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物語と文章のマガジン

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#脚本

数字の意味を考える

数字の意味を考える

物語のなかに具体的な数字を織り込む際、重要なのは数字そのものではなく、その数字が示す事実なのではないか、という話です。

本題たとえば、以下のような文章があったとします。

その高校は1年生が30人、2年生が30人、3年生が40人ほど在籍していた。
主人公Aは1年生で、各学年を含めても唯一、ある中間テストにおいてすべての科目で満点を取っていた。

この例文の悪いところは、数字そのものにあまり重要性

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リアリティと必然性の関係

リアリティと必然性の関係

以前書いた以下の記事をラジオで取り上げた際、リアリティと必然性は何が違うのか?という話になりました。

そのときは「ドラえもん」を例に出し、非日常作品における(非日常要素のない)日常を丁寧に描写するとリアリティが生まれるという話をしました。

また、必然性はミステリの文法になぞらえて、納得感に繋がるものだとも言いました。

これらについて、僕の考えは変わっていません。
ただ、説明不足だったなと思う

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人間観察の観点リスト

人間観察の観点リスト

物語を書くとは人間を描くことという考え方もあります。
人間を描くには人間を知らなくてはいけない。
では人間を知るためにはどうすればいいか。
ひとつの方法として、よく「人間観察」が挙がります。

でも、実際、何を観察すればいいんでしょう?
僕なりの観点を整理してみました。

本題ふと時間ができて、カフェに入ったとします。
そこでスマホを見たり読書をするのもいいですが、人間観察に時間を割くのも悪くあり

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テーマって必要?

テーマって必要?

「この物語のテーマは~」という文脈をよく目にします。

テーマは〇〇だと聞くと、なるほどそれっぽく聞こえます。

でも実際のところ、物語におけるテーマってなんなんでしょう。
テーマってどうしても必要なんでしょうか。

本題良い脚本には必ず、脚本家の論点や主張がいろいろな形で提示されている。

僕のバイブル『SAVE THE CATの法則』からの引用です。

この「論点」や「主張」こそ、テーマと呼ば

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リアリティって、なんだ?

リアリティって、なんだ?

「リアリティがあるように書け」

よく言われることですが、リアリティとは具体的になんなんでしょう。
そして、どのように演出すべきものなんでしょう。

物語はフィクションです。すべてが嘘です。

嘘の世界でも「そういうことありそうだよね」と感じてもらうために必要なのが、リアリティだと僕は考えています。

ではリアリティを出すためには何が必要なのか。
それは、「納得感のある設定」と「細部の描写」ではな

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