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全てのヒントは“今”にある

人がわしに相談に来る時、わしは未来を読んでいるわけではない。未来を推測しているだけだ。未来は神に属している。未来がわかっているのは神様だけだ。神様が未来を明らかにするのは、特別の事情がある場合だけだ。どうやって未来を推測するのかだって? それは現在現われている前兆をもとに見るのだ。秘密は現在に、ここにある。もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。そして、神様は神の子を愛していると信頼して、毎日を神様の教えにそって生きるがよい。毎日の中に永遠があるのだ」

パウロ・コエーリョ『アルケミスト』(KADOKAWA、2013年)



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羊飼いの少年がピラミッドにある宝物を見つけるために旅をする物語。

旅の道中でふと会った王様から大切な教えを聞き、訪れた街にいた少女に恋をしたり、お金がなくなって宝石屋で働いたり、錬金術師(アルケミスト)などの様々な人に会い、色んな経験をしながら、夢に向かって自問自答する様子が描かれている。

僕はこの本を数ヶ月前に、友達に勧められていたが読むのを先延ばしにしていた。そんなときに、12月下旬にオンラインを通して出会った方にも偶然この本を勧められ、これは間違いなく「この本を読め!というメッセージだ」と受け取り、何かに駆られるように読むことになった。

すぐにAmazonで購入。海外言語の日本語訳ということで、かなり不自然な日本語で多少読みにくさはあったが、何かの必要性に駆られていた僕は歯を食いしばりながら読み、なんとか2022年内に読み終えた。



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この本から受け取ったたった一つのメッセージ。
それは

「前兆に耳を傾けろ」

だ。

これまで自分に起こったこと、今自分に起こっていること、これから自分に起こること。そのすべてに意味がある。そのときそのときでベストなことが起きるのが人生であり、その度にそのメッセージに耳を傾けるのだ。

たまたま会った人が話してくれた話。
たまたま自分が今いる場所。
何かの縁でたまたま出会った人。
今自分が置かれている状況。
突きつけられている問題。

すべてに意味があり、それぞれが自分に何かのメッセージ(前兆)を放っている。それ(前兆)は夢へのヒントであり、夢を叶えるためには通らなければならない試練。

自分に日々起こる物事すべてに意味があり、メッセージが隠されている。

そんなことをこの本は僕に伝えたかったのではないかと思った。



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少しスピリチュアル的な話にはなるが、僕自身この考え方は数年前から非常に大事にしている考え方でもある。悪いことが起ころうが、思い通りに事が進まなかろうが、そこには意味があり、すべて自分に必要なことなのだろうと考えることでポジティブになれるからだ。

そう考えることで、イライラすることも、怒ることもなくなった。その瞬間から前向きに動き出すことができる。

本当にすべてに意味があるかどうかは厳密にはわからない。きっとメッセージなんてなくて、理不尽的にたまたま偶然起こるものもあるだろう。ただ、こうした考え方を持っているとそういった物事もポジティブに捉えられるのは間違いない。

勘違いしたくないのは、これは「起こったことをすべてポジティブに捉えろ」という話ではない。

「起こることすべてに意味がある」と「起こったことすべてをポジティブに捉えろ」はイコールではない。

ポジティブに変換することは良いことだが、それと同時に客観的に捉え、評価することも同じく大事なことだ。“都合の良い解釈”ばかりではコトは正しい方向に進んでいかない。だから、客観性ももちつつ、メッセージを受け取るようにしている。



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きっとこの本のこのメッセージは僕の2023年に必要なものになるのだろう。

2023年も素敵な本に出会えますように。


かくいたくや
1999年生まれ。東京都出身。大学を中退後、20歳で渡独するもコロナで帰国。鎌倉インターナショナルFCでプレー後、23歳で再び渡独。渡独直後のクラウドファンディングで106人から70万円近くの支援を集め、現在、プロを目指しドイツ5部でプレーするサッカー選手。好きなテレビ番組は『家、ついて行ってイイですか?』『探偵!ナイトスクープ』

文章の向上を目指し、書籍の購入や体験への投資に充てたいです。宜しくお願いします。