「既知」という落とし穴
vol.63
「野菜飲料」と聞いて、どんなイメージを頭に浮かべるでしょうか?
大抵の方は、このようなリアクションなのではないでしょうか?
そんな元祖健康飲料である野菜飲料が、どうやらピンチを迎えているようです。
カゴメによると、2018年に約2000億円だった市場規模は、2023年に約1700億円まで減少しているとのこと。
〈東洋経済オンライン / 2024年1月7日〉
野菜飲料の原料や資材価格の高騰を受け、伊藤園は2022年7月に、カゴメは2023年2月にそれぞれ値上げを実施。
これが販売数量の減少に影響しているのは間違いないでしょう。
…しかし、5年間で300億円の市場規模の縮小は、…それだけが原因ではないでしょう…
2年前、日経トレンディのヒット商品1位に輝いた「Yakurut1000/Y1000」を見ても分かるように、健康飲料は空前のブーム、いやブームに留まらない健康習慣として定着しています。
…では、なぜ…、元祖健康飲料である野菜飲料が苦戦しているのでしょうか?
実は、これには冒頭の「まぁ…体に良いわけでしょ?」という生活者の認知に原因があると東洋経済の記事では分析されています。
つまり、健康メリットが曖昧であるということです。
対して、Y1000を始めとする乳酸菌飲料は「免疫ケア」や「睡眠の質向上」「ストレスの緩和」など、消費者の目的や悩みに対して特定の機能を謳う機能性表示食品が多い。
細分化された「分かりやすい」機能性が表示されている乳酸菌飲料に、野菜飲料の需要が奪われているというわけです。
実際、乳酸菌飲料市場は近年急拡大しており、野菜飲料に肉薄しています。
そこで、伊藤園では
という機能性を謳った「栄養強化型 1日分の野菜」を3年前に発売。
同社の野菜飲料の中で、機能性表示食品の売り上げは2023年度上半期で前年同期比18.6%増と大きく伸長しています。
同様に3つの機能性を謳うカゴメの「野菜一日これ一本 トリプルケア」も、売り上げは好調とのこと。
トマトジュースも「善玉コレステロールを増やす」「高めの血圧を下げる」といった機能性を明示することで、50代を中心としたメタボ予防目的の中高年層に支持されているのです。
さらに、ホームページなどで野菜飲料の機能性を積極的に情報発信。
こうした努力が、きっと市場規模の回復につながっていくでしょう。
今回の野菜飲料についての記事は
という、ちょっとした心の隙が生み出す危険性を教えてくれます。
そして、これは商品販売に関わらず、これはさまざまな場面での教訓になります。
例えば、職場での人間関係についても当てはまります。
上司は、部下に「いつも言っているから」と分かってくれていると思いがちです。
一方、部下は分かっていなくても「分かったフリ」をすることがしばしばあります。
そうして、認識のギャップが生まれてしまう…
…自戒の念を込めて、上司は常に「ちゃんと理解してくれているか」と深く社員を観察し、「もっと理解しやすい言葉がないか」と探求する必要があります。
夫婦関係や恋愛関係もそうですね。
パートナー間の常套句ですが、やはり「伝える努力」が必要なのです。
…これも、自戒の念を込めてですが…(涙)
改めて、さまざまなことで気をつけたいと思った本日の事例記事でした…😅
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