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『曹操・曹丕・曹植詩文選』

今月の岩波文庫の新刊。

『曹操・曹丕・曹植詩文選』

三国志の主要人物であり、当時を代表する詩人でもあった曹操親子。
彼らの詩文集を精選して一冊にまとめた、刺さるひとにはグサリと刺さる本。
もちろん発売日に即買い。

この本のポイントは詩だけではなく文も収めているということ。
曹操を象徴する「求賢令」や、彼自身が半生振り返るかたちで帝位への野心を否定した「譲縣自明本志令」、中国最初の文学論文といわれる曹丕の『典論』(原典は散逸しているので『文選』などに引用されている部分からだが)などなど。
中国詩のオムニバス訳で彼らの詩がまとめられることはあるが、文を含めているという点はすごくよい。

曹操親子の詩文集ではあるが、諸葛亮の「出師表」(これは名文!!)も収録されている。
蛇足にも思えるが、編者の三国志愛の表れとしてありがたく一緒に読ませてもらおう。

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