試合に出ない中でのモチベーションの保ち方

木津、茂野、徳永の記者会見

これまで試合に出ていない選手の記者会見が行われていた。日の目を見ない選手にとっては複雑な気持ちだろうが、スコッドに入っているからこそこういう出方もできる。どの選手も重要かつ十分な実力を持っている選手ばかり。彼らの存在はとても重要である。

姫野の代えは徳永しかいない

フォワードの第3列(フランカー、No.8)は、汎用性が高いポジションなので、能力の高い選手が多い分、超激戦区である。そんな中、日本生まれの選手は姫野と徳永の2人だけだ。この2人に共通しているのは、密集でのターンオーバー能力に長けていることもあるが、攻撃のときのサポートや前に出る力は、世界レベルであることだ。ラブスカフニやリーチは文句のつけようもないが、もし姫野が怪我でもしたら、間違いなく徳永に出番が来る。

リオ五輪7人制ラグビーでオールブラックスを破りベスト4に入ったときのメンバーである徳永は、走力、ハンドリングスキルとレベルの高い選手。緊急事態において、彼しかカバーできない。

プロップ木津

日本のスクラムは長谷川コーチによって強化されてきて、世界に誇るものになってきたが、重さは劣る。一糸乱れぬチームワークが鍵となる。その中で、スクラム最前列のプロップ、フッカーの消耗は激しいことが予想される。恐らく、プロップの候補は他にもいたかもしれないが、誰かが怪我で抜けたとき、同じレベルを出せる最適の選手だったのだろう。出番がきたら必ず貢献する、と強い意思を持っているに違いない。

スクラムハーフ茂野

スクラムハーフも激戦区の中、選ばれたのが茂野だった。スーパーラグビーでもサンウルブズのスタメンとして起用されていたが、茂野のゲーム運びはとてもスムーズにボールを展開する。ボール出しの時にあまり絡まれる印象もない。若干ではあるが流や田中より背が高いことも影響しているかもしれない。スペースの見極めやゲーンコントロールも巧みだ。田中や流とは異なるものの、JAPANのゲームプランにはフィットする選手である。特に、田中や流が故障したときには、同じく質を下げずにゲームを作れる。

ベンチ入り出来ない日々が続くが。。。

本来であれば、どこかの試合でローテーションさせて全員使えれば良かったのだろうが、どの試合も楽に勝たせてもらえなかった。しかし、4連勝できたのも、チーム一丸となって集中しているからこそだろう。ジェイミーはまだ、若いこともあり、ノリもいいし選手との距離感が近い。信頼できる兄貴といった感じなんだろう。試合に出ている選手が一番、出ていない選手の思いを汲み取り、結果を出している。

やはり、試合に出る選ばれた選手には、それ以外の選手、スタッフ、サポーターなどの頂点にいるわけで、結果を出す責任を持っている。お膳立てはしてもらっているわけだから、その思いに応え、さまざまな思いに報いなければ生らない。今のJAPANは、その気持ちが溢れており、そういう組織は窮地に追い込まれても強い。

日曜の試合は、何度も窮地に追い込まれるだろう。そのたびに、仲間の大きな叫び声と、怒号のようなスタジアムサポーターが彼らを後押しして、200%の力を出しきれるような、そんな気がしてならない。

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