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お疲れ気味のとき、癒してくれる映画たち

ご自愛、してますか。わたしはけっこう順調です。

このご時世ですから、いくらご自愛しても足りません。外出しにくいし人に会えないし、友達の笑顔を見るだけで消えちゃうようなモヤモヤが、いつまでも居座ってしまう。どうしたって小さなストレスは溜まるものです。

そういうとき、わたしは映画を観ます。とびっきり美しくて、安心して泣けるようなやつ。「ちょっと疲れてるなぁ」「仕事のことしか考えてないや」って方は、ぜひご参考にしていただけたら。

マイ・インターン

端的に言うと「すっごく紳士なおじいちゃんがイマドキアパレル会社の敏腕女社長をばっちり支え、その人生を変えてゆく」みたいな話。このおじいちゃん・ベン(ロバート・デ・ニーロ)がま~~~~~~イイ。紳士。すごい。

「みんなの叔父さんになった気分だ」

という台詞の通り、本当にみんなのおじさんみたい。宿無しの若者を家に泊めたり、忙しい社長のためにそっとスープを用意しておいたり、荷物置きと化したデスクを誰に言われるでもなく片付けたり。しかもそれを「俺がやったんだぞ」って言わない。

最初はアパレル系の会社にスーツのおじいちゃんだからめちゃくちゃ浮くんだけど、一つひとつの仕事・暮らしがとにかく丁寧。やがて同僚や先輩もベンを認めていき、大切な存在へとなってゆくのがとにかくハッピー。

僕のワンダフル・ライフ

わたしが大の犬好きというのもあるんですが、大好きなんです。これ。

ちょっと切ない話から物語は始まるのですが、とにかく少年・イーサン(ブライス・ガイザー)とゴールデン・レトリバーのベイリーの日々が愛おしすぎる。

犬の寿命は、ひとのソレよりずっと短い。

その事実を忘れそうになってしまう。それでもぐっと突きつけられる。

思い切り切ないストーリーだし悲しいんだけど、ベイリーの底抜けの明るさと、 ジョシュ・ギャッドの軽快な声が、「それでも僕は、愛し続ける」というあたたかさを与えてくれる。

イーサンに、また会いたい。

こんな純粋にひとを想えるだろうか。どこかで挫けてはしまわないだろうか。ベイリーの、ただイーサンとの再会を願い続けるひたむきさに、ぐっと胸が熱くなる。

プーと大人になった僕

くまのプーさんとクリストファー・ロビン、そして愉快な仲間たち。
そのお話を、誰しも一度は見たことがあるはず。

ハチミツに夢中になって友人の家から出られなくなったプーをみんなで引っ張ったり……
ハチミツに夢中になって蜂に追い掛け回されるプーにみんなが巻き込まれたり……

ちょっとお間抜けなプーさん、けれどたまらなく愛おしいプーさん。その和やかな時間は、永遠に続くもののようにも思えてしまう。

それでもクリストファー・ロビンは大人になる。学校へ通い、仕事をし、いつかは家庭を築いていく。

本作は、そんな大人になったクリストファー・ロビンと、昔と変わらぬ日々を過ごすプーたちのお話。

心の中から消え去っていたプーを、当初クリストファー・ロビンは厄介者のように扱う。

ワガママで、マイペースで、人の話を聞かなくて、呑気なプー。

仕事に追われ家族ともうまくいかないクリストファーにとって、プーの姿は、きっと羨ましく、妬ましいものだった。
しかし悲しげに助けを求めるプーに対して、クリストファーは渋々力を貸すことにする。

それから少しずつ、クリストファーは「もともと自分が持っていたもの」を思い出していく。

子どもの頃には誰もが持っていて、しかし大人になると忙しさと共に忘れてしまう、なににも代え難い大切なものを。

それは風船より大切?

