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Ep4 人生100年時代をブルーゾーンから学ぶ

エピソード4!目指せピンピンコロリ!バイオハッカーの目指すところは健康寿命と最大寿命なので、地球上に散らばった長寿が集まる特別地域Blue Zoneから人生を学びましょう!

◼︎SHOWノートはこちらから

◼︎エピソードの要約

00:00 ピンピンコロリ
00:58 オープニング 「長寿を左右する70−80%の環境因子を学ぶ」 03:08 本日のテーマ「Blue Zone」
06:42 地球上に存在する100歳以上の人口が世界で最も多い5つの地域。11:07 海も山も島にも長寿は存在する!?
12:20 Power9長寿の秘訣9つのルール
19:36 タテキが5つのBlue ZoneとPower9をさらに分析
22:16 Blue Zoneはパレオを否定するのか?
23:57 栄養代謝の恒常性 栄養応答シグナルmTorとAMPK
25:17 Hormesis 少しの毒は体にとって良い&女性ホルモンが長生きにさせてくれる?
27:38 結局あなたはBlue Zoneから何を学ぶか?

◼︎世界に散らばる5つ長寿の人々が数多く暮らす特別な場所

- イタリア・サルディーニャ島
- ギリシャ・イカリア島
- コスタリカ・ニコヤ半島
- アメリカ合衆国・カリフォルニア州・ロマリンダ
- 日本・沖縄

◼︎Blue Zone Power 9

世界の長寿から学ぶライフスタイルと風習

ビュイトナー氏はチームを組んで、医療研究者、人類学者、人口統計学者、疫学者たちと共に、科学的根拠を基にした共通する特性9つを5つのブルーゾーンから発見しました。彼らはPOWER9と名付けました。

1. Move Naturally 自然に動く
2. Purpose 人生の目的
3. Down Shift ストレスのない生活
4. 80% Rule 腹八分目医者いらず
5. Plant Slant 植物中心
6. Wine @ 5 5時のワイン(少量のお酒を嗜む)
7. Belong 信仰
8. Loved Ones First 家族が最優先
9. Right Tribe

◼︎黄金の経験note

番組でもお話しした通り、大多数の我々が目指す「幸せ」に近い人生を送っている人々だと思います。タテキがアメリカでヘルス&ウェルネス関連のレクチャーをする時にいつもBlue Zoneのお話をします。体を酷使するプロ格闘家だからこそ、「命を削っている」と実感する瞬間を何度も経験しています。そして現役ファイターと同時進行してパーソナルトレーナーをやっていると「筋肉をつける」「痩せる」という非常に極端な目標を短期的に達成しようと頑張っている人たちがほとんどという環境で過ごしている、と一歩下がって客観的に自分を見て気がつきます。自分自身、アメリカでヘルスコンサルタント業を事業として行っていますが、ここでハッキリさせなければいけないのは「アスリート=健康」というなんとなく思われているお茶の間の考えです。アスリートが行っている「身体に良いこと」は積極的に真似してもいいかもしれませんが、「これだけ自分を追い込まないと、あんなカッコイイ身体になれない、スタイル良くならない」と思いがちです。デンマーク双生児研究によると、平均寿命のうち遺伝子によるものは約20%で、残りの80%は生活習慣によるものだという研究結果を考慮すると、参考にしてライフスタイルに取り入れたい習慣は真面目に取捨選択するべき!と言いたいところですが、そんな真面目に考えすぎるのも逆にしんどい、という意見も同意できます。

黄金の経験noteで紹介したいのは、ナショナルジオグラフィックのプロジェクトから12年後にブルーゾーンのライフスタイルをアメリカの健康指数向上のために取り入れた研究の報告です。長寿と聞くと年老いたお爺さん、おばあさんを想像しがちですが、ブルーゾーンでは子供達、つまり家族関係がとても良好で、POWER9の中で最も優先されている項目です。ブルーゾーンのライフスタイルを全米のコミュニティに導入し、政策立案者、地元企業、学校、個人と協力して「ブルーゾーン・プロジェクト・コミュニティ」の環境を形成してきました。その結果、健康的な環境を整える責任を個人に負わせてもうまくいかないことがわかりました。しかし、Blue Zones Projectのコミュニティは政策と環境の変化を通じて平均寿命を伸ばし、肥満を減らし、何百万人ものアメリカ人が健康的な選択を簡単にできるようになりました。

調査によると人は人生の約90%を自宅から5マイル以内(8キロ)で過ごすことがわかっており、これを「生活半径」と呼びます。長寿を実現する環境を作るためにブルーゾーンは研究者と協力して生活半径を最適化するための設計図を作成しました。チームはまず個人が自分でできることを分析しました。個人ができることは台所を工夫して食事のカロリーを約100キロカロリー減らしたり、家を工夫して運動で数百キロカロリー余分に消費したりすることです。例えばカウンターの上に果物を置く(より健康的なおやつ)、テーブルではなくコンロで料理を出す(目の前に大皿料理を置くのではなく、お代わりをキッチンまで取りに行く)、庭仕事には手作業をする(アメリカで多くは機械で庭の手入れを行う)など、ちょっとした工夫で実現できます。どの地域でも80%の人が自分の健康習慣を変えたいと思っています。このような健康意識の高い人々のソーシャルネットワークを作ることで、健康的な生活を促し、人々に目的意識を持たせることができます。次に研究者たちは生活圏内の場所に注目しました。学校、職場、教会、店舗、レストランなどに出向くと無意識のうちに食事の量を減らしたり、体を動かしたりするように促されるような115の科学的根拠に基づく設計上の工夫や政策があります。職場でのスタンディングデスクの設置、学校での自動販売機の撤去、レストランでのブレッドバスケット(無料で大量のパンが出てくる)の廃止、安全なウォーキングコースの設置、模合の奨励(沖縄の風習が特別注目されています)などがその例です。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC・Centers for Disease Control and Prevention)によると、健康に対する最良の投資は政策によるものです。ファストフードよりも野菜や果物が最も手に入りやすい環境を作ることで肥満の劇的な減少が見られます。自宅から半マイル以内(約800m)にファストフード店が6軒以上ある場合、3軒以下の場合に比べて肥満になる可能性が40%高くなります。ファストフード店の数を制限したり、喫煙を規制するなどの政策を講じることで政策立案者は健康状態を飛躍的に向上させることができます。通りが歩きやすく、自転車で移動できるようになり、公園がきれいになり、活動的な選択肢が簡単な選択肢になれば、全人口の身体活動量は30%上昇します。このようなケーススタディや地理的要因が左右する公衆衛生関連の授業は大学院時代タテキも少しかじりました。Nutritional epidemiologyを専門としている人がきっと詳しいと思います。

これはあくまでもアメリカの例ですが、本質を見ると現在便利な生活を送る我々の生活環境を少しだけ「アナログ」にしたり、「手間をかける」ことによって達成できそうな気がします。環境をハックするバイオハッカー達が日本のウェルビーイングに貢献するためには、ブルーゾーンプロジェクトの日本版を日本式に日本人バイオハッカー達が全国で広めてくれれば達成できそうな気がします。

まとめるとブルーゾーンの地域には、世界で最も高齢で健康な人々が住んでいます。それぞれのライフスタイルは多少異なりますが、主に植物性の食事を摂り、定期的に運動し、適度な量のアルコールを飲み、十分な睡眠をとり、精神的、家族的、社会的なネットワークを持っています。これらの生活習慣は、いずれも長生きに関連することがわかっています。我々のライフスタイルにこれらの要素を取り入れることで人生を数年長くすることができるかもしれません。明日からみんなでゆる〜くがんばりましょう!

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