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サザンロック/スワンプ系のアルバム紹介

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オールマン・ブラザーズ・バンド、レーナード・スキナードの定番から、マーシャル・タッカー・バンド、ウェット・ウィリーなどのベテラン勢、スティルウォーター、ウィンター・ブラザーズ・バ… もっと読む
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記事一覧

テハス/ZZトップ (‘76)

テハス/ZZトップ (‘76)

Tejas / ZZ Top (‘76)
以前、ZZトップの’71年の「ファースト・アルバム」を紹介させていただいたが、その記事において、’81年リリースの「エル・ロコ」までを一区切りにしているが、その期間も前期と後期に分けることができる。

「ファースト・アルバム」 (‘71)から本作までが前期であり、次作「皆殺しの挽歌〜Deguello」からが後期となる。本作のリリース後、次作までの2年間のブ

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訃報:ディッキー・ベッツ

訃報:ディッキー・ベッツ

残念なニュースが飛び込んできた。オールマン・ブラザーズ・バンドのオリジナルメンバーであり、サザンロックの栄光に貢献したアーティストの一人、ディッキー・ベッツが4月18日、慢性肺疾患と癌により他界した。

デュアン・オールマン在籍時、デュアン、ベリー・オークリー没後のオールマンズ、グレート・サザーン、ディッキー・ベッツ・バンドなど、オールマンズ関連だけでも多くの活動をおこない、一つの時代を築いてきた

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ア・スピリチュアル・グリーティング/ホワイト・ウィッチ (‘74)

ア・スピリチュアル・グリーティング/ホワイト・ウィッチ (‘74)

A Spiritual Greeting / White Witch (‘74)
今回はキャプリコーン・レコードの迷盤シリーズ、’74年リリースの「ア・スピリチュアル・グリーティング/ホワイト・ウィッチ」を紹介させていただこう。ホワイト・ウィッチはフロリダ州タンパ出身のバンドで、’60年代末に地元タンパを中心にザ・トロピックスという名前で活動していた。その後、バンドはキャプリコーン・レコードと契約

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クーア/リック・クーア (‘82)

クーア/リック・クーア (‘82)

Koo’-ah / Rick Cua (‘82)
リック・クーアを知る人はほとんどいないと思うが、ジャケットの写真の通りベーシストである。彼はハーヴェイ・ダルトン・アーノルドの後任のベーシストとして、’80年〜’83年までアウトロウズに在籍していた。’80年といえば、アルバム「ゴースト・ライダーズ」の時期であり、もはや普通のロックバンドになってしまったアウトロウズ後期のヒット作である。

わずか3

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ZZトップ・ファースト・アルバム/ZZトップ (‘71)

ZZトップ・ファースト・アルバム/ZZトップ (‘71)

ZZ Top’s First Album / ZZ Top (‘71)
お馴染み「ヒゲ親父3人組」の記念すべきファーストアルバム。時代によってサウンドは変化してきたが、いずれのサウンドも時代にマッチしており、好き嫌いは分かれるものの、トリオによる無骨なブギーという点は普遍である。

ZZトップは‘69年にビリー・ギボンス(ギター)を中心に結成された。彼はもともとムーヴィング・サイドウォークスなるバ

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ジャクソン・ハイウェイ/ジャクソン・ハイウェイ (‘80)

ジャクソン・ハイウェイ/ジャクソン・ハイウェイ (‘80)

Jackson Highway / Jackson Highway (‘80)
しばらく邦楽やサイコビリーのアルバム紹介が多かったので、この辺りでマイナーなサザンロックのアルバム紹介をさせていただこう。今回紹介するジャクソン・ハイウェイは、その名の通り、かつてシェールのアルバム「3614 ジャクソン・ハイウェイ」と同様、アラバマ州シェフィールドのマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオから取られて

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イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘72)のミステイク

イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘72)のミステイク

Eat a Peach / The Allman Brothers Band (‘72)
言わずと知れた名盤中の名盤、オールマン・ブラザーズ・バンドのイート・ア・ピーチ (‘72)のアルバムだが、ずっと気になっている点があり、今回はそれを検証してみようと思う。

本作は’71年10月に他界したデュアン・オールマンの最後のアルバムであり、彼が他界してからの音源や、ドノヴァンの「霧のマウンテン」をモチ

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野生の牙/ブラックフット (‘80)

