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ビールを飲みながら速くなる~各論①~肝臓ドリンクとランニング前日

 さて、色々寄り道しましたが、各論に入ります。
 各論では、大会に向けての食生活・ビール生活を書いていきます。あまりにも盛りだくさんになってしまうので、トレーニング期にあわせてのPFCバランスなどは割愛します。

1.まずは肝臓ドリンク・二日酔いドリンクを考える

 多くのランナーは、普段からサプリメントのお世話になっていると思います。普段からプロテインやビタミンCを、ランニング前にはBCAA、ランニング後は糖質+プロテインを摂っていますよね。普段から意識高くサプリメントを摂取しているのであれば、大会でのパフォーマンスを落とさないため、肝臓・筋肉のメンテナンスのため、飲酒の前後も肝臓ドリンク(呼び方が分からないのですが)を摂取してみてはいかがでしょうか。

 まず肝臓ドリンクに含まれる主な材料と、その効能をみてみましょう
・ウコン(ウコン抽出物、ウコンエキス) 
 主成分クルクミン、アルコールの代謝を早めます。
・肝臓(肝臓加水分解物・肝臓水解物・肝臓エキス) 
 主にビタミンB群。肝臓の解毒効果を高めて、二日酔い予防や回復に。
・シジミ(またはオルニチン・アラニンなどのアミノ酸)
 同じく肝臓の解毒効果を高めて、二日酔い予防や回復に。
・そのほか
 
飲酒者が不足しやすいビタミンB1や、肝機能改善のためビタミンC・Eなど

 そして覚えていて欲しいのが、ウコンも肝臓もシジミも鉄分が多いということです。鉄分の摂りすぎは、酸化ストレスで肝臓をいためます。
 ただでさえ運動で、紫外線で、そしてお酒で活性酸素が爆発的に増えるかもしれない「ランニング+お酒」のポイント練習or大会の時に、さらに鉄分を過剰摂取して酸化ストレスを抱えるのは避けましょう。鉄分不足の方も、非トレーニング時や非飲酒時に、しっかり鉄分を摂取することをおすすめします。

 ではさっそくドリンクをみてみましょう。最近はありがたい事にコンビニでも売っていますね。実際にどこのコンビニにもあった製品の、200~300円の標準タイプのもので比較をしました。それとマルマンやAEONで低価格製品も出ています。その中からAEONのドリンクも見てみました。

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 比較したのは上の4種、ウコンの力、ヘパリーゼW、Kanzoと、低価格製品のTOP VALUEのウコン入りドリンクを購入しました。さて、原材料・成分などをみてみましょう。

各論①

 原材料が入っているかは別として、成分からみるとタイプとしては下記の印象です。
 ウコンの力    ・・・ウコン+肝臓
 ヘパリーゼW   ・・・ウコン+肝臓
 Kanzo       ・・・ウコン+肝臓+シジミ+BCAA!!
 ウコン入りドリンク・・・ウコン+シジミ

 結論から言うと、鉄分の少ないウコンの力を普段使いに、飲みすぎた時や運動後はKanzoを飲用するのがよいとよいと思います。
 安価なウコン入りドリンクは、自分はあまりおすすめしません。100均などの安価なサプリは、不純物が多いリスクがあります。また過剰に鉄分が入っていたりする可能性もあるかもしれません。運動にお酒に、体に負担がかかっている時に、酸化ストレスや不純物でさらに体に負担を強いることになるかもしれません。使うとしても、非運動時などに時々使う程度にしましょう。

2.ランニング(大会)前日の飲酒

 さて、実際のランニング前後の飲食生活を例にとって考えてみましょう。
 ランニング、特に大会となると旅先へ遠征していることも多いと思います。大会前日は、現地の美味しいものを食べて美味しいお酒をのみ、翌日のことも考えながらも、お酒が止まらない・・・。そんなことも多いのではないでしょうか。
 ランニング前日・大会前日はどんなものを食べ、どのくらいの飲酒に抑えた方がよいかを書いてゆきます。

