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わしのYouTube概要欄 「ヒトファイナル」

「セミファイナル」ご存じでしょうか。
準決勝戦のことではありません。
みなさんも経験あるのではないでしょうか。
地面に落ちている蝉を見つけて、

「あ、こんなところで亡くなっちゃったんだな。」
そう思って側を通りかかると

「ビーチビチビチビチッ!!!!ミーンミンミンミン!!!」
と急に暴れ出すアレです。

セミがその生涯を終える直前に命の灯火を煌々と燃やすその行為を「セミファイナル」と言います。

私はこの前、世にも珍しい「ヒトファイナル」に直面しました。

私は、古着屋さんに行くのが結構好きで休日はたまに足を運びます。
可愛い服に会えたら運命を感じるし、その服のバックボーンなどを教えてくれる店員さんとの会話も大好きです。
ある日、たまに訪れる古着屋さんに入りました。
いつもは年齢の近い女性の店員さんが居て話しかけてくれるのですが、その日はどうも居ない様子。
その代わりに愛想の良さそうなお兄ちゃんが居ました。

「このお店は初めてですか??」
お兄ちゃんは私に話しかけてくれました。

「実はたまーに来てるんですけど初めましてですよね??」
と返す。

話をしながら服を見ていると気になる2つTシャツを発見。
しかし、試着をしてみると片方は少しタイトだったので諦めて1つだけ購入することにしました。
会話は弾んでいて、試着をしながらもずっと話が途切れない楽しい雰囲気でした。その流れで、

「ちょっと痩せてこっちのTシャツも着れるようになりたいな〜」
と私は言いました。すると、店員さんは

「分っかります。私も去年断食で痩せるまでそうでした。」
と返してくれました。
聞くと、2日に1食しか食べない生活をしていたそうで、その代わりその昼に食べる1食は何を食べてもいいというルールにしていたとのこと。

「あぁ〜。それならなんか自分に合ってそうです!ちょっとやってみます!」と私は言いました。
すると、店員さんは急にスイッチが入ったように、

「そうですよ!あなたのような意志が弱い人は絶対これにするべきです! 運動も続かない人でしょ??断食も簡単じゃないですけどあなたでもできると思いますよ!」
と言う内容を返してきました。

さっきまでの和やかな雰囲気と打って変わって突然起こったキャラ変に私は少し困惑しつつもそつなく返事を返していました。

「そうなんですよね〜。意志弱いんですよね〜。」
それに対しても畳み掛けるように私の意志が弱いことを念押ししてきました。

私は初対面の突発的な行動に対して、怒りや嫌悪感はあまり感じないタイプなので、「変な人だな」と思って少しのダメージを受けながらTシャツの会計を終えました。

律儀なことに(?)店員さんは店の前まで来てくれて、
「いや〜ダイエット頑張ってくださいね!私は今日でこのお店辞めて地元に帰るんで!」と。

最後にひと暴れすんな。


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