わたしたちは皆、大人になっていく。
そして多くの人が、かつては自分が子どもだったことを忘れてしまう。

でも、どれだけ忘れても、その日々は消えはしない。大切に、わたしたちの胸にしまわれていく。
本当に大事なことなんて、本当に幸せな日々なんて、いつの間にか傍にあるものなのかもしれない。

ナミヤ雑貨店の奇蹟

だれかの幸せは、だれかの悲しみのうえに成り立つとしたら、
果たしてわたしたちは自らの幸せを追い求めることができるのだろうか。

矢口敦也(山田涼介)は、コソ泥をして逃亡する三人組のリーダー的存在。ある日、夜を明かすために三人は廃屋に忍び込んだのだが、物色する最中、突然シャッターの郵便受けに一通の手紙が届く。どうやらこの廃屋、以前は「ナミヤ雑貨店」という名前で、店主は悩み相談を受け付けていたそうだ。

軽い気持ちで相談に応えようとする三人。しかしいくつかの手紙に返事を書いていくうちに、真剣な想いが芽生えていく。

緊迫のシーン、敦也はそっと涙を流す。
もともとの台本にはなかったというから驚き。

水原セリ(門脇麦)の歌声、今と昔とが繋がる瞬間、軽やかに回収されていく複線。
観終わった後にはただ、あたたかい気持ちだけが残る。

パディントン2

こういう時、本当は続編モノは1作目を薦めるのが正解。って知ってる。知ってるけど、どうしても2作目を観てほしくて、2作目を出してしまいました。(とはいえ、1作目から観てほしい)

児童文学がもとになっているとだけあって、絵が綺麗だし登場人物がみんな魅力的。なにより主役・クマのパディントンが愛くるしくてたまらない。

とっても紳士的で朗らかなパディントン。誰かを責めるとか、何かを押し付けるとか、見栄を張るとか、そういう世界から一番遠いところにいるクマさん。

まるで童話の世界に潜り込んだような展開と画は、観ているだけで癒されます。

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

画家の夫アレックス(モーガン・フリーマン)と元教師の妻ルース(ダイアン・キートン)のカーヴァー夫妻が暮らすのは、ブルックリンを一望できる最高の我が家。唯一の欠点は、エレベーターがないこと。

愛犬ドロシーとアレックスの心配をしたルースは、40年間住み続けた家を手放すことを決意する。

家を売るのも買うのも、人生の大イベント。
それはまさに「自分たちらしさ」を考え直すキッカケとなるんだろう。

諍いのうまれる時も、いつだって二人だけの空気感があって。「もし結婚するなら、こういう生活をおくれたらいいなぁ」なんて考えていた。

途中途中に挟み込まれたアレックスとルースの思い出シーンも良い。
と同時に、この映画に二人が登場した時、その時代背景から二人の苦労を推測できなかった自分が恥ずかしくなった。

大変な時もある。喧嘩してしまう時も。
それでも二人はいつだってお互いを愛していたし、きっとこれからも二人らしく生きていくんだと思う。

あともう少し、あと少しだけなら、と唱えながら。

ある老夫婦の長い人生のうちたった一瞬を覗き見ただけなのに、こんなにすてきな気持ちになれるとは思わなかった。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -

アニメを未鑑賞の方はぜひアニメから。ぜひというか、絶対。おねーさんとの約束だぞ。

感情を持たない一人の少女がいた。
少女は戦うための「道具」として生きていた。
名はヴァイオレット。

とある時代のとある国。そこでは戦争が終結し、あらたな時代が始まろうとしていた。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、戦争で活躍するために徹底的に教育された少女。残されたのは、砲弾を受けた両腕の替わりにはえた銀色の義手と、戦場での記憶、そして最後に上官から受けた命令だけ。しかしその命令さえも、ヴァイオレットは言葉の意味を理解できずにいた。

「愛してる」が知りたいのです。

そう願うヴァイオレットは、字を書けない人などの代わりに手紙を綴る「自動手記人形」になろうと考える――。

感情を封じ、ただ命令をこなすためだけに生きてきたヴァイオレットにとって、終戦後の世界はひどく違和感があったはず。それでも上官のたったひとつの言葉を胸に、自動手記人形になることを決意する。

美しい映像と繊細な音楽、人々の動き。
映画はアニメのアフターストーリー的意味合いがつよいのでぜひアニメから! アニメから観ていただきたいのですが、映画を観る際にはぜひ「ロウソクの炎」に目を向けてみていただきたい。

細部にまでこだわりぬいたその世界に、あなたの心も奪われるはず。

あなたのご自愛のお役に立てますように。

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