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先人の知恵を活用する。

生きていると、問題ごとや課題は尽きません。

何か新しい問題や挑戦に直面するたびに「これは前例のない問題だ」ということがよくあると思います。それは、自分自身がその問題を初めて経験するため、当然のことです。

ただ、私の生まれてくる遥か昔から、人間の歴史という先人たちが残してくれた大きな遺産があります。
文明の発展。コミュニティの形成。正義のぶつかり合い。絶対強者を失墜させる革命。
我々が生きる前から、数々の知識や知恵、経験は人間という生き物が紡いできた歴史として遺されています。

先人も現代人も似た問題を抱えている。

先人たちは、前代未聞の困難や挑戦に対処するために、様々な工夫を凝らしてきました。その過程で得られた知識や洞察は、我々が直面する可能性のある問題にも、十分に役に立ちます。

例えば、先人たちは何世紀にも渡って、自然災害や食糧難に対する対策を施してきました。水害が起こらないように防波堤を建てたり、干ばつ対策のために湖を作ったり。このような、様々な対策は、テクノロジーや科学が発展している現代でもなお、有効なものとして活用されています。

また、現代は人口爆増に伴う食糧難が懸念され、人工食品といった対策がなされています。原因は異なれど、過去にも農作や貿易という手段を用いて乗り越えてきました。自ら食料を生み出すといえば、人工食品と農作は似たものがあります。

このように、人間が現代で直面している問題は、過去にも様々な国や地域で起こってきた問題です。このように過去にも同様な事例は様々な分野で起こっていることです。

先人の知恵は最高の時短術。

私たちは先人が得た知恵を利用することで、自身が同じ問題を解決するための時間を節約することができます。すでに存在する解決策を利用することで、自分たちの時間をを新たな課題に向けることが可能となります。

例えば、ビジネスでは、マーケティングやマネジメントなど、過去に成功した方法を学び、それを適用することで、ビジネスの成果を上げられる場合が多いです。また、科学的研究でも、過去の研究結果を活用することで、新たな発見を効率的に進めることができます。

1から理論を組み立てていくことは、とても重要なことではありますが、何といっても時間が足りません。算数を学び始める際に、「1とは何なのか?」というところから考え始めていたら、1+1=2を勉強するまでに、何年かかるのでしょうか。これは、科学も経済も政治も、どの分野でも同じことが言えます。

前例のない問題が生まれてからが勝負。

過去の事例を活用してばかりだと、たとえ上手くいっていても、これまでに通用しない問題と直面したらどうするのかという意見もありますよね。私も以前はそう思っていて、過去に先人たちが積み重ねてきたもの無視して、自ら開拓しようとしていました。

典型的な例が、本や先輩からの教えです。まだ学生だった頃は、自分のやり方が正しいと思っていたし、他の人から教えてもらってショートカットしても、自分は大きく成長できないと考えていました。明確なきっかけは覚えていませんが、結局色々試すうちに、「あの時のあの本に書いてあったことだ」や「あの時に先輩に言われた通りだ」と気づけたことが要因となって、今ではとりあえず先人の知恵に頼ってみるようにしています。

先人の知恵を借りたとしても、必ず壁にはぶつかります。そこから、自分の知恵や知識、そしてそこに立ち向かう情熱を振り絞って、その壁を越えていけば良いと思います。どうせ後からぶつかる壁であれば、まずはそこまで辿り着くことを優先しましょう。

また、社会レベルで考えると過去の問題とは根本的に異なる場合もあります。例えば、現代社会は、テクノロジーの急速な進化や社会の変化により、先人が立ち向かったことのないAIや宇宙開発、メタバース、量子コンピュータなどの分野については、過去の人類が積み上げてきた知恵や知識がそのまま常に役に立つわけではないでしょう。過去の成功例に固執することで、新たな視点やアイデアを見失う可能性もあるという考え方も、もちろんあります。過去の成功は新たな試みを阻害する要因にもなり得ます。

ですが、これは先人の知恵を尊重することと新たな視点を持つことは両立可能であるという意識を持つことが大切だと思います。過去の知恵が直接的な解とならない場合でも、先人が積み上げてきた知恵が新たな解決策を見つける手助けとなることの方が多いからです。

過去の知恵を理解し、それを活用することで、私たちは現在と未来の問題に対処するためのヒントを得ることができます。それが、まだ見ぬ障壁を乗り越えるための力になり、現代の私たちの社会も発展し、より豊かで充実した人生を送ることができます。そして何より、それが未来を生きる人たちにとっての糧となり、私たちの成し遂げたことが人類の歴史の1ページに刻まれることとなります。


賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。
この言葉通り、先人が試行錯誤を繰り返して積み上げてきた知識や知恵を使わないのは非常にもったいないことです。守破離や温故知新という言葉の通り、まずはそのまま過去の知恵を受け入れ、自分のものにし、新たなものを生み出していく。
これが、歴史という観点で人類を見たときに、我々に課された使命だと思っています。
先人が創り上げてきた歴史から学び、そこから新たな歴史を生み出していくような意識で、これからの人生を歩んでいきましょう。

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