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ライターになって気づいたこと【其の一】


※全文書き終ってからタイトルを付けたのですが、ありきたりなブログタイトルになってしまって泣きそう…



2019年5月に、僕はライターとして小さな出版社に再就職しました。


まだ2ヶ月なので、職歴で言えばチンカスレベル。それでも、この短期間で沢山の新しい学びがあり、“書くこと”について考えさせられました。


それらの事柄を備忘録がてら書き記していこうと思います。


今回は2点。



①“師”は身近に居た方がいい。


文字通り、「文章を指導してくれる人は常に自分の傍にいた方が良い」…ということです。


今の会社に在籍する前の約8ヵ月間、僕は『クラウドワークス』や『ランサーズ』で、自分が書けるジャンルを3つ(幼児英語教育・旅行、芸能関連)に絞り、文字単価1円の案件を片っ端から受注する……みたいな生活を送っていました。


初稿出しから校了まで、依頼主とは主にスカイプでやり取りするのですが、

_________________________

僕:原稿提出

先方:赤入れ、戻し

僕:修正、戻し

先方:再度赤入れ、戻し

僕:再度修正、戻し

_________________________

といった作業を半ば機械的にこなすだけなので、「なぜこの表現ではダメなのか?」、「依頼主は自分の文章のどこに引っかかっているのか」というモヤモヤを残したまま、「OK、校了にしましょう」と言われることが多くありました。


依頼主は、僕とは別で他のライターとのやり取りもあるし、個人に対していちいち具体的なフィードバックをするほど時間的余裕がなかったのです。



もちろん、自分で記事を見直して「赤入れの理由」「編集者の意図に即しているか」を考えることはとても重要です。

それでも、やっぱり『Face to Face』で密にコミュニケーションを取らないと、理解したつもりになってもどこかでズレが生じていたり、自分の文章の何が悪かったのか反省することが困難になります。




「単価も安ければ、自分自身ライティングスキルが上がっているのかどうかの実感もない…」



そこで、自分が成長するには“早く、より詳細に”フィードバックをしてくれる「文章の”」が必要と感じ、「一度制作会社に身を置こう」となりました。


幸いにも、今の会社では入社初日から編集長の隣の席を与えられ、分からないことがあればすぐに助けを求められる環境があります。

編集長も編集長で、僕が納得できるまで何度も噛み砕いて説明をしてくれるので、最終的には双方が納得した状態で誌面に文章を載せることができています。



だから、スキルアップを望むなら孤独に戦い続けるのではなく、

“師”を身近に持っておくことが大切。

…と思いました。




②すごいのは、作家だけじゃなかった。


「文章を書く人になりたい」と思えたのは、間違いなくこれまでの人生で触れてきた小説のお陰です(ぶっちゃけ数えるほどしか読んでいませんが)。



きっかけは、大学生のときに読んだ東野圭吾の『白夜行』


「文章でこれだけ想像力を掻き立て、人を感動させられるのはすごい!」と衝撃を受けました。それから小説を読み始め、次第にフィクション・ノンフィクションに関わらず、本全般を好んで読むようになりました。


すると、いつの間にか「人より文章を書くことが苦手じゃないかも知れない」と思うようになったのです。恐らく、日常生活で書き綴る自分の文章が、どこか作家たちに影響されたような文体になっていて、そのような自信が芽生えたのでしょう。



なので、僕はずっと

「自分の文章に影響を与えた作家はすごい!!」

「こんなにも優れた表現法を持ち合わせているなんて、作家は天才だ!!」

…と、思い続けてきました。



でも、ライターになったことで、あることに気づかされました。


それは、

「作家と同じレベルで、編集者もかなりすごい」


ということです。なぜか?




「言葉」「表現法」に磨きをかけているのは、おそらく作家よりも編集者だからです。


編集というのは、作家が書き上げた文章をチェックしたうえで、「もっとこうした方が読者に伝わりやすい」、「もっとこうした方がカッコいい表現になる」ということを追求して考える仕事。


そして、それを原稿に赤入れして作家にバックするのです。

「こっちの方がいいですよ」と。



小説にしろ、マンガにしろ、雑誌にしろ、自己啓発本にしろ…

世の中の大抵の本は、そういった作者編集者による修正赤入れが何度も何度も繰り返され、読者の手元に届けられています。


だから、編集者の仕事・役割を知ったうえで書店に並んでいる本を見ると、「なるほど…本というのは、作者だけの作品ではないんだな」ということを強く感じるわけです。


作者が何十作、何百冊と本を書いてきたのなら、その裏には、それと同じ数だけ文章に向き合い、洗練させた言葉選びをしてきた編集者もいる。彼もまた、一人の天才なのだと思います。


だから、すごいのは作家だけじゃなく、編集者も然り…ということです。




以上、今週の2点でした。

続きはまた来週書きます。



~続く~

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