左利きの彼女 (1 minute novel)

『左利きの彼女』


控え目な胸を介して伝わってくる鼓動。耳にかかる吐息。


「私は鏡の世界から来たのだ」

何気なく言った僕の「左利きなんだね」に、不思議の国からやって来たお嬢様は確かにそう言っていた。


拭い切れない違和感。

僕と彼女の心臓は何故だかぴったりと重なっていて。

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