「なりきる」ことで「理解」する
vol.48
インクルーシブ(包括的)な社会を目指しつつも、年齢、職位、性別、国籍などなど、異なる立場の人を理解するのは簡単ではありません。
自分では理解しているつもりであっても、相手からは「足らない」と思われることもしばしばです…(汗)
そうした中、異なる立場の人たちを理解するための興味深い取り組みを行っている企業があります。
損害保険事業を展開するあいおいニッセイ同和損害保険です。
同社では育児中の社員を、そうした経験がない社員が理解するために、勤務時間の制約や急な退社要請を疑似体験する「なりきりプロジェクト」を実施しています。
期間は2週間。
周囲の社員が体験社員の業務をカバーしながら、職場全体で業務との両立について考える「体験型研修」として9月〜10月に行われました。
なりきり社員は期間中、保育園への送迎を想定し、午前9時~午後5時の定時出退勤となります。
さらに期間内に2度、保育園からのお迎えを求める突発的な連絡が入り、退社しなければならないというる。
帰宅後は勤務を避け、家事に従事しなければなりません。
こうして、育児中の社員の状況や気持ちを実感していく。
もちろん擬似体験ということもあり、どこまで深く理解できるかは分かりませんし、同プロジェクトもテスト段階なので、今後に期待という部分はあるとは思います。
しかし、インクルーシブな文化を築き上げていく上で良きチャレンジだと思いました〜
相手の立場に立って、という以上に「なりきって」物事を考える。
この姿勢をつくるというのは非常に重要です。
これはディベートなどにも通ずる考えでしょう。
ディベートはよく「論破力」を磨くものと思わられがちですが、一番の狙いは自分とは異なる立場や考えを理解するためのトレーニングです。
賛成と立場、反対の立場、双方の立場に立って討論することで、より深く課題や解決策(落とし所)を探っていく。
よく意見が衝突した時、「話し合い」が必要と言いますが、結局は、相手の意見を「理解したい(しよう)」という気持ちにならなければ、傷つき合いに終始してしまうことが多い…(汗)
そうならないためにも、「なりきる」ことなど、相手を理解しようとするマインドセットが大切ですね。
そんなことを改めて思った本日の事例記事でした😊
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