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「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」について。

今日は棚園の三作目の著作、「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」について、改めて御紹介させてください。

「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」は現時点での棚園の最新作。

この作品は”病院訪問教育”という制度をテーマとした物語です。

当時、「学校へ行けない僕と9人の先生」を描いた後、一番はじめに考えたことは、「今度は病気や怪我で、身体を動かすことが出来ず、学校へ行けない子どもの気持ちを描きたい!」ということでした。

そして、最初は病院内にある学校、”院内学級”を舞台とした物語をイメージして取材を進めていましたが、その取材の中で知ったのが”病院訪問教育”です。

まず”院内学級”は、すべての病院に設置されているわけではありません。
院内学級がない病院では、特別支援学校などに在籍する教師が週に何度か、決められた日数と時間、家庭教師のように病院まで出向き、授業をする。

それが、”病院訪問教育”という制度です。


県によって日数と時間に違いはありますが、制度自体は全国にあり、特に愛知県では2000年以降、担当する教師達の積極的な広報活動により大きく広がりました。


テーマは”院内学級”から”病院訪問教育”へ。


変化に大きく影響したのは、実際に愛知県で病院訪問教育を担当されており、作家としても活躍されている山本純士先生の著作「15メートルの通学路」です。


「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」の物語は山本純士先生の「15メートルの通学路」が下地となっています。


製作時のエピソードなどをお話しした動画をYouTubeにUPしておりますので、宜しければ、ご覧下さい☆(約10分ほど)
(度重なる困難の連続・・・、情熱の結晶です!)

合わせて現時点で幾つかの代表的な記事も紹介させてください。

ねとらぼ

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1903/29/news060.html


中日新聞
https://www.47news.jp/3374597.html


朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASM3Q5K3LM3QOQIP00M.html

毎日新聞



山本純士先生の「15メートルの通学路」は実際の経験をもとに描かれた病院訪問教育の教師が主人公の物語です。


担当する児童との気持ちのすれ違いや、仕事に対する葛藤・・・。

それまで子どもの気持ちを中心に描こうとしていた僕にとって、その先生側の視点は、とても新鮮でした。

そして、「15メートルの通学路」を漫画にする事こそが、自分にとってのステップアップだと感じたんです。

「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」の主人公は、ベテラン教師の見崎恭平(みさき きょうへい)、新人教師の鷲見梅(すみ うめ)です。
物語は新人教師、梅の視点で進みます。

彼女は、いつだってやる気に燃えていますが、その想いが空回りして、子どもとの気持ちのすれ違い、押し付けなどの失敗を重ねてしまいます。
(正直、気持ちのすれ違いなど、前作”学校へ行けない僕と9人の先生”で描かれて居る不登校児と教師の関係に通じる部分があると思います。)

それでも彼女は試行錯誤を続けながら、子どもと向き合い、前へ進もうとします。


動画や記事でも、お話ししていますが、自分が、今回の作品で描きたかったことは、困難な状況においても相手に向き合い、自分の役割を全うする力強さです。

一言で言えば「一所懸命に生きる人々の強さ」

言葉にすると、とても簡単に聞こえてしまうのですが、それが正直な想いです。

山本純士先生の小説「15メートルの通学路」には悲しいエピソードもありますが、不思議と読み終わった時に胸に残るのは、迷いを救ってくれる心強さでした。

「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」も同じように、手に取って読んでくれた人方々へ、そんな気持ちが少しでも届けば嬉しいです。

と、言いつつ、そんな小難しい事は抜きにして、純粋に楽しんで頂ければ、もう充分。

最高に幸せです☆

是非ともご覧下されば嬉しいです^ ^!



「マジスター 見崎先生の病院訪問授業」
原作山本純士  漫画棚園正一

 (小学館)ビッグコミックス

心揺さぶる「教育のかたち」がここにある!

「病院訪問教育とは?」
長期入院する児童・生徒を対象に教師を病院まで派遣して授業を行う制度。



【あらすじ】
教師歴4年の新米教師の梅は、訪問教育のベテランである見崎の下で様々な教育の現場に直面する。
教師たちは、過酷な現実を背負う子供たちに何ができるのか。
奮闘する彼らの「教育のかたち」がここにはある!

【編集担当からのおすすめ情報】
『15メートルの通学路』で病院訪問教育の現場を取り上げた原作者と、『学校へ行けない僕と9人の先生』で子供と教師の関係を描いた漫画家・棚園正一がおくる心揺さぶる「教育現場」の物語です。
病院訪問教育というあまり知られていない制度に焦点を当て、奮闘する教師たちの姿を描いていきます。
過酷な現実の中にある希望を描く力作です。是非お読みいただき、彼ら教師たちの「教育のかたち」を知っていただければ嬉しいです。


単行本情報
https://www.amazon.co.jp/dp/4098602555/

第1話の試し読みはコチラ

https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784098602551


ご覧頂きましてありがとうございます😊 少しでも読んで良かったと感じてもらえる記事があったら幸せです! 今後の作品制作のために是非ともご支援宜しくお願い致します^_^!