル #195

キャリアデザインの視点から、最近もっとも大切な能力は何かと考えてみると、高速に学ぶ力、そしてそれを可能にする、「自分で自分の学びを組み立てる力」がコアスキルになっていると思います。


モノタロウの新社長の推薦理由から学べること

モノタロウの新社長が就任した際に、取締役会の専任理由において、高速に学習する力が指摘されており、とても印象的でした。

鈴木会長のメッセージ
新たな代表執行役社長は、田村 咲耶さんです。指名委員会での審議を経た後、取締役会において「他者の多様な意見に耳を傾け、高速で学習し、経営の執行に活かすというリーダーシップがMonotaROという集団にとって親和性が高い。それは、当社の今後の更なる成長に必要である。」と判断し、代表執行役社長に選定することを決定いたしました。

MonotaRO社 第24期株主総会 招集通知より抜粋

あのパナソニックも協調性より学ぶスピードを重視

パナソニックも、白物家電時代は協調性を採用のキーワードにしていましたが、分社化して樋口社長が牽引するパナソニックコネクトなどは、「学ぶスピード」をキーワードにしており、協調性なんてどうでも良くて、強い個性こそ求められているという風向きの変わり具合です。

学ぶスピードを追求していくと、体系化されたり、一般化されていないことも領域に入ってくるため、教科書的な学びができないエリアになります。

他者が決めたカリキュラムを安易に呑み込むことの危険性

高速に学び、自分で自分の学びのカリキュラムを組み立てる力を育むという視点から考えると、他者が決めたカリキュラムを無批判に呑み込むというのは危険だということが見えてきます。

そのため、学習指導要領などのフレームワークが決まっている学校教育については、冷静な距離感を置いて、守破離で使えるところは使い、基礎学習をしたうえで、個別のカリキュラムとして、好きなことを、夢中になれることを常に組み込んでおくことが大切だと思います。

自分では学べない大人たち

大人になっても同じで、学校や他者が用意したフレームワークの吸収のみに特化すると、自分で自分のカリキュラムを組み立てる力が育まれません。

そのため、会社が提供する研修以外では学ばないという大人が大量発生し、会社が提供してくれないから、政府が提供すべきだ!とリスキリングプログラムを政府が提供するという謎の自体に陥ります。

こういう人は真顔で、会社ではそんな研修をやってくれていない!誰も教えてくれなかった!と憤ったりします。

学びたいという内発性、興味関心のあることを掘り下げるてハマる力を鍛えていないと、永遠に他者のフレームを待つことでしか変われず、自律的な学習者になれません。

学びにハマることへのゆとり

学びたいことを勝手に学び、勝手にハマることにゆとりを持って構えておくことを大切にしたいと思います。

親自身もいまの学びのテーマがあって夢中で勝手に学んでいて、子どもも学校と勉強なんかは最低限でいいので、スポーツでも、昆虫でもゲームでも何でも好きなことに夢中になっているのがもっとも学びとして健全なのだと思います。

中学受験させる前に観て考えたい映画「グッド・ウィル・ハンティング」

教育虐待の問題においては、親自身が内発的に学びたいことを喜んで楽しそうに学んでいる姿を子供に見せておらず、子どもも塾や受験という外部フレームの視点からしか評価されないなかで、再現可能性を高めるゲームに巻き込まれていると思います。

この虐待の不幸なことは、学ぶ喜び、遊び心を育む機会を奪い、歪んだ学習観、知識観を育んでしまうことにあります。

記憶力が高く、知識だけはあるけども、社会的に意義付ける力や人間との信頼関係が築けない青年がどれくらい苦労しているか、そしてその傷を癒やしながら、心を開いて人間とぶつかり合うことをともに学ぶことがどれだけ尊く難しいか。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち https://g.co/kgs/BwrSsjk

受験競争に参入させる前に、グッド・ウィル・ハンティングを観て考えるのが良いと思います。

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