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希望と絶望が導く力

 突然だけれども、どうして自分がスタートアップや新規事業に携わっているのか、その胸の中を今日は少しだけ紹介したいと思う。希望と絶望の両方に駆り立てられる複雑な心境を。

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 まずは希望から。なぜ自分がアイデアをカタチにするプロセスに惹かれるのか、それは単純にワクワクするから。誰も見たことも聞いたこともないものがこの世界に登場することが、たまらなく愛おしいからだ。

 好きな歌手がいる方はイメージして欲しい。それは新曲発表のようなもの。好きなお笑い芸人がいる方はイメージして欲しい。それは新ネタ発表のようなもの。この世界に新しいモノが登場することは、中本卓利にとっては、抽選箱から手を取り出す時のような、ドキドキとワクワクが溢れる瞬間そのもの。

 もちろん、ただ新しいから良いというわけではなく、そこには未来への希望が詰まっているからこそ心が躍る。新しく登場するモノたちは、人の願いに沿っている。もっと楽しみたい、もっと幸せになりたい、大変なことを消したい、悲しいことを減らしたい、そんな人が持つ感情を叶えるモノが世に登場し続けることで、世界は確実に良くなっていく。

 先日イベントで出会った女子高生から「この世界のPainの総和とスタートアップのSolutionの総和はどちらが大きいですか?」という哲学めいた問いを貰い、自分は「前者」と答えた。世界から痛みが全て消え去る日は来ないだろう。けれども逆に、いつでもどんな時代であったとしても、思い描いた理想に辿り着こうとする前向きな意思が人を駆り立て続ける。

 次は絶望へ。過去の繰り返しに未来はない。変化のない世界には衰退しかない。それが世の理であるからこそ、新規事業を、スタートアップを興すべきだと心の底から思う。

 技術の進化や文化の変化に伴い、人々の趣味嗜好は絶えず変わり続けている。かつての世界では当たり前だったものが消えていく。それこそ自分の故郷の和歌山ミカンの市場は下がり続けていく。100%世の中から消滅することはなくとも、確実にコタツでミカンなんて文化は消え去ってしまう。暖房にアイスの時代の到来だ。

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 新規事業やスタートアップから、自分は希望を感じている。だからこそエネルギーが湧いてくる。けれども同時に、やらなくちゃいけない、変わらなくちゃいけない。そんな絶望が後ろから迫り、自分は前へ前へと足を進め続けている。

 では絶望と希望の狭間にいる中本は、どんな風にして世界を歩むべきなのかというと、実はまだ明確な答えは出ていない。時には講師を務めることもあれば、煽り屋になることもあれば、伴走することもあれば、ポエマーになることも。

 どれに取り組むことが自分のリソースを用いて最も価値を届けられるのか、まだまだ検証中の身。だからこそ、冗談抜きで意見を聞かせて欲しい。「タクトさんは、もっと○○に取り組むべき」や「タクトさんは、××を改善した方がいいよ」と忖度なくストレートに。

 もっと多くの人が、流れに抗って進めるように。もっと多くの人が、新しいモノを生み出せるように。もっと多くの人が、希望と絶望の狭間から変化変革を生み出していけるように。自分も立ち止まらずに、歩み続けていきます。

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