発達障害児のソーシャルスキルはこう上げた!

アスペルガー長男。

どうやら、中学友達作りデビューをはたしてるようです。
もう、半年も経ったから、アスペルガーレッテル外れるかな?

2年くらいは、アスペルガー猶予を持った方がいいかな?w

今までの長男「上手くいってる」は、

長男が周りの顔色や空気を読めないばかりに
先生に聞くと実はめちゃめちゃだったりしてたが、

中学の先生から聞いても、班活動でも『普通に』馴染んで参加してるらしい。

先輩にも友達が出来、「弟のようだ」と家に呼んでくれて可愛がられてるらしい。

同級生の友人も数人いて、毎日どんな話をしたかの報告が、ちょっとウザいと思えるくらい聞くw

全員参加行事の後に打ち上げに誘われるなど、
人扱いされてる!ww


我が家式ソーシャルスキルを上げる為の土台作りを覚書しようと思う。


行動療法ってよくソーシャルスキルが低い子の療育であるが、
原始反射が残る子には、一時的に有効だと思うが、

対処療法でしかなく、根治療法ではないと思ってます。

例外で溢れる社会において、自主的に的確にルールを見つける力にはなり得ないような。
(早めに見切りつけて勉強しきれてないだけだったら、すいません💦)

臨機応変に、自分で状況を好転させる方法を考えれる土台が、ソーシャルスキルであって、(アスペルガー長男の一時期の状態から見ると、雲を掴む話のようだったが)

『何かあったら、謝りましょう』じゃ、社会性とは言えないわけだ。

使えそうな情報を調べて、人体実験して、修正をかけて来た経験から、自己流にソーシャルスキルの上げ方を体系化出来たと思ってます。

まずは、ソーシャルスキルが低い原因と理想形を確認。

【原因】
◯ソーシャルスキルに問題がある発達障害は、身体感覚(意識感覚5覚と無意識感覚2覚)の、部分的〜全面的な不具合から、ボディイメージがなく、周囲の認知が乏しい。

故に、自然な状態では、他者共感が持てない。
感覚世界が違うと、『自然に』共感は、しにくくて当然。

(感覚世界が違うのは、
自分が大嫌いな物を好んで食べる人に、共感出来ない感覚と一緒かもね。
それが、見る、聞く、感じるそれぞれにあると、考えると、感覚世界の違い重大さと、その影響を想像出来るかもしれない)

相手の感覚世界を正しく知る事で、共感しやすくなるので、うちでは『普通』研究を良くしてます。

差異に気がついたタイミングで、
母「普通は、ここまで見えてるから、こう感じるんだよ」
と、定型発達の生態を解説して、伝えていきます。

長男は、新種の動物を知る様に定型発達さんを知っていきますw

他者に共感したり、違いを知る事で、より明確な自己が育つ。
そうして育った自己を元に、他者の共感や違いをさらに詳細に知っていく。

このループで『他者』と『自己』を研磨していく事で、ソーシャルスキル(社会性)が磨かれます。

『優しくあって欲しい』『相手の事を考えて行動、発言して欲しい』

これらは、『この行動する自分が、相手からどう見られる(思われる)か』をそこそこ正しくイメージ出来ていれば、誰に注意されずとも自然に出来るようになる。

ここが根治になるポイント!
↓↓↓↓

【理想】
『他者意識を持った行動が出来る』
これが習得出来れば、臨機応変に自分にとっての最適解に近づける土台となる。

行動の抑制、計画にもつながるね。


【現状把握の仕方】

◯ソーシャルスキルは、トラブルがあった時に把握しやすい。

トラブルは、ソーシャルスキルを把握して上げる事の出来るチャンスなので、伸び伸びとトラブルを起こせるように、トラブルがあった事を報告出来る親子関係を作りましょう。

トラブルがあった時にチェックするポイントは3つ。

●自己認識をどこまで詳細に出来ているか。

●他者像をどれだけ詳細に把握しているか。

●事前状況をどこまで正しく把握出来ているか。
※本人の状況把握と、相手や第3者の証言も必要。
相手も発達が行き届いてない可能性も考慮する事。

◯事件の経過と結果を
本人から見た事件。相手から見た事件。第3者から見た事件。の3つを並べてみる事が大事。

反省として『他者意識を持った行動』をどのくらい思いつけるか、
事前に事態を防ぐ為にどうすれば良かったか、
考えられる可能性を議論する。

この復習は、楽しく競争してやろう。

大人になってもトラブルはチャンスになる。
トラブルを深刻で嫌なものにしないで、
冷静に取り組めば、自分の成長や周囲からの評価を上げるチャンスになると思えると、
生きていく上のストレスはほぼ無くなるw


