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「叶う未来」ではなく「叶える未来」へ

column vol.1151

先月、当アカウントにて告知させていただきましたが

日本小売業協会「生活者の新ライフスタイルを考えるフォーラム2023」登壇いたしました。

私は生活者委員会コーディネーターとして、このイベントの企画・キャスティングに関わり、さらに本日20分間の講演を実施。

メディアアーティストの落合陽一さんや、株式会社中川政七商店 代表取締役会長の中川政七さんなどと並ばせていただき

人生史上最大の晴れ舞台を経験することができました(笑)

〈日本小売業協会 / Webサイト〉

有料イベントなので各登壇者の講演内容はお話しできないのですが、有識者の皆さん共通するのは社会課題未来への悲観論を受け止めながらも

聴講者が勇気を持てるような「明るい未来像」を持っていらっしゃるのです。

それは「夢」「希望」とも言い換えられますが、危機意識課題認識を捉えているというフェーズに留まらずソリューションまでセットで考えていく思考習慣をお持ちであると感じました。


常に「100年後の世界」を夢想する


たくさんの刺激を受けながら、ある記事が頭に甦りました。

それは、現代ビジネス【「あったらいいな」の想像力が、科学や技術を発展させる原動力に! 大正時代に描かれた“百年後”の想像に脱帽!!】という記事。

ジャーナリストの池上彰さんが執筆しています。

〈現代ビジネス / 2023年9月5日〉

大正時代、『日本及日本人』という雑誌が、1920年「百年後の日本」という特集を行ったそうです。

それは、学者や小説家、実業家、思想家などの知識人300人以上が想像めぐらせた未来

今の時代に通ずるたくさんの技術が、そこに登場しています。

例えば「対面電話」

これ今でいうと何を指しているか分かりますか?

はい、そうですね。

Zoomなどの「オンラインミーティングサービス」のことです。

他にも「飛行機600人乗り」という予想もあったそうです。

今では何も驚かない話ですが、当時まだ前年にフランスで世界初の旅客機が飛行したばかり。

当時の人からすると奇想天外なことに思えたのに違いありません。

でも、こうしたみんなが想像しないような、そして否定したくなるような未来を夢想するからこそ、世界は変わっていくのだろうと思うのです。

技術以上に「社会」の進化を想像する

一方、最近は「昔の人よりも未来を想像できていない」という声も聞こえてきます。

私個人の意見で言えば、「技術の進化」については、少し飽和状態気味なのではないかと感じています。

落合さん曰く、AIについてだけでも一年で1000程度の新機能が誕生しているようで…、もはや進化のスピード人間の認知を遥か超えてしまっている…(汗)

もはやAI全体を把握できている人研究者でもいないようで…、実質的には「AIの専門家はいない」状態になってしまっているとのこと…

確かに、私が子どもの頃はテクノロジーの進化は緩やかでした。

ビデオが初めて家に来た時、「テレビ番組を録画できるなんて、夢みたい〜〜!」と興奮して夜眠れなかったことを覚えています。

しかし2023年の今、「こういう技術があると良い」と想像したことは大抵既にあるか、実現することが分かっていることが多い。

テクノロジーの進化についての期待感昭和の頃からは減退していると感じます。

一方で急速に進化するテクノロジーに対して社会はあまり変わっていない

コロナ感染が広がった時は「ニューノーマル」という言葉があちこちで聞かれ、大きな時代の転換期を迎えたと思っていましたが、今となってはコロナ前の日常はまぁまぁ戻ってきているわけです。

(もちろん、良い意味も含めて)

これから私たちが、よりトライした方が良いのは

より理想的な世の中って、どんな世界なんだろう?

ということに考えをめぐらせること、

つまりは「社会革新」なのではないかと感じています。

例えば、小売企業の事例でいえば、丸井グループ「ビジョン2050」を読むと30年後の未来に向けて

ビジネスを通じて
あらゆる二項対立を乗り越える世界を創る

という目標を掲げています。

〈丸井グループ / Webサイト〉

つまり、国家間貧富ジェンダーなど、全ての格差をなくすことを宣言しているのです。

人によっては実現不可能であると思うでしょうが、大正時代の人たちのように「そんなの無理だよ〜」と言われるような希望を思い浮かべることが大事なのではないでしょうか。

人間が想像できることは必ず実現できる

私は、フランスの有名なSF小説家のジュール・ヴェルヌ

人間が想像できることは、人間が必ず実現できる

という言葉が大好きです。

例えば、普通に考えてみれば「争いのない世界をつくる」と言っても、「なかなか現実的には…」と思うでしょう。

しかし、…非常に極端な話になりますが…、みんなでそう思えば争いはなくなるはずなわけです(…超理想論ということが前提ですが…)

要は「想像しなければ、信じなければ、理想の社会はやってこない」ことは確かなわけです。

もちろん叶う理想、叶わない理想もあると思います。

でも、「デジタル上の不正をなくしたい」という熱き想いはブロックチェーンで解決されそうな予感があるように、

誰かが思い描いた理想を共感し合い、進化するテクノロジーと重ね合わせていけば、実現できることはもっといっぱいあるでしょう。

もしかしたら、自分では実現できなかった理想を、他の人が叶えてくれるかもしれませんし、次の時代で叶うかもしれません。

ちなみに、1970年大阪万博では三洋電機(現・パナソニック)の「人間洗濯機」が注目を集めたそうですが、今現在、私たちの日常では見かけません

面白いけど需要がなかった…、そういう話なのですが、実は2025年の万博では、この人間洗濯機のエッセンス(DNA)を受け継いだ大阪市の企業「サイエンス」が、ファインバブルという技術を使った「近未来型の人間洗濯機」を展示すると発表しています。

つまり、

理想(想い)は社会の中で遺伝する。

ですので、今日さまざまな有識者から聞いた「明るい未来像」に刺激を受けながら、私も荒唐無稽でバカにされても良いから理想論を語っていこうと改めて思いました。

自分で叶えられないことも、きっと、いつか、他の誰かが叶えてくれると信じて。

そんな気持ちになってしまうほど、学び多き、熱き一日でした😊

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