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任務遂行中

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連作短編。上の方が古いお話です。
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記事一覧

特殊機関-【帰りたい場所】#青ブラ文学部

旅鼠に関する情報が入って来た。 テロ組織レミング。 テロと言っても彼ら自体には主張する主義…

たつきち
1日前
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鈍色の記憶

最初に人を殺したのは、まだ研修期間だった。 FとUという、清掃局のエースの任務に同行してい…

たつきち
2週間前
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特殊機関-【小さなオルゴール】#青ブラ文学部

「これって…?」 見覚えのある小さなオルゴールがFのデスクの上に乗っていた。 少し前の任務…

たつきち
3週間前
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特殊機関 - 【祈りの雨】#青ブラ文芸部

人を殺すことにもだいぶ慣れたものだとKは思った。 以前は任務の後は身体中にべったりと何かが…

たつきち
1か月前
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【変わる時】#シロクマ文芸部

「変わる時が狙い目だ」 「かわる?」 「いわゆる羽化だ。まぁ、あれには羽はないがね」 目の…

たつきち
1か月前
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破壊作戦 #ムーンリバー

川底よりも深い地中を掘削しているマシンを爆破する。 それもちょうど川の真下にいる時を見計…

たつきち
1か月前
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interval - 打ち合わせ -

先日、武器工場の爆発で大破した工業ロボットは、P社から輸出されたものだった。しかし、それは3年前に移送する船ごと何者かに強奪されたという。 僕が読んでいたのは、その時の事件の調査結果だ。工業ロボットを奪われた国=X国が国連に対して提出した調書。 P社からあの国が購入した産業ロボットが海賊に奪われた。奪われた後どうなったのか不明。海賊たちはそれを使ってどうこうできないだろう。第三者に売ったが大方の予想。だから、あそこに化学兵器工場を作ったのはそれを購入した第三者。おそらく反政府

camouflageもしくは作戦失敗

左腕に破片が刺さった僕は呆然と爆発した工場を見ていた。 そんな僕をFが引きずるようにして車…

たつきち
3か月前
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暗号解読

「待たせた」 Mがコーヒーを淹れて部屋に戻ってきた。 「いいのかい?水物なんて」 とKが言う…

たつきち
4か月前
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笑う暗殺者

「やれやれ」 目の前の惨憺たる状況を見てFは手にしていた銃をホルダーに戻した。 「遅かった…

たつきち
4か月前
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Lemming

窮鼠は猫を噛まず、自らのこめかみを撃ち抜いた。 「残念ながら俺の世界はお前らのために回っ…

たつきち
4か月前
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エコー、あるいは対象観察

「動きなし」 この報告はもう半月ほど続いている。 正直もうしばらくこの観察を続けていたいと…

たつきち
4か月前
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ハミングが聞こえる(任務遂行中)

配管室はその出入り口にカメラはあっても、中にはない。 配管室内に人がいるのは修繕・点検な…

たつきち
4か月前
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ノイズ、もしくは任務遂行中

その街にはもうほとんど人がいなかった。 とある組織の抗争で、無関係な多くの人々は街を出て避難をしている。 時々起きる抗争に、街の人はすっかり慣れてはいるが、いつどこで流れ弾に当たるか?爆発に巻き込まれるか?そんなことを気にして過ごすより、さっさと避難した方がいい。そう思っていた。 政府も街の人のために避難地域を用意している。 仮住まいの場所でも、人々は日常生活を送るには十分だった。 しかし、僕らは、政府から、その組織を排除してほしいと依頼されていた。 僕らは「清掃人」と呼ばれ