野生の牙/ブラックフット (‘80)

Tomcattin’ / Blackfoot (‘80)
国内アーティストの紹介が続いたので、この辺りでサザンロックのアルバムを紹介させていただこう。本作はフロリダ州ジャクソンヴィル出身のサザンロックバンド、ブラックフットの通算4作目のアルバムで、’80年アトコからリリースされた。前作「真紅の砦〜Strikes」同様、ハードなサザンブギーが今回も満載である。しかしながら、よく聴いてみると、ハードロ

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ライド・アゲイン/ドック・ホリデイ (‘82)

ライド・アゲイン/ドック・ホリデイ (‘82)

Ride Again / Doc Holliday (‘82)
ジョージア州ワーナー・ロビンス出身のバンド、ドック・ホリデイの通算2作目のアルバムを紹介させていただこう。国内では本作がデビューアルバムとなるが、本国では’81年にセルフタイトルのファーストアルバムがリリースされている。

メンバーは5人で、ギターが2人、ベース、ドラム、キーボードといったラインナップで、ギター以外にも、マンドリン、フ

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ワン・オブ・ゾーズ・デイズ/ルイジアナズ・ル・ルー (‘20)

ワン・オブ・ゾーズ・デイズ/ルイジアナズ・ル・ルー (‘20)

One of Those Days / Louisiana’s Le Roux (‘20)
このアルバムのリリースは嬉しかった。スワンプ〜サザンロックの名盤をリリースしながらも今一つ盛り上がらず、バンド名と方向を転換するも、産業ロックと評され消滅してしまった印象のバンドであったが、’20年になって元のバンド名を名乗り、ルイジアナのスワンプから戻ってきた。

本作のルイジアナズ・ル・ルーは、ルイジア

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ファンタスティック・フェドーラ/デューク・ウィリアムズ・アンド・ザ・エクストリームス (‘74)

ファンタスティック・フェドーラ/デューク・ウィリアムズ・アンド・ザ・エクストリームス (‘74)

Fantastic Fedora / Duke Williams and the Extremes (‘74)
今回はキャプリコーン・レコードのマイナーなアルバムを紹介させていただこう。本作はデューク・ウィリアムズ・アンド・ザ・エクストリームスの’74年リリースのセカンドアルバムで、彼らはそのキャリアにおいて、2枚のアルバムしか残していない。さらに’73年リリースのファーストアルバムは「A Mon

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アメリカン・ユニバーシティ ワシントン D.C. 12/13/70/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘02)

アメリカン・ユニバーシティ ワシントン D.C. 12/13/70/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘02)

American University, Washington, D.C. 12/13/70 / The Allman Brothers Band (‘02)
‘00年代に入って、オフィシャルからリリースされた発掘音源の一つが本作である。名盤「フィルモア・イースト・ライヴ」の3ヶ月前の録音で、収録曲はフィルモア・イースト・ライヴとほぼ同じである。

「リーヴ・マイ・ブルース・アット・ホーム」の最後

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ダイナマイト・モンスター・ブギ・コンサート/レイジング・スラブ (‘93)

ダイナマイト・モンスター・ブギ・コンサート/レイジング・スラブ (‘93)

Dynamite Monster Boogie Concert / Raging Slab (‘93)
‘89年に「ロック・モンスター」でメジャーデビューしたサザンロックバンド、レイジング・スラブのセカンドアルバム。前作同様、埃に塗れた南部ロックを思いっきり聴かせてくれるアルバムである。

ニューヨーク出身の彼らは、デビュー当時「レーナード・スキナード・ミーツ・メタリカ」と評され、サザンロックの豪

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アクロバット/アクロバット (‘73)

アクロバット/アクロバット (‘73)

Acrobat / Acrobat (‘73)
このアクロバットなるバンドについては詳細がほとんどなく、中心人物であったであろうボブ・レーナートが、メジャーデビュー以前のアンボイ・デュークスに参加していたことが最も大きな事柄であろう。ご存知のように、アンボイ・デュークスはテッド・ニュージェントを中心にしてシカゴで結成され、のちにデトロイトで活動したバンドである。

本作をピックアップした理由は、ア

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