 2-1.ランニング(大会)前夜の飲酒

 結論から言うと、次の日までアルコールが残らないように、また二日酔いにもならない酒量に抑えましょうということです。
 まず後の各論②でまた述べますが、飲酒後に持久力運動をすると、ブドウ糖の利用効率が低下、乳酸の蓄積速度が上昇して、結果持久力運動能力が低下すると言われています。なので翌日のランニングの時まで血液中にアルコールが残っているようだと、パフォーマンスが低下すると思われます。ですので、次の日までアルコールが残らないようにしましょう。
 アルコールの代謝は1時間6-9g、そして睡眠中はそれよりもアルコール代謝が低下すると言われています。スタートまで12時間であれば80gは超えないようにしましょう。

 またアルコールが残っていなくても、二日酔いの状態で持久力運動をすると疲労感が増すと言われています。パフォーマンスについては言及されていませんが、低下するのではないかと思います(倫理的な理由からか、二日酔いの人に全力で持久力運動させたという文献はみつかりません(笑))。
 二日酔いはどのくらい飲酒すると出るのでしょうか。実際二日酔いのでる最高血中アルコール濃度は様々で、どれだけ飲んだかよりも、普段の飲酒量以上飲んだかどうかが重要のようです。
 普段飲酒習慣のある人、特にたくさん飲む人は二日酔い症状も強く出ると言われており、そのような人は特に気を付けるとよいですね。

 2-2.ランニング(大会)前夜の食事

 ランニング前日の食事は、ご当地の食事を堪能してもよいでしょう。おそらくそれが楽しみで、マラソン大会に参加されている方も多いでしょう。ただお酒と同じで、普段の食事よりたくさん食べると消化に時間がかかり、結果内臓疲労や睡眠障害をおこします。現地の美味しいものはホドホドに堪能し、あとは軽くカーボローディングをしてランニングに備えましょう。
 またランニング前日・・・特に普段から亜鉛、ニコチン酸を摂取していると二日酔いになりにくいと言われています。鶏肉や牛・豚レバー、海鮮物などの摂取がおすすめです。
 そして飲酒中は水分をしっかり摂りましょう。水分が足りないと肝臓の働きが低下すると言われています。

3.ランニング(大会)前夜の食後から就寝前

 そして飲食後は水分をしっかり摂取しましょう。ではどのくらいでしょうか。
 よくビールを1リットル飲むと利尿作用で1.2リットル水分が抜ける・・・と耳にします。ですがこれは言い過ぎで、そこまで飲む必要はありません。例えばただの水を1リットル摂取しても、生理反応で1リットル弱は水分が抜けます。おそらくその水がビールの場合は、それに加えて200-300ml程度尿に出ますよ!!という程度です。

各論①

 文献がないので実際に自分が実験してみたのですが、水分が過剰の場合はビールをのむと尿が増えるのですが、ランニング後で水分が不足している場合はあまり尿が増えません。
 またランニングした後、アメリがスポーツ医学会の推奨している失った水分の1.5倍の水分の補給を「一気に」すると、あっという間に3時間でもともとの体重を割り込みました。
 飲酒後は少なくとも500ml以上の水分を「少しずつ」摂取するのがよいと思われます。

 また飲みすぎたなぁと思ったら、前述したとおりKanzoを補給しましょう。ただ文献的には、飲んだ後にL-システイン(アミノ酸)、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、アスコルビン酸(ビタミンC)など摂取しても効果がない二日酔いによい薬はないと言われています。過度に期待しないようにしましょう。

 ちなみに汗をかいても酔いはさめません。例えばサウナで死亡する人は、特にアルコール血中濃度が高い人に多いとされていますし、また脱水を助長します。飲酒したらシャワー程度にして、温泉を楽しむのは控えましょう。

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