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Vartical SaaSとは?Vartical SaaSのCSで求められるスキル/スタンスとは?


Vartical SaaS(VSaaS)とHorizontal SaaS(HSaaS)の違いや、VSaaSのCSに求められるスキルやスタンスについて私が経験したことや、VSaaSの経営者や事業責任者、CSマネージャーとディスカッションして学んだことを記載します。

Vartical SaaSとは

Vartical SaaS(垂直型SaaS)は、特定の産業や業種に特化したクラウドベースのソフトウェアサービスのことを指します。垂直型SaaSは、特定の産業に対してカスタマイズされ、その産業の特有のニーズと課題に対処するために設計されたソフトウェアです。以下、垂直型SaaSの主な特徴とメリットについてお伝えします。

特徴

  1. 産業特化: 特定の業種や産業に対して最適化されており、その産業の課題や業務プロセスに特化した機能を提供する。

  2. カスタマイズ: ターゲットとなる産業の特定の要件に合わせてカスタマイズされたSaaSである。

  3. 専門的なサクセス・サポート: ターゲット産業の専門知識を持つサクセスとサポートが提供されることが一般的である。

メリット

  1. 効率性の向上:業種特有の要件に対応した機能により、同じ作業を短い時間で、または同じ時間でより多くの作業を行う能力の増強することができ、業務を効率化することができる。

  2. 導入(オンボーディング)のしやすさ:産業特有の顕在化された課題に対処するためにプロダクトが開発されており、顧客もより早く課題解決したいと考えておりオンボーディングがしやすい。

  3. 競争力の強化: 産業特化型の解決策は、競合他社に対する差別化と競争力の強化をもたらす。

  4. ネットワーク効果(Winner-Takes-All):キャズムを越えると業界内で一気に認知度を上げることができる。

  5. NRRの向上(アップセル/クロスセルの機会創出):顧客の業務に広く深く入り込み問題提起から行うことができる。入り込むことで新たなプロダクトやサービスを展開することが可能である。

  6. LTVの向上:業務に根ざしたプロダクトであったり、複数プロダクトを導入したりすることで顧客の粘着性を高めることができる。顧客は解約しづらくなる。

  7. データ取得と新規サービス展開:様々な業務を解決するSaaSを展開することで、色々なデータを取得することができる。データを活用してSaaS以外のサービスを展開をすることができる。

垂直型SaaSは、水平型SaaS(全産業向けの一般的なソフトウェア)とは対照的な一面があります。水平型SaaSは多岐にわたる産業に適用可能なソフトウェアであり、特定の産業に特化した機能を提供することは少ないです。

垂直型SaaSは、特定の産業に対する深い理解と専門知識が求められるため、その産業の市場動向や要件に応じて柔軟に対応することが可能であり、顧客から求められます。

V-SaaSとH-SaaSの違い

改めてVartical SaaSとHorizontal SaaSの違いについて記載します。

垂直型SaaS(Vertical SaaS)

  1. 産業特化: 特定の産業や業種に特化し、そのニーズに応える。

  2. カスタマイズ: 特定の産業の要件に合わせてカスタマイズ可能。

  3. 専門的なサポート: その産業の専門知識を持つサポートが提供されることが一般的。

  4. 深い市場理解: 特定の産業に対する深い理解と専門知識が求められる。

  5. 競争力の強化: 産業特化型の解決策により、競合他社に対する差別化が可能。

水平型SaaS(Horizontal SaaS)

  1. 一般適用: 多岐にわたる産業に適用可能なソフトウェア。

  2. 汎用性: 特定の産業に特化しない一般的な機能を提供。

  3. 広範な市場: 広い範囲の顧客に対応し、多岐にわたる業種で利用される。

  4. 特化の限定: 特定の産業の深いニーズに応えるための特化は限定的。

  5. 規模の拡大: 一般的なソリューションにより、より広い市場への展開が可能。

垂直型SaaSはその特化と深い市場理解が強みであり、特定の産業における課題解決に適しています。一方、水平型SaaSはその汎用性と広範な市場対応が特徴で、多様な業種に対して利用されることが一般的です。

V-SaaSのCSで求められるスキルとスタンス(考え方)

Vartical SaaSのCSで求められるスキルとスタンスに記載します。

スキル

  1. 産業知識: 対象産業の深い理解と専門知識。

  2. カスタマイズ能力: 顧客の特定の要件に応じたカスタマイズのスキル=要件定義能力。

  3. コミュニケーション能力: 顧客との効果的なコミュニケーションを図る能力。1の産業知識を有した状態だとよりスムーズなコミュニケーションをとることができる。

  4. 問題解決能力: 産業特有の課題に対する効果的な解決策を提供する能力。

  5. プロジェクト管理能力: プロジェクトを効率的に管理する能力。

スタンス(考え方)

  1. 顧客中心: 顧客の成功を最優先し、そのニーズに応じたサービスを提供。

  2. 柔軟性: 産業特有の変化と要件に素早く対応する柔軟な態度。

  3. 協働: 顧客との密接な協働を重視し、共同で価値を創造。また、社内の営業や開発とも連携する考え方。

  4. 継続的な学習: 産業の最新動向を常に学び、自己成長とサービスの改善を図る。

  5. 結果重視: 顧客のビジネス目標達成に対して明確な結果を提供するスタンス。

  6. 業種への強い想い:「この業種を変革したい」このような強い想いが必要。

ITスキルについては長くなるので以下に記載します。

ITスキルの重要性

  1. 製品理解: SaaS製品の技術的な側面を理解することで、顧客の具体的な要件に応じた適切なソリューションを提案できる。また、しなければならない。特にV-SaaSは業種ならではの業務があるため、業務と紐付けて製品を理解する必要がある。

  2. カスタマイズ対応: 顧客の特定の要求に対して、製品のカスタマイズや設定変更を効率的に行う能力が求められる場合がある。

  3. 問題解決: 技術的な問題が発生した際に、迅速かつ正確に対応し、顧客の問題を解決する能力。

  4. データ分析: 顧客の使用データを分析し、改善点や新たな機会を見つけるためのデータ分析スキル。

必要なITスキル

  1. 製品の操作能力: 扱うSaaS製品の操作や設定変更の能力。

  2. プログラミング能力or知識: 必要に応じて軽度のカスタマイズやAPIの連携などを行う能力。あるいは、データ連携の知識を有しており顧客に合わせて提案できる能力。

  3. データ分析能力: データ分析ツールの使用やSQLなどのクエリ言語の知識。

  4. セキュリティ意識: クラウドサービスのセキュリティ基準と顧客データの保護に関する意識。

垂直型SaaSにおけるカスタマーサクセスは、特定の産業に特化したサービスを提供するため、産業知識と顧客の具体的な要件に対応できる柔軟性が求められます。これらのスキルとスタンスは、顧客との強い関係性を築き、持続的な成功を支える基盤となります。

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おわりに。

V-SaaSが向き合う業種はアナログであったり、既得権益があったりする業種です。長年変革しなかった/できなかった業種であり、変革を起こすにはタフに向き合わなければならない場面が多々あります。私はV-SaaSに携わるのであれば業種に対して強い想いが必要であると考えています。

これからV-SaaSに携われる方、あるいはV-SaaS企業への転職を考えている方は業種に対して強い想いがあるか?を自問自答してみることをおすすめします。


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