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たからばこ

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#コミュニティ

同じになろうとしなくていい。「ちがい」へのまなざしが、関係の網の目を拡げていく

家にいても育児やら掃除やらやるべきことはたくさんあり、会社では売上に貢献しなければいけない。街を歩いていてもSNSに接続していても、やれ男だ女だ、父親はこうしろ母親はこうあるべき、会社員どうこうフリーランスあれやこれと、どこにいたって誰かが決めた評価基準に合わせることを余儀なくされたり、世間の考える「らしさ」に合わせなくちゃいけなかったり、自分がいたいようにいられる場所って意外と少ないもんだなあと常々思っている。 ぼくには障害もなく、フリーライターという、わりと自由のきく仕

つながること、問うこと、生きること。

場づくりについて学ぶオンラインスクール(『場づくりという冒険オンラインスクール』)を開催している。受講してくださっているみなさんとの対話が楽しい。その中で話したこと、考えたことなどをまとめておきたい。 ◯他者とどうつながればいいのか。 よく、ビジョンが大事だと言われる。そうだろうと思う。バラバラな個人をひとつにまとめるための北極星を描くこと。それは、クリエイティブな作業だと思う。けれども、それだけでは圧倒的に足りない。どうもぼくにはそう思われる。なぜなら、ぼくにとってビジョ

喫茶ランドリーの憲法|6ヵ条:働くこと、共に生きること、あなたらしくいること、幸せになること、そのために必要なことをギュウっとまとめてみました!

喫茶ランドリーを考えはじめた当初、数多くカフェを運営されている方に何が一番大変ですかと聞いたところ、「それは人間関係ですよ」と答えて下さいました。むろん、そんな答えを聞いても、人一人雇ったことのなかった私たちには、何一つイメージが沸きませんでした笑。 そのような中で、気が付けば独自のお店をづくりをしてきたのだと思います。これまで喫茶ランドリーが、お客さんにとっても、また働くスタッフたちにとっても、他の場・お店にはない居心地を実現してきた背景には、人間らしい圧倒的な信頼関係が

「喫茶ランドリー」はやっぱりヤバい?コロナで来客3名!?になっても開け続けたら…地域に開くってそういうことだよ、と教わりました。

2018年1月5日にグランドオープンした「喫茶ランドリー」は、おかげさまで2年が経ち、3年目に突入しました。当時オープンしてまもなく書いた下の記事は、この2年間ずっと毎日誰かしかが読んでくださり、また、この記事をきかっけに全国各地からも来店してくださる方が絶えないので、本当に嬉しい限りです。 そして、ここをきっかけに喫茶ランドリーをつくり、運営しているグランドレベルという会社には、住宅や団地、マンションやスポーツジム、オフィスに市役所、広場や歩道など、さまざまな1階に人のい

コロナからのまちづくり03|利他主義とまちづくり|Eテレ超訳ジャック・アタリ(経済学者・思想家)から、田中と大西がグランドレベルの所信表明2020を!

先日、深夜にそれとなくテレビを付けたら、Eテレでジャック・アタリさんという経済学者で思想家の方の緊急インタビューが画面に映っていました。今回はそこから、私と田中元子で会話したことを、今回はそのまんま公開! (´・ω・`) 今、Eテレでジャック・アタリさんて人が、いつも我々が話しているようなことを語っとたよ! 冒頭のタイトルが「altruism・利他主義」。 (´・д・`) !!!でも俺ね、知ってんの。この「利他主義」って言葉、すっごい誤解されるんよね。英語のママが伝える

「みんな」を崩すための未整理な「言葉」

■悩みます 本音を言うことは難しいなぁと常々思う。それは「我慢すること」と表裏にあって、「みんな言わないようにしているのに、自分だけ言っちゃったらダメなんじゃないか」とか、「みんなそんなことわかって我慢してるんだから、かえって空気悪くなるんじゃないか」とか思って、なんとなくみんなが思ってそうなことを、自ら規制していくことになる。 僕はいま、フリーランス業と並行して、都内の障害福祉施設(通所と短期入所)に勤めていて、今回の緊急事態宣言をうけて、都の現場におりてきた通達によれ

【後編】オルタナティブな未来〜一人ひとりが本領を発揮して生きていくためには〜

強い同調圧力の中で、しかし、分断が起こっていく。「自粛」と「粛清」のはざまで、ぼくたちのリアルな暮らしは揺れ動く。ひとりの人間としてできることは、それほど多くない。けれど、できる人間が自分の表現をしていかないといけないのではないか、とも思う。なぜなら、表現という行為は、いともたやすく他者や社会から圧殺されてしまうからだ。 自分の中の小さな「灯火」に誠実であること。これのみを大切にして生きていきたい。情報やデータはあくまでも使うものである。その主客が逆転してはいけない。 そ

