考える、という価値
自動運転の車が街中を走り始めたら、今まさにタクシー運転手として働いている方々の仕事は奪われるのだろうか。
結論をいえば「そうとは限らない」と考えている。
2016年に大阪グランフロントで開催された35歳以下の若手建築家の展覧会に選出された時、無意識へのシナリオという論考を発表した。
簡単に概要を説明すると、将来必ず人工知能やロボットが人間の仕事に介入してくるけれど、その未来を先に予測しておくことによって、仕事を奪われるのではなく仕事を変容させることができる、という内容だ。
この論考の中で参考にしたのがタクシー運転手だ。
これから自動運転の車が日本だけでなく世界中で走るであろうことは疑いの余地はない。2020年には一定の条件下でシステムが運転を担うが緊急時はドライバーが操作する「レベル3」の走行を可能とする道路交通法の改正試案が公表された。
自動運転のタクシーが実装されれば、誰でもタクシー運転手の仕事は奪われると考えるだろう。しかし、無意識へのシナリオでは、運転は奪われても例えば観光案内などのコンシェルジュとして車に同乗するという仕事を作ることはできると論じた。
自分だけが知っている観光情報やもしかしたら今後はタクシーに著名人が同乗して移動時間に議論ができたり、キャンピングカーにシェフを乗せて目的地まで旅を楽しむ、といった仕事も生まれるかもしれない。
この論考で伝えたかったことは「考えることをやめた人から仕事は奪われていく」ということだ。テクノロジーに仕事が奪われるのはその職種や分野ではなく「その人による」のだ。
今月18日、私が主催するSHELFというプロジェクトでこんなイベントを開催する。
イベント内容を読んでかなり難しい内容に感じた方もいるかもしれないが、簡単にいえば「未来についてみんなで考えて、生き残る術を見つけよう」という趣旨でもある。ただテクノロジーに怯えたり諦めたり目を逸らすのではなく、しっかり向き合うことで未来はちゃんと開けるのだ。
参加フォーム
協力:株式会社Appsocially
誰にでも未来はある。
あとは考えるか考えないか、それだけだ。
竹鼻良文/TAKEHANAKE
SHELF
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