noteはどこに向かうのか?
column vol.873
昨日、noteが東証グロース市場に上場しました。
調達するのは約1億円。
この上場については「赤字上場」とこれまでもメディアが扱ってきましたが、今回の決断の意図はどのようなものだったのでしょうか?
各メディアの記事をもとに紐解いていきたいと思います。
「赤字上場」でも今行ったワケ
まずは今回のIPO(新規株式公開)についてのおさらいです。
公開価格ベースの想定時価総額は約50億円と小規模なIPOになりましたが、初値は公開価格・340円を大きく上回る521円に。
ちなみに、上場初日の終値は439円でした。
公開価格は直近2022年4月の資金調達(第三者割当)時の発行価格2062円に対し、株価0.16倍の大幅なダウンラウンド上場となりました。
このタイミングで上場することについては、社内や既存投資家の間でさまざまな意見が…(汗)
しかし、note社のCEO・加藤貞顕さんは、このように力強いメッセージを語っていらっしゃいます。
さらに、未上場時から短期間で株価が下がった要因について鹿島幸裕CFOは
と分析。
と仰っています。
業績については、2017年以降、赤字が続いており、2022年11月期は売上高約22億8000万円、純損失8億7000万円。
これについては、人材採用やプロダクトの開発コストが先行した結果だと説明されています。
note社は先行投資としてエンジニアやデザイナーを中心とした開発人員を積極的に採用してきましたが、今はある程度優秀な人材を確保できたそうで、今後は人件費も安定すると予測。
今後、売り上げを伸ばしていく中で、赤字幅については縮小していく予定とのことです。
note社の売り上げの柱は?
では、どのように売り上げを上げていくのか?
その大きなポイントになるのが、法人向けの有料プラン「note pro」。
現在、売り上げの15%を占め、まだまだ伸びしろがあるそうです。
〈Forbes JAPAN / 2022年12月21日〉
しかし加藤CEOは、まだ圧倒的に「人口(note登録者数)が足りない」と考えていらっしゃいます。
現状は月間アクティブユーザー4066万人を数え、有料購読をするユーザーの月間平均支払額は2650円。
年間の流通総額は、84億円を超えています。
(会員登録者数は2022年8月末時点で550万人超)
そして、約2800万件のコンテンツが公開。
上位1000人のクリエイターが年間に稼ぐ金額は平均663万円と、創作で生活ができる人も増えてきています。
加藤CEOは
と語っており、コンテストの実施や、出版社、テレビ局とのコラボによる書籍化・映像化を加速させています。
また、今後は海外進出も視野に入れ、さらなるユーザー獲得に注力していくとのこと。
一方で多くのSNSクリエイターがnote参画を躊躇してしまう原因の1つに「エクスポート機能」が挙げられるでしょう。
データの書き出しができないとなると…、仮にnoteに何かがあった場合……、自分の作品全てにサヨナラを告げなければなりません…
エクスポート機能があることで、他のプラットフォームに移動してしまうクリエイターもいるかもしれませんが、逆に流入を妨げることにもなり、諸刃の剣状態になっているのは間違いないでしょう……
このエクスポート機能についても、ITmedia NEWS編集部が提供の目処を聞いたところ、加藤CEOからは「進んでいる」と回答があったとのこと。
そして、もう1つユーザーが注目する大きなトピックといえば、Twitterの動向でしょう。
Twitterの今後の動きはいかに??
イーロン・マスクさんが現地時間11日に長文(4000文字)の投稿に対応する方針を表明。
18日には、Facebookなど他SNSのリンクの投稿を禁止する方針を、ヘルプページなどで公開したことで、SNS界隈がザワつきました…(汗)
〈ITmedia NEWS / 2022年12月21日〉
ただし18日に表明した方針については、直後にページなどを非公開化。
予断を許さない状況になっております。
こういったTwitterの動向に対して、加藤CEOはどのように感じていらっしゃるのでしょうか?
としつつも、
と、note自身の集客力を高めて対応する方針を明らかにしています。
Twitter4000字問題も含め、noterとしては気になることが盛りだくさんですが、noteの未来を信じて、今後とも記事を書き続けたいと思っております。
ということで、昨日のnote上場を受けて、各メディアでの報道をピックアップさせていただきました。
もちろん、ご存知の方は多いとは思いますが、アーカイブとして残しておきたいと考え、本日はこちらの内容にいたしました!
新しいnoteの船出を祝いつつ、今後も末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。
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