「地域性」という文脈を鉱脈に
vol.46
昨日は日本の文化大国への可能性についてお話しさせていただきましたが
そこで大切になるのが、その土地に根付く「文脈」「物語性」の発掘。
日本には各地方の素晴らしい文化の鉱脈が広がっています。
特に日常的に感じられるのは「食文化」です。
海外の方々に「ソイソース」として親しまれる醤油は、日本人の私でも驚くほど地域性を感じる。
そうした「違い」を楽しむのも粋な嗜みです。
最近は、この違いをいかに価値として捉えるかという気運があります。
例えば、日本のメジャー企業が最近こぞって打ち出す「地域限定の味」がそうです。
よく知られている商品の1つがキユーピーの「九州を味わうドレッシング」でしょう。
〈産経新聞 / 2023年8月27日〉
九州地方限定で「ゆず」「たまねぎ」「ゆず香るごま」の3種類が販売されています。
食べたことがない方は
と思うかもしれませんが、実は種類ではなく「味わい」がミソなのです。
九州ならではの「甘み」を色濃く反映している。
東京・神奈川で生活してきた私からすると、初めて九州の醤油を口にした時の甘さに衝撃をうけました(良い意味で)。
九州らしさを追求することで地元の方々に愛される商品になるだけではなく、私のような他地域の人にとっての「味の文化体験」になる。
他にも、アサヒビールは今年、地域限定の缶チューハイを発売したこともトピックスの1つです。
例えば、甘くない味わいが好まれる東北地方のために開発した、無糖のかんきつサワー「GINON(ジノン)」。
レモンピール、レモングラスなどを漬け込んだジンをベースにした辛口で、特にビール好きな人から支持を集め、ファンを増やしているそうです。
そして、コーヒーでは、味の素AGFが「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドで、北海道から九州まで8地域ごとに好みの風味にブレンドしたレギュラーコーヒーなどを販売しています。
北海道では深煎りのコクのある重厚な味。
北陸信越では香り高い、すっきりと澄んだ味、といった好みに合わせ、数種類の豆をブレンドし、味を作り上げているのです。
こうしたメジャー企業が地域性を打ち出してくれることで、私たちとしては楽しみながら日本各地の食文化を学ぶことができる。
私はファッションについても地域性があると思っていますので、今後ますます「違い」を嗜むムードが広がっていくと良いなと思っています😊
コロナ禍で国内旅行に行く機会が増えましたが、各地を回るたびに広大な文脈の鉱脈を感じます。
昨日もお話ししたように、そんな文化を発信するような仕事を今後やっていけたらと願っています〜
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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