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ちょっとブレイク「春の土鍋」大根と芹と菊芋の滋養スープ

どうせ春がくるし、どうあがいても作品は完成するのに。春はなごりおしい冬とぶつかりあって、風をぐるぐるまわしてやってくる。制作の追い込みになんだか似ている。

繁忙というものは、繁みに追いこまれているわけで、滋みで補えという学問にはない勝手な定義。そうでないと、人も道具のように果ててしまう。(写真: 使いつぶした作陶道具)

冷蔵庫にあるものは白菜、大根、芹、そして冷凍庫に鶏むね肉。日もちして少し根が生えてきた菊芋。菊芋は皮ごと、芹は根まで刻む。芹の柔い葉をのぞき具材を充分に鍋で炒め煮にしてから、湯または水を加え塩で味を整え、最後に芹の葉をばさっと。山椒と七味でいただく。

薫る汁の香りをくゆらせながら、誰よりも先に冬をのりこえた土を想う。



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