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たぶん…いや間違いなく少数派の人の日常


食卓の調味料は醤油があれば良い。
あとは七味唐辛子とマヨネーズぐらいがあれば、ほとんど用が足りる。
例外は、胡椒をラーメンに入れるぐらいの事かと思う。

目玉焼きはもちろん醤油だし、アジフライなどの揚げ物系も醤油でいく。
共感してくれる人はあまりいない気がしてる。
ごくまれに「俺もそう!」な人と会うと結構嬉しい。

トンカツも基本的に醤油だ。
これも共感を得ないどころか、場合によっては反感を買うことさえある。
個人の好みなのだから、そこまで白い目で見なくてもいいじゃないか、と内心思う。


トンカツ屋さんのテーブルやカウンターにあらかじめ醤油が置いてあればいいのだが、無い場合は店員さんに頼まなければならない。
でも、そうゆう店はほとんどの場合、自家製のソースがどーんっとテーブルに置いてある。
ソースにこだわっている事がよくわかる。
間違いなく美味しいソースだという事も予感する。
だからこそ、醤油などテーブルに置いてないのだ。

僕は躊躇する。
ソースでトンカツが食べられないワケでもない。
それなりに美味しくいただく事はできる。
こだわりに敬意を表して、半分はソースでいただいても良い。
でも、もう半分は醤油でいきたい…。
覚悟を決めて店員さんの背中に声をかける。

「あの!…醤油って…あ、ありますか?…」

振り向いた店員さんは、そのまま止まる。
僕は目を逸らさないように堪える。
自分だけじゃない…世の中に数パーセントはいるはずだ、こうゆう人が。

「醤油ですね…少々お待ち下さい。」
また背中を向けてツカツカ遠ざかっていく店員さん。
たいがいはすぐに醤油を持って来てくれる。
きっと、数パーセントの客の為にどこかに置いてはあるのだろう。

トンカツに、からしをつけて、醤油をサッとかけて食べるのが美味い。
あくまでサッとかけるところが重要だったりする。

日本中にいろんな種類の美味しい醤油がたくさんある。
でも、実はそこにはあまりこだわりがない。
スーパーでちょっと高めの醤油を買う事ぐらいで大満足だ。

だけど、ソースに深いこだわりを持ってる美味しいトンカツ屋さんは、醤油も高そうなすごく美味しいのを用意してくれている。
その事実を、僕は知ってる。




◆今回もみんなのフォトギャラリーから「アヒルライフ」さんのイラストを使用させていただきました。とても素敵なイラストです。助かってます。ありがとうございます。

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