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最近のメモ

  • デイヴィッド・ホックニー展 @東京都現代美術館

  • MOTコレクション「被膜虚実/特集展示 横尾忠則―水のように/生誕100年 サム・フランシス」 @東京都現代美術館

  • 中川 衛美しき金工とデザイン @パナソニック汐留美術館

  • 春名真歩個展「まっすぐ歩く」 @aaploit

  • 「アンリ・マティス作品集」米田尚輝

  • 「美学の練習」 津上英輔

  • 「つながりの哲学的思考」米山優


外は猛暑でも中は涼しい、ということで展覧会にもいくつか出かけた。ただ、結局は移動中の徒歩だけで汗だくに・・・。

作品は出かけて実際に見た方が良い

これは誰の言葉というわけでもなく聞いたことがあったが、以前はあまりピンとこなかった。絵画も含めて特にそうしたものに興味がないということもあったから。

その後、興味が出てきて少しずつ実際に足を運んでみたりする中で、なんとなくその言葉の意味がわかる、または感じるようになった。恐らく言葉の意味としては、目的とする作品そのものを実際に見ることを想定しているのだと思うが、今回の展覧会や個展ではそれ以外の点でも”出かけてみる”ことによる良さを感じた。


  1. 別の作品との出会い

  2. 製作者との対話


美術館などの場合、企画展と併せて常設展(コレクション展)も開催されている。今回の東京都現代美術館に出かけたきっかけも”デイヴィッド・ホックニー展”だったが、同じチケットでMOTコレクションも見ることができる、ということで見ることにした。あまり深く考えていなかったので、事前に作品リストなどは調べることなくふらりと立ち寄るような感覚だった。

良かった。

個人的には”デイヴィッド・ホックニー展”よりも惹かれた作品があった。

  • 「PixCell-Deer #17」  名和晃平

  • 「山羊を抱く/貧しき文法」 百瀬文

名和晃平さんの”PixCell-Deer”は写真や画像などで以前から知ってはいたものの、展示で実際に見たのは初めてだった。キラキラととても綺麗な鹿。しかし近づいたり別の角度などから眺めると全く違って見えてくる。何とも言えない存在感というかその場に立ち止まってずっと眺めてしまう作品だった。

そして、百瀬文さんの”山羊を抱く/貧しき文法”。これは動画がスクリーンに投影されていた。ちらっと見た時はただ山羊の前に女性が座っていてじっと見つめている場面だった。なんだろう、これは。そのままスクリーンの前に設置してある椅子のようなベンチのような腰掛に座ってとりあえずぼーっと眺め始めた。

見入ってしまった。

動画の途中からだったということもあったので、終わりまで見たあとにそのまま最初からもう一度見た(繰り返し投影されている)。動画の中では言葉による会話はなく、女性が絵を描く場面と山羊との対峙によるコミュニケーションが続いていく。ただそれだけなのに、なぜか胸が痛いような重くなるような。不快、といった感覚になりそうなギリギリの境界線。はらはらするような。それ故に席を立つことも忘れてただただ見ていた。その後、展示されていた作品の解説文を読んで自分が感じたその感覚に納得した。

ただ、この作品は人によっては不快を通り越して嫌悪感や違和感につながるかもしれない。


また、その日は東京都現代美術館を後にし、aaploitにも向かった。

ここは美術館ではなく、ギャラリー。実は人生で初めてギャラリーを訪れた。以前からPodcastを聞いていて興味があったのと、開催されている個展の画家自らが在廊してライブペインティングを行うことを知り、それを見てみたい、というのがきっかけだった。

残念ながら開始時間を勘違いしていて、ギャラリーに行った時には終了していた(Instagramでライブを行っていたので後からそれを見ることはできた)。

しかし、春名真歩さんご本人とはお会いして展示されている作品を前に、色々とお話を伺うことができた。画家の方と実際にお会いしてお話するのも初めてだったので何だか緊張してしまったが、作品から受けた自分の印象や気になった点をお伝えして、それに対して制作者ご本人から直接お応えいただくことができた。特に大勢の観客の質問にステージから答えるといったことではなく、会話をしながらじっくり伺えたのは良かった。
作品が抽象的なため、絵から受けた自分の印象だけではない情報量が増えることで、より作品の興味を抱く実感を持てたのはとても貴重な経験だった。

さらに、偶然にも現代写真アート研究者の北桂樹さんがaaploitにお越しになったので、初めてお姿を見ることができた。これまた運が良かった。



これからも出かけてみようと思えた良い一日だった。


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