くら寿司:外食産業における最高のUX
くら寿司は顧客体験価値(CX)ランキングで、2020年に全国内企業中2位を獲得しています。
「サービス全体として体験が最高!」って、超かっこいいです。
数多の回転寿司企業の中で、くら寿司がこれほど高評価になった理由はなんなのでしょうか。
先日くら寿司で暴食していたところ、ふと全座席にカメラが設置してあることに気づきました。
カメラは全ての皿を監視しており、誰が何を食べたか全て把握しているようなのですが、これってよく考えると店全体でデータ活用が洗練されていて感動しました。
今回はくら寿司の店舗を観察して見つけた、「くら寿司のビックデータ活用とUX」について考察します。
くら寿司は、誰がどの寿司を食べたか全件把握している
くら寿司では、全ての卓と卓の間にカメラを設置し、各寿司カバーの裏に付いたQRコードを読み取っています。
寿司カバーを開いて寿司を取ると、カバーの裏の角度が変わって読み取れるQRコードが変化する仕組みになっていました。
カメラとQRコードでどんな結果に繋がるか考えてみると、
ポイントカードの個人情報と紐付け、属性ごとの食事履歴を比較できる
何をどんな順番で流すと手にとってもらえるのか比較できる
などになりそう。
UXを考える人なら欲しくて堪らない、嘘と憶測が混ざらない純粋なユーザー行動です。
くら寿司は、ユーザーのことはなんでも知っている
当然ですが、データ活用の機会はユーザー行動把握だけではありません。
データ取得機会と活用方法について考えてみましょう。
データ取得機会
ポイントカードの個人情報
びっくらぽんの皿枚数カウント
タブレットの注文履歴
予約サイト履歴後に店頭で案内される卓
予約した番号のまま店頭で卓番が自動で案内されるため、予約から退店まで行動を追跡可能。
データ活用機会
鮮度が落ちたネタを自動でレーンから外す
仕入れするネタの量をAIで管理
見込み来店人数から必要な従業員数を算出
予約の待ち時間を店内の皿の消費数から高精度に予測
特に予約に関しては「そこまではやらないのでは」という感じだけど、CX国内ナンバー2やぞ…?
滞在時間から食欲などを「顧客係数」として管理する、といったことは行なっているようです。
収集したデータをユーザー行動の理解に活用してみんしゃい
各卓のカメラとQRコードを設置して、ユーザーがどんな行動をするか統計的に把握できたとします。
そこにカスタマージャーニーというフレームワークを取り入れると、顧客がくら寿司の店頭でどんな刺激を受け購買行動に至るのか要素分解することができそうです。
ユーザー行動軸にAIDAモデルを使ってカスタマージャーニーを作成すると、以下の例のようになりそうです。
レーンでネタを見るたび、「これ食べる?」という判断が行われることがAIDAモデルからイメージできますね。
実際に発生する行動が把握できていれば、ユーザーが何を考えているか理解するために、非常に役立ちます。
ユーザーが考えていることがわかるということは、根拠を持って新商品企画を行うことにも繋がりそうです。
新商品が実際にどれくらい売れたかも、くら寿司は完璧に把握できるので成果把握もバッチリ。
定量的にユーザー行動を計測してデータ活用できると、UXを踏まえて企画や施策を打てるために、とっても価値があるのです。
生産能力も効率化しているくら寿司
本題は書き終えたのですが、くら寿司公式Youtubeチャンネルで知った効率化の仕組みを少しだけ紹介します。
皿の水流回収システムと皿専用洗浄システムでコストカット
コンベアに乗せるタイミングをランプで管理
水流回収システムとコンベア従業員が皿を運ぶ必要ゼロ
などなど
安くて美味しい回転寿司はこうやって維持されているんですね。
超絶ハイテク。
回転寿司の店舗形態はとても新しいもので、日々コストカットや顧客体験を考え抜いて変化し続けた結果が今のスタイルそのものに変わるようです。
くら寿司はITに強いハイテク企業だったようです
まとめです。
くら寿司の裏側は「なんだかとってもすごい技術」でたくさん。ビッグデータを取得できる基盤が店頭にあるということは、99.98%の確率でAIが活用されていることでしょう。
美味しくて安いお寿司は、ワクワクするようなデータ活用基盤が支えているのでした。
ユーザー体験(UX)系の学びをシェアしています。
ぜひ他のnoteも読んで行ってくださいね。
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