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アクションは建物の外で

 オンラインMTGが当たり前になった。結果、自分たちは屋内にいながら世界と自由に繋がり、建物の中から動かずとも顧客の声を拾える時代に。けれどもやはり、アイデアをカタチにしたければ建物の外へ飛び出すべきと思わずにはいられない。

 飛び出すべき一つ目の背景は、顧客のリアルな声を得られること。もちろんオンラインMTGからでも顧客の声は獲得できるけれども、リアルさに欠ける場合が多々ある。

 例えば、幼い子供を持つ親御様に向け迷子防止の新しいアイデアは、子連れの家族が集まる大きなイベントで声を拾うのが良いだろう。子供と離れ離れになるかもしれない現場だからこそ、よりリアルな声「どこへも行かないように何度も声を掛けたりとか、気苦労が絶えなくって!」といったものを得られること間違いなし。

 けれども平日の夜に親御様にオンラインMTGを設定してお話を伺うと「うちの子供は確かに歩き回って心配しますけど、特に問題も起こらず一緒に楽しめてるので大丈夫ですね」とリアルな感情が過ぎ去った後の感想だけが届いてしまうことも多い。

 飛び出すべき二つ目の背景は、顧客のリアルな姿を見れること。オンラインMTGでは中々に拾い辛い情報が多々ある。

 幼い子供が迷子にならないように注意を重ねている親御様の姿は、その現場に足を運んでみるからこそ確認ができる。ある人は兄弟と交代しながら手を繋がせてみたり、ある人は少しでも道をズレる度に怒っていたりと、オンラインMTGでは答えてくれない無意識の行動が垣間見える。

 残念なことにオンラインMTGで「イベントで迷子にならないようにどんな対策をされていますか?」と尋ねたとしても「少しでも離れる度に叱って習慣づけているんです」なんて風に、一見すると家族の恥を晒すような回答は残念ながら届けてくれない。

 飛び出すべき三つ目の背景は、アイデアをカタチにする自分たち自身の熱量が高まること。オンラインMTGでは中々に熱量は高まらない。

 現場に足を運ぶことで、まず手と足を使い始める。そうすることで、自然と物事が前に進んでいるように錯覚が起こる。そして錯覚から熱量が生まれる。加えて、リアルな人と対峙してお話を伺うことで、その人からも熱量を貰う。

「もう子供から目を離さないようにするのが大変で大変で!気苦労だけでヘトヘトですよ!なんとかできたらほんっと嬉しいですね!」なんて強い課題感を切羽詰まった顔で生で聞いた日には、そして顧客が苦労して課題と向き合っている姿を観察した日には、「頑張ってやり遂げよう!」と心意気が高まってくる。

 オンラインMTGの登場で、確かに家の中にいながらもアイデアに対してフィードバックを集めることが可能になった。けれどもアイデアをカタチにしたいと願うのであれば、やはり建物の外へ飛び出さざるを得ない。リアルな顧客の声を拾い、リアルな顧客の姿を見て、アイデアをカタチにする熱量を持ち続けるために。No Talk, All Action!!!


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