✨ポイントをもう少し細かく見ていこう。

●自己認識をどこまで詳細に出来ているか。

→自己の感情とその為に起きた身体の変化や、その感情になった前後関係を認識出来てない発達障害児は多いと思う。

トラブルがあったら、その経過、現在の身体の状況、感情名、感情を逃す為の対処法を言語化させてみて下さい。

これが我が家流の感情コントロール訓練です。

例えば、
夜のどうでもいい兄弟喧嘩での報告会w

「夜の疲れてる時(事前の状況)に、僕の思ったように弟が動いてくれなかった(事のあらまし)から、腹が立って怒った(感情名)。
お腹がざわざわして、呼吸が荒くなってる(身体の状況)から、深呼吸して、早く寝よう(対処)」

もちろん、はじめは、インタビュー形式で聞いていくのね。
感情は抑えさせないで、話だけ聞く感じね。

慣れたら、自分で言える。
大概スムーズに言えるようになる頃には、
「OK! わかった!僕は早く寝るね!」
って終わるw

感情は止めると、そのうち爆発するので、垂れ流すイメージで、
「ほう。怒ってるのか。そうか。そうか」
って流して大丈夫。

相手の怒りに巻き込まれず、防犯カメラの視点で事態を把握しましょう。

話せないくらい感情が溢れている時は、
飽きるまで待ちます。

音と光と刺激のない部屋で、話せるようになるまで、一緒に待つか、一人で待つかを本人の意思で決めさせるのね。

どんな感情も精一杯垂れ流せば、飽きます。
安心出来る状態で垂れ流させてあげましょう。

十分に飽きて、他に転換出来そうなタイミングで話を持ちかけます。

早すぎると、また火がつくので、ここは時間をかけ、“充分に”飽きるまで待ちます。
結果そっちの方が早いです。

感情の名前が増えて、自分の身体の状態に意識が行くようになると、感情をコントロール出来るようになります。

これもボディイメージなのだね。
深呼吸が出来ない子は、我が家式ストレッチの『呼吸』の回を見て下さいね。

長男は、深呼吸の練習からやってますw


●他者像をどれだけ詳細に把握しているか。

→これは、人形遊びを見てるとわかったりもする。

うちでは、男兄弟なので、ポケモンのミニフィギュアで人形遊びをする訳ですが、

長男小3の時点で、たくさんフィギュアがいるのに、
一人が意見出したら、全員が同じ気持ちで従っているのね。

同調しかしないモブw
他者の不在w
『相手に伝えなきゃいけない』って思わないので、平気で無視もするし、電話の返事をうなづきで済ませてたりする時期だったw

他者に自分の気持ちが伝わってて当たり前で、
自分にない気持ちは、認識してなかったりします。

比べる相手がいないので、何も出来なくても、やたら万能感で溢れてます。(幼児的万能感)

このブログの題名『王様日記』は、そんな長男の状態から名付けてますw
何も出来ないのに自己肯定感に酔ってる王様w

色々取り組んでソーシャルスキルに変化が見られて来ると、

反対意見を言うキャラが出て来たり、
怠け者が出て来たり、バラエティ豊かになってくるんですよ。

主役と脇役。
最後の覚えてる長男の人形遊びは、まだまだ主役優勢だった。

脇役が良い味出て、スピンオフが作れるくらいのキャラになる頃には、そこそこソーシャルスキルが整ってる気がします。

たまに母も人形遊びに参加して、ここでトラブル解決をやっていく…とかやりたかったんですが、そこまで時間が取れなくて、やってないので、誰か試してみて下さいw

そのかわりの取り組みとして、
クラスの友達の好きな事を聞いて来るとか、
自分と違う興味の良さをインタビューして来るってのを課題にしてた事もあります。

他者の『同じ』探しと『違う』探しね。


●事前状況をどこまで正しく把握出来ているか。

→これを聞く時に「嘘つき!」は絶対言わない事。

把握状況が抜けてて当たり前!
ソーシャルスキルが低い原因(このブログの始めの◯の項目)にもう一回戻って何度も頭に叩き込む事!!