サブストーリーこそ、メインストーリーなんだよ

今回の「生き方見本市」の会場で、だれも知らなかったかもしれないことを共有したい。イベントの本旨とは少しズレるかもしれないけれど、ぼくにとってはとても価値があったと感じている、そんなこと。 たぶん、来た方全員は見ていないように思う。関西大学・梅田キャンパスの8階と4階。2つに分かれていた会場の「メインではない方(誤解のないように言っておくと、イベントにとってはもちろんとっても重要。関わってくださったみなさん、ありがとうございました。無料で参加できるよりライトなコンテンツ)」の

胸を張って「生きづらい」と叫ぶ権利は、ぼくにあるのでしょうか

「生きづらい」とか「助けて」って言うことは、勇気がいることだなと思います。それは、自分で自分を「弱い」と言ってしまうようなことだと思うから。だから、とてもこわいなって思うんです。 でも、どうして「弱い」と告白することがこわいんだろう、とも思うんです。弱いと、だれかに狙われるから? いや、それとも、「強くなければいけない」「自分の責任は自分で」という誰かのメッセージを自らのうちに内在化させてしまったから?そのある種の「正しさ」や「規範」から逸脱してしまうことを恐れているから

宗教から逆算するオンラインサロンのコミュニティ設計と運営戦略(おまけのみ有料)

オンラインサロンに入ってみて半年たったのでコミュニティ設計を考える、というnoteの続きです。 前回のnoteでは参加者目線でコミュニティを類型化してみたのですが、今回は主催者目線でコミュニティをどう設計するのがいいのか?というのを探ってみます。 コミュニティ=中小規模の連帯のある集団とした場合、これってビジネスの顧客集団やお店のファンや常連さんとの小さな輪っかでも同じですよね。 つまり、いわゆるコト消費とかストーリーを作れとかマーケ界隈で叫ばれているアレを、どう仕組み

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アカリノタネと私〜半年を振り返る〜

こんにちは! インターン生の石井夏海です。ENGAWA化計画では主に「ミーツ・ザ・福祉」というプロジェクトに関わらせてもらいながら、同じくインターン生のたまちゃん(笹木珠代)と「アカリノタネ」という場をひらいています。 さて、先週の木曜日「アカリノタネ 」が生まれてから半年を記念して、 いつもお世話になっている人や応援してくれている人、月に一度のアカリノタネにきてくれた人、そして、これから来てくれるかもしれない人に向けて「ありがとうとあいらぶゆー」を伝える会を開きました

「変わらなきゃ」と思ったら、先に安全な居場所を確保したほうがいい

やりがいを感じられない仕事、成長しろとプレッシャーをかけてくる上司、うまくいかない人間関係に「今のままじゃだめだ、変わらなきゃ」と思いながら過ごしている人は多いのではないでしょうか。 そんなとき、がむしゃらにがんばるのでも、自己啓発セミナーに行くのでも、転職活動を始めるのでもなく、まずやるべきことがあります。 それは「安全な居場所」を確保することです。 それは家族かもしれないし、コミュニティかもしれないし、福祉施設やカウンセラーかもしれません。 自分をそのままで受け容

今すぐになんてやらなくてもいいよ

数年前、ぼくが活動をはじめてまだ間もない頃のこと。それでも小さなイベントはたくさんこなしていて、少ないながらに人は集まっていた。 人が集まるということは、いろいろな想いが集まるということでもある。でもぼくは、そうした想いをうまく受け止められていなかった。 いや、大きな失敗をした訳ではない。けれど、確かにこぼれ落ちていくなにかが、そこにあったように思う。 --- 少し寂(さび)れた、でも活気があった空気は確かに残る商業ビルの中につくった「amare(あまり)」という秘密

「喫茶ランドリー」はどうしてヤバい?市民の能動性を引き上げ、受け入れる。グランドレベルの壮大な実験がはじまりました。

グランドレベルの企画・運営で、昨年2017年12月にプレオープンし、2018年1月5日にグランドオープンした、ちょっとだけ話題となっている「喫茶ランドリー」は、ただのランドリーカフェではありません。そこには、0歳児から高齢者までの、たとえばこんな自由な使い方、過ごし方が展開されています。 代表の田中がグランドレベルという会社を設立したのが、2016年9月。それ以前から会社設立の話は方々にしていたところ、設立前にも関わらず相談ごとを持ってきてくださったのが創造系不動産でした。