子どもに『ことばの暴力』をしない
「いいからやれ!」
「だからお前はダメなんだ」
このような言葉を子どもに浴びせていませんか?
親は子どもを育てる義務があるので、このような声かけをするのは当然だと感じる方もいるかもしれません。
しかし、これは『ことばの暴力』です。
『ことばの暴力』により、子どもは深く傷ついてしまいます。その傷は一生消えないかもしれません。
本日は『ことばの暴力』について考えてみたいと思います。
この話を考えたきっかけは、『嫌われる勇気』でも有名な古賀史健さんの著書『さみしい夜にはペンを持て』を読んだことがきっかけです。この本は、いじめられっ子のタコジローがヤドカリのおじさんとの対話で成長していく物語です。
ストーリーもとても素晴らしいですが、とても綺麗な本なので紙の書籍で読むのをおすすめします。
ことばの暴力
『ことばの暴力』とは、言葉を使って他者に心理的な攻撃を加えることです。
存在を否定する
怒鳴りつける
侮辱する
脅迫的する
このような言動を使うことで、子ども心に大きな傷をあたえ、自己肯定感や心理的安全性の低下につながります。
『ことばの暴力』による影響
まず知ってもらいたいことは『ことばの暴力』は虐待です。
東京医科歯科大学が行った調査によると『ことばの暴力』を受けた子どもは、「集中できない」や「いじめをする」などの問題行動を増やす傾向があるようです。
さらに注目したいのは「他人を思いやる行動をとる頻度の低下」が認められたこと。
『ことばの暴力』により、脳のネットワーク機能が大きく低下し、正常な意思決定ができなくなります。つまり、精神的なストレスなどに対して、ぜい弱な状態になってしまうのです。
『ことばの暴力』は虐待です。子どもの心の発達に大きな影響を及ぼし、将来にわたって心の傷となる可能性があります。
〈参考資料:『その「一言」が将来を変える!?最新研究・言葉のリスクと可能性』NHKクローズアップ現代〉
『ことばの暴力』をやめるには
そもそも『ことばの暴力』はどんなときに使われるのでしょうか?
『さみしい夜にはペンを持て』の中で、ヤドカリのおじさんは『ことばの暴力』についてこのように語っていました。
面倒くさいからから『言葉の暴力』で簡単に話を終わらせようとする。
「うるさい!」
「ダメなものはダメ!」
「常識だろ!」
たしかに、こんな一言で子どもが言うこと聞けば親は楽ですもんね。
面倒くさがらない
でも、それでいいのでしょうか?
子どもは「なぜ?」を知りたいものです。そんなときは「うるさい」で終わらせそうとせず「私は今○○だから静かにしてほしいんだ」などと面倒くさがらずに説明しましょう。
また、取り込み中などですぐに詳しい説明ができないときは、終わったあとにゆっくり説明してください。
私自身、仕事でも上司に言われて納得できないことはやりたくないです。子どもでも同じです。「親だから何を言ってもい」「子どもは怒られて当然」そんなことありえません。
子どもだって一人の人間です。面倒くさがらず、子どもを尊重して話をしましょう。
結局、面倒くさがって『ことばの暴力』でしつけられた子どもは、親の言うことを聞かない子どもに育つことが多いように感じます。
素直に謝る
それでも、疲れたときや忙しいときに『ことばの暴力』を使ってしまうことがあります。
そんなときは、自分を卑下するのではなく、気づいた時点ですぐに子どもに謝るのが肝心です。謝ってもらえたことで『ことばの暴力』による傷も大きくならずに済みます。
子どもに謝れない親も多いですが、親が子どもに謝ることで親も失敗すると伝えられるので、失敗したときは積極的に謝りましょう。
おわりに -Finally-
面倒くさがらずに子どもと向き合う、それが『ことばの暴力』を子どもに向けない方法です。そのためには、私たち親自身が心に余裕を持つことを意識しなければなりません。
それでもイライラしてしまい子どもに辛く当たってしまいそうになることもあります。そんなときには「声を荒げる必要があるのか?」と自問しましょう。
意識するようになれば、自然とできるようになれます。
『ことばの暴力』のない、おだやかな親子関係を築いていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ー Thank you for reading to the end. ー
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