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アートスポットを巡るバス旅(後)MOA美術館

 小田原の江之浦測候所を後にして熱海に向かいます。

 PEARL STAR HOTELで昼食。ホテルは熱海海岸に面した一等地にあります。去年オープンした真新しいホテルで、有名な寛一お宮の像(尾崎紅葉作「金色夜叉」の登場人物)の正面にあります。

 熱海といえば、関東圏の客が中心かと思いますが、バブルの後の惨状はまだ記憶に残っています。規模の大きな老舗ホテルが次々倒産して、何年も空き家のままという寂しい状況。(会社の慰安旅行とか無くなりましたね)
 でも、最近ようやく復活してきているみたいで、なぜか若い人に人気があるとか。

 PEARL STAR HOTELも以前はつるやホテルという有名な宿泊施設があったところ。ずいぶん長い間廃墟でしたけどねぇ。すごく豪華なホテルに生まれ変わりました。(隣にあった熱海グランドホテル跡も只今新築中←余談)

三島の契約農園の野菜と
天城紅姫あまごの燻製
黄金いくらと柑橘のマリネ

 この日は空気が澄んでいたのか、真正面に初島だけでなくその奥に大島が見え、房総半島もよく見えました。波も穏やかで雲も少なく、とても暖かな一日でした。

寒鰆のパヴェ
キャビアとシャルトリューズソース

 お腹も満足したところで、MOA美術館へ。熱海駅を過ぎて山を登って行って直ぐです。

 モアじゃなくて、エム・オー・エーですね。モキチ・オカダ・アソシエーションの頭文字なのです。岡田茂吉氏の収集した日本、中国などの東洋美術工芸品を中心とした美術館です。

 山の斜面を利用して立っているので、入り口を入ってからエスカレーターを何機かのります。この建物は2017年に江之浦測候所も構想した現代美術家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏によってリニューアルされたとか。

エスカレーターを登ってゆく途中にある円形ホール
丸天井にプロジェクターで模様が映し出される
みんな見上げてる
音楽に合わせて次々と変化するので
ずっと見ていられる
MOA美術館のインスタ映え推しスポットです
ヘンリー・ムーアの「王と王妃」
海を見ている

 ムーアの像の後ろの階段を上って、漆塗りの大きな自動扉を入ると漸くメインロビーです。

アントワーヌ・ブールデル「アポロンと瞑想」
この巨大なレリーフを山の上に運び上げることはできず、
ヘリコプターで釣り上げたとか
黄金の茶室がお出迎え

 MOA美術館には能楽堂もあります。

能だけでなくクラッシックの演奏会や、講演会などにも使用されます
前方の二本の柱は演目内容によって取り外せるそうです
(屋根は天井から吊り下げてあります)
一日たったの15万で借りれます(審査在り)
いかがでしょう


 MOA美術館といえば歴史的な日本の美術のコレクションで有名です。国宝や重要文化財に指定された作品もあります。

尾形光琳・乾山合作
銹絵寿老人図角皿
尾形光琳
虎図屏風
伝・尾形光琳
秋草模様描絵小袖
伝・尾形光琳
秋草図屏風

 なんだか、光琳ばかりだな。・・・いえ、たまたま撮影したのが、光琳ばかりだっただけです。浮世絵や仏像や室町以前の肖像画や書跡、工芸品などもあります。


 「ああ、これこれ。美術史の教科書に載っているやつ」
 野々村仁清作の国宝「色絵藤花文茶壷」です。この茶壷のためだけに一室使っています。

野々村仁清
色絵藤花文茶壷
江戸時代

 この美術館の展示品はガラスで保護されているのですが、反射の少ない透明度の高いガラスなので、映り込みが少なくてまるで何も無いみたいです。事実、近づきすぎて顔をぶつける人のもいるとか。注意書きがありました。背後の壁が黒いのも効果的かも。
 
 これは写真家でもある杉本博司氏のこだわりでしょうか。

 尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」も超有名ですが、残念ながら梅の季節だけしか公開されません。毎年二月に公開されます。

その代わりと言ってはなんですが、
杉本博司撮影の「紅白梅図屏風」
モノクロもかっこいい



 建物は斜面を掘り下げて埋め込まれたような作りになっていて、下から見上げても樹木ばかりのように見えます。桜やツツジが植えられているので春はきれいでしょうね。
 ツツジ山や梅園は入場料なしでも入れるらしいです。今回は見なかったのですが、茶室のある茶の庭という庭園もあります。紅葉の美しい日本庭園だそうです。園内には歴史的な建造物などもあるらしいので、時間があれば見たかったですね。

 飲食の施設も力を入れているようで、庭を見ながらながらお食事、お茶を楽しめます。時間をたっぷりとって過ごせそうです。

 

 

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