なぜなら、何度も私も「そんなはずないじゃん!嘘つき!!」って、無駄な罵倒を繰り返してたので。

通らなきゃいけない失敗もあるが、これは通らなくていい失敗だからです。

結局、感覚の不具合が別角度からわかった時に、本人の嘘のような把握は当然だったと気がついて、
母が長男に謝るってのを何度も繰り返してます。

母の感覚世界を、感覚世界の全然違う発達障害児に押し付けて、怒ってるだけなので、何の改善にもならない。

目の見えない子に見ろ!って怒ってるようなもの。

ここは、「ありえない!」と思っても、
その子の感覚世界と自分の感覚世界、また第3者の感覚世界の全て成り立ち得る状況はどんな状況かを想定する事が大事です。

例えば、
先生「体育の準備や片付けをしないで遊んでます」

長男「僕は体育のマットを一人で頑張って準備室にしまいに行ったのに、
クラスメイトがそれを横取りしていって、
先生には、片付けをしないって言われた」

全く相反する発言ですが、

長男の発言を元に先生に質問をしていくと…

母「長男は、本人はマットを触っていると言ってますが、片付けの時に一切マットに触らなかったのですか?」

先生「マットを触ってるが一人で遊んでます。
マットは必ず2人で持って片付けるように言っていますが、みんなが片付けるのを邪魔します」

力ないので、片付けてるつもりが、伝わってない可能性がある。

母「それは長男がちゃんと、そのルールとして知っていますか?」

先生「みんなの前で毎回確認してます。
その日も一人でマットで遊んでるので、私が何度も注意したのに、無視をしてたので、クラスメイトが代わって片付けたんです」

母「声をかけた時の長男の反応はどうでした?
先生の方を一度でも見ましたか?」

先生「見てません」

母「それは長男に伝わっていない可能性がありませんか?」

先生「でもその奥にいた子には伝わってます。
聞こえてないはずがありません」

聴覚過敏がある長男には、『音が届いている』と『内容が理解出来る言葉として聞き取れている』は別。

実際、長男はルールも知らなかったし、先生に注意された覚えもない。

体育館は反響音が大きい場所なので、
遠くで内容を聞き取れる音量と音域にあるか、注意の声だけを絞って意味のある言葉として聞けているかは、推測出来ない。

つまり、聞き取りは困難かもしれない可能性もある。

肩を叩いて、長男の意識がこちらにある事を確認して、適切なボリュームで話をして、
相手に内容が理解出来たかの確認する(復唱させるとよい)のが、合理的配慮だ。

これを行なってから、じゃないと、『無視したかどうか』は、わからない。

長男にとったら、
反響音で全体指導で言ってる事が理解出来てないが、マットはしまおうと、不器用で全然ない握力でマットを引っ張っていた。

傍目からは、遊んでて、ルールを破ってるわけだ。

で、先生の注意も遠くからなので、もちろん聞き取れない。

そうこうしてるうちに、先生の注意を聞いたクラスメイトが長男から、マットを奪い取って片付けたわけで、

長男は、相手の意図を組みきれず、
奪い取られた事で、防衛反応が働き、
それを阻止しようとして、邪魔したように周りから見られる。

自分のわかってる範囲で精一杯行動した長男は、
「ルール破って、片付けないで遊び、邪魔する」と叱られる事になるのね。

ひとつの事件も感覚世界の違う者同士だと、全然違う見解になる。

だから、決して「嘘つき!」と思わないで、知ろうとしなくてはいけない。

この時、先生には、聴覚過敏の合理的配慮をお願いして、

長男には、自分が他の人の聞こえてる注意が聞こえてない事があると十分理解して、
わからない事態が起きた時は、近くにいる人に何でそうなったかを聞く事が大事だと伝えた。

「長男が関われなくても、片付く事が目的で、それに向かってるようであれば、問題ないのだよ」と、諭してね。

この場合、クラスメイトに、「何?片付けてくれるの?」って聞けば良かった事。

対策を色々な想定で一緒に考えて、
わからない事が起こったら、周りの友達や先生に再度確認する必要があると、結論つけれた。


【土台作りの前の土台】

◯社会性(ソーシャルスキル)は、進化を考えた時一番最後に作られた大脳新皮質の前頭葉で処理される。

原始反射が残存して状態だと、古い脳での活動が多くなり、
ソーシャルスキルに必要な前頭葉が働ける状態じゃないので、そこからケアしましょう。

原始反射が残存してて、行動が反射に支配されてる子は、我が家式ストレッチで、身体の過敏なパーツ触れるようにして慣らしていくと、うちの兄弟は原始反射が感じなくなりましたよ〜。


