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雑談は仕事です ーコミュニケーションの悩みを解決するたった1つの行動

どの会社にも共通するテレワークの課題は「コミュニケーション」

サイボウズ チームワーク総研のなかむらです。
暖かくなって心地よい気候になってきましたが、なかなかコロナ禍から抜け出せない日々が続いています。

現在も引き続きテレワーク中心で仕事をされている方も多いことと思います。相変わらずサイボウズも、スコラ・コンサルトも、テレワーク中心の毎日を過ごしています。


昨年は様々なところがテレワークに関する数多くの調査を行っていました。たいていどの調査でも、オフィスで働いていたときと比較して「従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなった」は、多くのビジネスパーソンの悩みとして挙げられます。

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(経団連「2020年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」)

また、昨年の夏ごろからは、マネジメントに関する不安の声が私たちのもとにも寄せられるようになってきました。

  ・メンバーの進捗を把握しづらい
  ・コミュニケーションが取りにくい
  ・新人の指導に困る
  ・文字でのコミュニケーションが難しい
  ・今後のチームの在り方が描きづらい
  ・・・

一方で、チームワーク総研でビジネスパーソン3,000名を対象に行った昨年秋の調査では、若手も"コミュニケーションがしづらい"と悩んでいることが分かりました。若い人ほど、業務に関することであっても、「コミュニケーションしづらい」と回答した人が半数以上いました。

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コロナ禍による職場のテレワーク化により、マネジメント層、若年層ともに、円滑に業務を行うためのフォローの必要性が高まっていると言えます。

ザツダンにスキルはいらない

私たちが実際行っているマネジメントの仕組みの1つとしてよくお話するのが、15年ほど前から行っている「ザツダン」という慣習についてです。リーダーとメンバーとが「1対1で対話する」1on1を実施されている企業も多いかと思いますが、それと“形”は似ています。


いわゆる1on1と違う点が2つあります。1つは、1on1というと、ティーチングやコーチング、カウンセリングといったスキルが必要ではないかと思われがちですが、雑談なので、それらは不要だ、という点です。

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1on1のために「新しいスキル」を習得しなければならないように感じて、「仕事が1つ増えた」と感じるマネージャーもいるでしょう。負担に感じ、会社から言われた1on1をおざなりにしがちという話もよくある話です。


もう1つの違いは、「部下の成長とか気にしない」という点です。なぜなら雑談だから(笑)。上下などの関係性をザツダンの場に持ち込みません。


やることは、会議室を予約して上司とメンバーで毎週30分ザツダンすること。これを現在はほぼ全社員が行っています。テレワークの現在は、テレビ会議を繋いでザツダンを行っていて、ここで仕事やそれ以外の情報を共有しています。


定期的に実施する効果として、「あの時に話そう」と思うようになるため、上司・メンバー両方にとって円滑にコミュニケーションをとる1つの仕組みになっています。マネージャーの中には、「今日は1日ザツダンをしていた」という社員もいます。

ザツダンは、仕事中こそ意味がある

この私たちの事例を話すと、「ザツダンは業務時間にしているのですか」と聞かれることがあります。答えは「はい」です。


普段オフィスにいるとき、私たちは何気ない雑談をすることもあると思います。雑談はチームの潤滑油として大事なコミュニケーションであるのは言わずもがなですね。何気なく雑談していた時間を、いちいち「それは業務時間から引いておいて」とはならないですよね。それと同じだと考えてください。

ましてや、コミュニケーション不足の悩みが増えているテレワーク下の現在、マネージャーもメンバーも両方がコミュニケーションに悩んでいます。一人ひとりと話をする時間をあえて作ることは、求められている業務です。


「コミュニケーション量を増やす」仕組みを、ゆるりと作っていきましょう。マネージャーは、15分、30分で充分なので、一人ひとりと話す時間を業務時間内に定期的につくってみましょう。メンバーのあなたは、同僚と話す時間を作ってみるのはいかがでしょうか。コーヒーを飲みながら、お菓子を食べながらでも大丈夫です。むしろそれは大歓迎!それくらいの軽い気持ちから、悩みや本音を話せるチームづくりは始まります。


自社に1on1の習慣が無く、いきなり1対1の予定を入れるのは気が引けるという方は、週に一度、チームで「おやつタイム」などを設けて、雑談する時間をあえてスケジュールに入れてみましょう。オフィスで誰かのお土産をみんなで食べていたように、ランチ後や終業後に少したわいもない話をしていたように、オフィスのあの時間を、オンラインでもぜひやってみましょう。自分自身の気持ちも軽くなっていくと思います。


雑談は、チームのコミュニケーションを促進します。チーム作りは業務です。チームでの雑談は業務時間にやるからこそ、意味があります


テレワークのやり方をもう少し「進歩」させてみて、自分たちの新しい働き方を自分たちで創り上げていきましょう。それがコロナ禍を少しでも気持ち軽く過ごすコツにもなりそうです。

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