【ソーシャルスキルの向上のために邪魔になるもの〜マイルール】

◯発達障害児達は、自分の『見て聞いて感じ取れない部分』を、自分の想像で補っている可能性がある。
それ故にマイルールが出来る。

マイルールは、生まれながらに無意識で蓄積されているものなので、本人にとっては、世界の常識!

自分で気がつけないものだ。
定型さん達の感覚世界と照らし合わせて、初めて気づく事が多い。

自分の周囲認知度を上げる為に
ボディイメージ強化と、

定型発達と同じくらい周囲を認知出来るようにする為の注目ポイントをインプットを並行していくと、

ようやくマイルールの存在に気がついて来る。

そのマイルールを訂正出来ると、
他者共感、正しい状況判断しやすくなる。
ここまでがソーシャルスキルを伸ばす前の段階で必要な事。

それから、ようやく
『他者意識を持った行動のインプット』が出来、
ちゃんと実践的に使えるようになる。


発達障害君がマイルールを披露してくれないと、直しようがないので、トレーナーする方は、言いにくい流れを作らないように注意ね。


【ソーシャルスキル訓練をしていけるメンタル素地】

◯自分の発達障害としての特徴や苦手事項を認知している事。

◯今現在、人間関係に困ってると理解出来ている事。

※周囲の把握度合いが未熟だと、外から見て問題だらけでも、本人が困ってない事が多い。

その場合、しっかり周囲の人もその子自体も『困る』事を教えていく必要がある。

◯自分が変われば、周りの環境が変わると解っている事。

※ここは洗脳してでも、この考えも持たせるべき。
感覚や身体の使いづらさからの苦手が多い発達障害児は、
自分のやり難い『普通』を押し付けられると、
自己否定か、周囲の環境が悪いせいにしがちで、コミュニケーションから遠ざかる。
いじめられっ子も同じね。

やりようで自分も変われるし、周囲の友人からの評価も変わる。

◯本人が変わりたい!と思ってる事!!

実地訓練は、自分の意思がないと出来ないからね。

『直るかも』『事態が好転するかも』という希望があれば、変わりたい!と思うと思います。
希望がないと行動は起きない。

発達障害の告知を躊躇ってる方もいるかもしれません。

でも、希望が有れば、障害は、飛躍のチャンスでしかない。

ここで改善記録を記録し続けるのは、
過去の絶望した自分に希望を示す為にです。
療育やってて良かったし、続けて良かったし、変わり続けれて良かった!


上手く歯車を回せたのは、長男の感覚世界を母の思い込みなしで理解しようと、
母の『当たり前』を修正し続けて(今でもね)、スモールステップを見つけれたからだと思ってます。

「わかって当然!わからないはずない!バカじゃないの?」と思っても、グッと堪えて、

「いや?あるのかもしれない」と、一度飲み込む事で、それを想定した対処を考えられますし、
それを考慮すれば、逆に言い訳出来ない状況になる訳だ。

発達障害児に『相手の事を考えろ!』と言ってる母が、発達障害児の感覚世界を正しく把握出来てないなら、しょうがない。

発達障害児(うちの子)の感覚世界を正しく知っていくと「なぜこんな事を!」「何考えてるの?」はなくなり、

トラブルのあらましを聞いて、
長男の意図を想定出来るようになった。
そうなると、トラブルで心揺さぶられる事もなくなり、

「この事項をインプットさせれば、似たトラブルは避けれるな〜」って、考えられるのね。

そして、母が発達障害児の感覚世界を正しく把握し、その子の見えてない定型発達の感覚世界を伝授していく繋ぎ役になればいいのね。

それがソーシャルスキルトレーニングだ!


次回、『漫画でインプットするソーシャルスキル』やります。
(対象 高学年〜かな。)


経験記憶に優る記憶は無し!! 日本一周まであと少し! マイナーな子連れ旅ブログが書きたい!! よろしくお願いします!!